要注目の美術家・毛利悠子の新作は、スキャナーから生まれる”ひだ”のイメージです。

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    《#2》2016

    昨年、『日産アートアワード2015』でグランプリを獲得し、その後も名古屋、台北での個展、森美術館『六本木クロッシング 2016』など、活躍が続く美術家・毛利悠子。彼女の新作が、いよいよ恵比寿のwaitingroomへインストールされます。

    今回キーとなるのは「スキャナー」。これまで毛利が作品に使用してきた、リボン、毛ばたき、ロープ、蝶のおもちゃ、コイン、LEDライトなどのオブジェをスキャナー上に設置。独自の動きをするそれらは継続的にスキャニングされ、画像データはハードディスクへ保存され続けます。それら特有の動き=運動は、そこに独自の時間をも生み出します。毛利はその装置から、無数のひだが折り重なっていく像=「Pleated Image」(“ひだ状のイメージ”)を想起し、展覧会タイトルとしたそうです。

    光や風、磁力など、環境から生まれる自然現象に、機械が起こすエラーが加わって、毛ばたきなどの日用品が生きているかのように動き出し、アコーディオンや太鼓などの楽器は不定期に音を奏でる。毛利の作品には不可思議な”気配”が存在し、私たちを想像力の彼方へと飛ばしてくれました。今回の新作は、そこからさらに一歩進んだもの。”気配”として感じられていたものが、ヴィジュアル・イメージとなって出現するのです。

    「偶然の産物」という共通性はそのままに、アウトプットの姿が劇的に変化した今作。目には見えないそれを、あなたの目で確かめることができるかもしれません。(Pen編集部)



    《#1》2016

    《#4》2016

    《#6》2016

    毛利 悠子 個展『Pleated Image』

    開催期間:4月9日(土)~5月15日(日)
    開催場所:waitingroom 東京都渋谷区恵比寿西2-8-11 渋谷百貨ビル4B
    開館時間:17~23時(月) 13~19時(金、土、日)
    休館日:火~木


    入場無料

    www.waitingroom.jp