“剥離”ってなに?矢尾板克則さんのうつわが楽しめる「浮遊スル冬」が開催中!

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    矢尾板克則さんの代表作「koya」。アートスペース油亀の会場には、様々な「koya」が並びます。
    撮影:アートスペース油亀

    岡山県にあるアートスペース油亀。日本三名園のひとつ 後楽園のわきに居を構える古民家でいま、陶芸家 矢尾板克則さんの「浮遊スル冬」展が開催中です。

    子どものような自由な発想で形がねられ、やさしい色で表現される矢尾板さんの作品。今回展示されているのは、矢尾板さんの生まれ故郷である新潟の厳しい寒さにさらされた小屋がモチーフの立体オブジェや、ぬくもりある模様と色、そして「剥離」の技法で生み出される独特の風合いを放つうつわなど、見ていて楽しい作品約200点。風化する小屋に農家の人が色を重ねていくことで、経年とともに変わり続けるその姿を作品で表現し、変化とは劣化なのか進化なのか、私たちに問いかけます。

    さらに自身の作品の特徴ともいえる風化したような表面をつくる「剥離」の工程も、展示中に映像で公開。塗り重ねられた化粧土が自然乾燥によって収縮し、下地の色をはがしながら落ちていく様子を見ることができます。

    会期中はオリジナルコーヒーを販売。作家おすすめのチョコレートも用意されているそう。
    お近くに行かれた際は矢尾板さん愛飲のコーヒーを飲みながら、冬のアート鑑賞、そんな豊かな時間を過ごされてみてはいかがでしょう?(Pen編集部)

    作品の製作過程。剥離した表面。下から浮かび上がる作品の表情。 撮影:アートスペース油亀

    「色絵マグカップ」こどもの落書きのような模様。絵と色の掛け合わせもすべて異なり、同じものはありません。 撮影:アートスペース油亀

    矢尾板克則展「浮遊スル冬」
    開催期間:~12月25日(金)
    アートスペース油亀
    岡山県北区出石町2-3-1 
    開館時間:11時~19時 
    休廊日:12月17日(木) 
    http://www.aburakame.com/