日本では史上最多となる9点が東京に! 『フェルメール展』を見るべき理由。

日本では史上最多となる9点が東京に! 『フェルメール展』を見るべき理由。

文:中島良平

日本では史上最多となる9点が東京に! 『フェルメール展』を見るべき理由。

ヨハネス・フェルメール『牛乳を注ぐ女』 1658~1660年頃 アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum. Puchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1908

日本では史上最多となる9点が東京に! 『フェルメール展』を見るべき理由。

上野の森美術館で開催中の『フェルメール展』。日本でもファンの多いオランダの画家ヨハネス・フェルメールの作品を含む、17世紀のオランダ絵画の名作がズラリと展示されている充実の展覧会です。展示は2階からスタートします。最初の展示室では、17世紀オランダの画家たちがリアリズムを求めて描いた7点の肖像画が、来館者に目線を向けて会場に迎え入れてくれます。それらに続くのは、ヨーロッパ内の貿易を支配し、科学や軍事、芸術といった分野でも黄金時代を迎えていた17世紀オランダの絵画作品。そのハイライトにフェルメールが位置づけられた展示全体への期待を煽る構成です。

順を追って見ていくと、オランダ黄金時代の画家たちが自分の身の回りのものをモチーフとして制作を行っていたことが見えてきます。たとえば、港湾を多く描いたファン・ウィーリンヘンの作品には、船と海の描写に漁師たちの活気が閉じ込められています。また、「ルカによる福音書」19章に没頭する老女を描いたヘラルト・ダウの『本を読む老女』には、「この世の財産は貧しき者たちと共有するのがキリスト教徒の務め」だという教えが込められているようにも感じられます。

そして、フェルメール。現存する彼の全作品は35点ととも言われているのですが、今回はそのうち9点が来日し(一部展示替えあり)、フェルメール・ルームと名付けられた空間に展示されています。画家唯一とされる宗教画に始まり、名作が一堂に会する様子は圧巻です。画面左に窓を配置した複数の作品は、写真における光源と被写体との関係を想起させます。一方で、主題から距離を保って描かれた風俗画は、当時の上流階級の部屋をのぞき見しているような気分にもさせてくれます。

やはり圧巻は、『牛乳を注ぐ女』でしょうか。低い視点から描かれた画面のバランス、室内の光と影、手元に集中するメイドが醸す緊張感。鮮やかな色彩で小さなカンヴァスに収められた光景に、目を奪われるに違いありません。17世紀オランダの風俗を感じ、フェルメールの筆致を間近に目にすることができる、貴重な機会です。

日本では史上最多となる9点が東京に! 『フェルメール展』を見るべき理由。

ヨハネス・フェルメール『マルタとマリアの家のキリスト』1654~1655年頃 スコットランド・ナショナル・ギャラリーNational Galleries of Scotland, Edinburgh. Presented by the sons of W A Coats in memory of their father 1927

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ヨハネス・フェルメール『ワイングラス』1661~1662年頃 ベルリン国立美術館
© Staatliche Museen zu Berlin, Gemäldegalerie / Jörg P. Anders

日本では史上最多となる9点が東京に! 『フェルメール展』を見るべき理由。

ハブリエル・メツー『手紙を読む女』1664~1666年頃 
アイルランド・ナショナル・ギャラリー Presented, Sir Alfred and Lady Beit, 1987 (Beit Collection) Photo © National Gallery of Ireland, Dublin NGI.4537 

日本では史上最多となる9点が東京に! 『フェルメール展』を見るべき理由。

ヘラルト・ダウ『本を読む老女』1631~1632年頃 アムステルダム国立美術館 
Rijksmuseum. A.H. Hoekwater Bequest, The Hague, 1912

『フェルメール展』

開催期間:2018年10月5日(金)〜2019年2月3日(日)
開催場所:上野の森美術館
東京都台東区上野公園1-2
TEL:0570-008-035(インフォメーションダイヤル)
開館時間:9時30分〜20時30分 ※入館は閉館の30分前まで。ただし、開館・閉館時間が異なる日あり。サイトで確認を
休館日:12月13日(木)
入場料:一般¥2,500(税込)他
※日時指定入場制
※前売販売が予定枚数に達しなかった入場時間枠は、当日日時指定券(¥2,700、税込)を販売
※2019年2月16日から5月12日まで、大阪市立美術館でも開催
www.vermeer.jp

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