リアルで親密な時間が流れる、写真家・笠井爾示の作品展『東京の恋人』が開催中!

  • 文:幕田けいた

Share:

©Chikashi Kasai(以下、写真すべて)

CDジャケットやグラビア写真集、ファッションの分野で活躍を続ける写真家・笠井爾示の最新作品集『東京の恋人』(玄光社)。約380点の作品を掲載したこの写真集に、新たに200点以上を加えた約500点を展示する展覧会が開催されます。

展示されるのは2011年以降に撮影した、有名、無名を問わない約60名以上の「東京の女性」のごくプライベートな姿。オシャレなだけの人物像ではなく、セクシャリティな部分も露わにする風景は、誰もが経験している日常生活のリアリティを感じさせてくれます。

笠井は、95年に初の個展『Tokyo Dance』を開催し、アメリカ人写真家のナン・ゴールディンに見出されました。ゴールディンは自作について、18歳で自死した姉の死から強い影響を受け「彼女との間にあった親密さを探している」と語っています。笠井が『東京の恋人』で表現しようとしているのも、誰もが「日々の記憶」の中に隠している、そんな「親密さ」なのかもしれません。

笠井自身がプリントした写真や、長辺2mにおよぶ3点の大判写真が展示されるなど、見ごたえのある内容ですが、昔からのファンにとっては、デビュー作『Tokyo Dance』と同じ人物、同じモチーフがふたたび登場しているのも、密かな楽しみでしょう。

笠井爾示写真展『東京の恋人』
開催期間:2017年12月9日(土)~12月21日(木)
開催場所:渋谷ヒカリエ8/CUBE
住所:東京都渋谷区 渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
TEL:03-6434-1493
開場時間:11時~20時
会期中無休
入場料無料
www.tokyokoibito.com