「トイ・ストーリー」を創り出した「ピクサー」、30年の歴史を凝縮した展覧会がいよいよスタート!

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    ボブ・ポーリー ≪ウッディとバズ≫ ©Disney/Pixar

    1996年に日本公開された、世界最初のフルCGアニメ映画「トイ・ストーリー」から、3月12日公開の最新作「アーロと少年」まで、人気作品を次々と世に送り出すピクサー・アニメーション・スタジオ。今年は、ピクサー設立30周年の節目です。
    これを記念し、スタジオ所属のアーティストたちが映画制作の過程で描いた、さまざまなアートワークの全貌を俯瞰するエキシビジョンが、東京都現代美術館で開催中です。

    入ってすぐにお目にかかるのはピクサーの歴史の一覧。

    ピクサー作品には、企画構想段階で、さまざまなアーティストが活躍しています。手描きのドローイングやパステル画、デジタルペインティング、彫刻などで、中核となる「ストーリー」「キャラクター」「世界観」を具現化していくのです。

    映画ができるまでの細かい過程が解き明かされる。

    男の子に人気の「カーズ」。キャラクターの表情を表現するのに、それぞれの目の形や色を変えているんだとか。

    「スタジオ設立30周年記念 ピクサー展」では、彼らの創作活動にスポットライトを当て、映画制作の過程で創り出されたラフスケッチやイメージ画、検討用立体模型、色彩やCG制作工程の見本といった貴重なアートワーク、約500点を一挙に公開。ストーリーのアイディア出しからキャラクターが決定し、作品が完成するまでの、細かい過程を俯瞰します。各所に設置されたモニターでは、ピクサーで働くアーティストたちのインタビューVTRも流されていますが、彼らが当時の裏話を、いかにも楽しげに語っているのには注目。苦労こそ楽しいという、ピクサーのアーティストたちの姿勢は、大人の職業人なら、ぜひ学びたいところではないでしょうか。

    館内に流れるピクサーで働く人々のVTR。彼らの「楽しさ」が作品に映し出されている。

    ≪トイ・ストーリー ゾートロープ≫  これは、大型ゾートロープ。電気が消えて1点に光があたり、この装置が回りだすと、不思議なことにひとつの動く画が完成します。

    ほかにも、からくり式の立体アニメ装置「大型ゾートロープ」(思わず感嘆の声が上がるはず!)や迫力のスクリーン映像など、様々な手法でピクサーの世界が表現されます。

    「ピクサー展」は、アニメが単なる子ども向けではなく、プロフェッショナルたちのアーティスティックな感性の集積だと実感できる、まさに現代的な美術展といえるでしょう。ちなみに、館内の音声ガイドナビゲーターは、女優の安田成美さんが担当。ファンには、こちらも気になるところかも。(幕田けい太)

    ピーター・ソーン ≪スポットとアーロ≫ 最新作『アーロと少年』のスケッチ画も。

    館内の移動中に出合うキャラクターたち。

    スタジオ設立30周年記念 ピクサー展

    開催期間:~5月29日(日)
    開催場所:東京都現代美術館
    開館時間:10時~18時 ※入場は閉館の30分前まで
    休館日:月、3月22日(火)
    ※ただし3月21日(月・祝)、5月2日(月)、5月23日(月)は開館
    料金:一般¥1,500(当日券)

    http://pxr30.jp/

    ⒸDisney/Pixar