名画『睡蓮の池』がVR ARTとコラボレーション!「Point-Rhythm World−モネの小宇宙−」展が開催中です。

  • 文:内山さつき

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暗闇の中で輝く、クロード・モネの名画『睡蓮の池』に描かれた庭の世界。睡蓮の葉や花、水面の陰影が不思議なきらめきをまとって浮かび上がっています。橋の上には透明液晶が設置され、近づくとセンサーが反応して花火や蝶のような映像が投影され、絵画の世界に分け入って行くような不思議な感覚にとらわれます。

この作品は、モネの『睡蓮の池』(1899年 ポーラ美術館所蔵)と、透明液晶を用いたVR ART(Virtual Reality Art)のコラボレーションという刺激的な現代アートのインスタレーション。銀座のポーラ・ミュージアム・アネックスで開催中の展覧会です。

インスタレーションを手がけるのは、きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲「PONPONPON」のMVアートや、「原宿KAWAII MONSTER CAFE」のプロデュースなど、原宿のKawaii文化を牽引してきた増田セバスチャンさん。このコラボレーションの依頼を受け、増田さんは『睡蓮の池』の実物と、ひとりじっくり向き合う時間を得ました。そこでモネの筆づかいの細やかさや荒々しさに間近で触れ、画家の感情の揺らぎや、反骨精神のような時代に挑むエネルギーを感じたといいます。

展覧会タイトルの「Point-Rhythm(ポイントリズム)」は、点描画法という意味の「pointillism」とリズム(rhythm)をかけた造語。このインスタレーション作品では、レースやスーパーボール、人形に使われる髪、ボタンなど、“Kawaii”世界を構成する色とりどりの素材が「ポイント」(点)の役割を担っています。そしてこれらのおよそ2tにもおよぶガーリーなマテリアルが、池の水面や睡蓮の葉を表現し、モネの世界をつくり上げているのです。ヴァーチャルとリアルが交錯する、新しい名画の世界をぜひ味わってみてください。

作品を構成するマテリアル。

原宿のKawaii文化を中心に活躍してきた増田セバスチャンさん。

Sebatian Masuda Exhibition Point-Rhythm World -モネの小宇宙-

開催期間:〜9月3日(日)
開催場所:ポーラ ミュージアム アネックス
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル 3F
開館時間:11時〜20時(入場は閉館の30分前まで)
会期中無休
会期中無料
http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/