レアンドロ・エルリッヒも参加、『窓学展 窓から見える世界』で新しい視点の“窓”を開けよう。

  • 文:阿部博子

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レアンドロ・エルリッヒによるインスタレーション『窓と椅子―歴史への傾倒』

「窓学」という学問をご存じですか? 「窓は文明であり、文化である」という思想のもとに、YKK APが2007年から窓を学問として多角的に研究している活動です。この10年間、建築、文化、アートなど、さまざまな切り口で「窓」にアプローチしてきた研究成果をわかりやすく紹介する窓学10周年記念『窓学展—窓から見える世界—』が、10月9日(月)まで、青山のスパイラルガーデンで開催中です。

会場となるスパイラルガーデンには、「窓と環境」「窓と漫画」「窓と歴史」といった研究成果に加え、本展のために制作されたアート作品が並びます。会場入口に設置された実寸模型は、窓学の一環としてル・コルビュジエのラ・トゥーレット修道院の宿坊部屋をまるごとピンホールカメラにし、窓から見える風景を露光させて撮影したホンマタカシの作品。ホールの階段エリアには、若手アーティストの鎌田友介による、窓という存在を根本から疑いたくなるような不思議な立体作品を展示しています。

そして、本展のアート作品の目玉となるのが、レアンドロ・エルリッヒによる、窓にかかるはしごによるインスタレーションです。自立したはしごと浮遊しているかのような窓による作品を、螺旋状のスロープから360度ぐるりと眺めていると、まるで天空や天国につながっているのかもしれないといったイマジネーションを膨らませてくれます。

私たちの住まいや職場など、実は身近にある「窓」。本展でのアカデミックな研究成果と現代アートによる融合を体感することで、漠然と捉えていた窓への見方が変わるはず。これまでに出合ったことのない、新しい視点の“窓”を開けてみませんか?

ホンマタカシの作品『Camera Obscura Studies, La Tourette』

大学および研究機関の研究者による「窓」にまつわる研究成果を展示したコーナー。

窓学10周年記念「窓学展—窓から見える世界—」

開催期間:2017年9月28日(木)〜10月9日(月・祝)
開催場所:スパイラルガーデン
東京都港区南青山5-6-23
TEL:  0120-20-4134(YKK APお客様相談室 )
開催時間:11時〜20時
会期中無休 
会期中入場料無料
http://madogaku.madoken.jp/exhibition