新たな九谷焼の魅力に迫る! 錦山窯による新作展「Re-受け継がれる錦山窯の心髄-」で何を見る?

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    昨年に続き2回目となる本展では、錦山窯110 年の歴史の中で受け継がれてきた意匠と技に、さらに磨きをかけ製作した新作プレートとボウルを中心に展示します。タイトルの「Re」は、返信を意味する「reply」からのインスピレーションであると同時に、受け継がれてきた技の本質を継承し、そこに新たな価値を与える創造的作業「redesign」という意味も表しています。

    今回の開催にあたり、錦山窯四代 吉田幸央さんはこう語ります。「錦山窯が“OLD KINZAN”と呼ぶ過去商品の文様を選び直し、新たなデザインに落とし込むという根気のいる作業となりました。 この作業は現代の職人にとって技術習得の場になるとともに、先人からの手紙を読み解く時間ともなったのです。試行錯誤の中で生み出された新作を、錦山窯に伝わる装飾の魅力とともに再発見していただける機会となれば幸いです」。

    錦山窯(きんざんがま)は、石川県小松市高堂町にある九谷焼上絵付を専業とする窯元です。窯の始まりはおよそ百年前、1906(明治39)年。加賀藩の御用窯として発展した九谷焼は、色絵や金襴手などの華やかで繊細な絵付が特徴で、明治時代から海外へも多く輸出され、その技術力と造形美は「ジャパンクタニ」と称され、世界からも高い評価を受けてきました。錦山窯が得意とするのは、金彩の技法です。彩色金襴手に長けていた初代から代々、金を使った絵付を特徴としてきました。三代美統は「釉裏金彩」の技法を高め、国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けています。そして四代幸央は伝統の技を継承しながら、時代に合った新しい彩色金襴手の表現を模索して日々研鑽しています。

    伝統技術にあらたな試みを施した錦山窯の新作。ぜひ間近で、その技に触れてみてください。気に入った作品は購入可能。ぜひ、あなただけの逸品を見つけてみてはいかがでしょうか。(外川ゆい)

    錦山窯の飾皿に縁取られる模様とお料理のコラボレーションを、日常生活で楽しめるプレートとボウルです。飛び跳ねる鯉の姿に生命のたくましさを託した「跳鯉図の皿」から、スピリットを受け継ぎ表現した「Water Eye」、山々から上る朝日の清らかで神聖な光をモチーフとし描いた「White Bless」、錦山窯が大切にしている濡れたような赤を背景に花のアラベスク文様を描いた「RedArabesque」、3 パターンのリム模様を。

    錦山窯に伝わる名品のひとつ「色絵花詰手飾皿」は、四季折々の花々が百花繚乱と咲き乱れ、金彩が施されている華麗な大皿です。今回は、薔薇、木槿、紫陽花、躑躅などを拾い上げ、天から舞い落ちてくるかのようなデザインに。器の地色にはテレピン叩きといういまではほとんど使われることのない技法を用い、アプリコット、ターコイズ、ココアの3色で展開します。「Falling Flower(フォーリングフラワー)」

    Re - 受け継がれる錦山窯の心髄 -

    開催期間:5 月27 日(金)~29 日(日)
    開催場所:ヒルサイドフォーラム
    渋谷区猿楽町18 - 8 ヒルサイドテラスF 棟
    開館時間:11時~20時30分(最終日は18時30分まで)
    入場料無料
    http://www.kinzangama.com/