大正時代の画家の特異な才能に触れる!「没後90年 萬鐵五郎展」が葉山で開催中。

  • 文:及位友美

Share:

『裸体美人』1912年 油彩、画布 東京国立近代美術館蔵 重要文化財

大正時代の日本で、ひときわ特異な才能を輝かせた画家・萬鐵五郎。没後90年となる今年、神奈川県立近代美術館 葉山で20年ぶりの大規模な回顧展が開催されています。

岩手県の土沢(現在の花巻市)に生まれ、茅ケ崎で没した萬は、西洋絵画と東洋の伝統を融合させ独自の世界を作り上げた画家です。当時の前衛絵画であったフォーヴィズムを取り入れた先駆者として知られます。

本展は、萬の代表的な油彩画や水彩画を中心に、その制作プロセスを示す素描や資料のほか、版画やこれまであまり注目されてこなかった水墨画にも焦点を当てています。総出品点数はなんと400点以上に。稀にみる才能に恵まれた画家の、創作の原動力を伝える展示にご注目ください!

神奈川県立近代美術館 葉山は、その環境もぞんぶんに楽しむことができる美術館。目の前には相模湾の一色海岸、背後には三ヶ岡山に囲まれた立地で、「海」と「山」を眺望できる気持ちのよい場所です。自然と調和した美術館と、今こそ見たい萬鐵五郎の回顧展というぜいたくな組み合わせ。この夏のひと時、葉山の美術館で過ごしてみては?

『かなきり声の風景』1918年 油彩、画布 山形美術館寄託

『ガス灯』1913年頃 油彩、画布 横須賀美術館蔵

没後90年 萬鐵五郎展
開催期間:7月1日~9月3日
開催場所:神奈川県立近代美術館 葉山 
神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日
入場料:一般1,000円
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2017/yorozu/index.html