写真展「魚人」開催中! リアルを映す写真家 田附勝が丁寧に残した東北の姿は必見です。

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    写真家 田附勝さんと言えばアートトラックと認識している人も多いかもしれません。デコトラと呼ばれる派手な装飾がほどこされた、主人自慢のトラックを撮り続け、作品に昇華した田附さんが今回取り組んだのが青森県八戸市で暮らす、海とともに生きる人々を写真に収めることでした。

    2014年5月から毎月八戸に通い、現地の人の話に耳を傾け、時には共に漁に行き、経験を共有することで撮られた表情、リアルな生活は、ただ美しいだけではない迫力があります。撮影を続ける中で2011年3月11日、日本を襲った東日本大震災で起きた津波で流出した八戸市 大久喜漁港にある神社の鳥居の笠木が、太平洋をはさんだ対岸、アメリカのオレゴン州に辿りついたというニュースが届きます。アメリカに渡った田附さんは、笠木とともに現地の漁港での生活も撮影。遠いと思っていた対岸が、海に寄り添うという生活で繋がっていたと気づかされる貴重な経験になったそう。

    第37回木村伊兵衛賞を受賞した写真集「東北」につづき、今回撮影された写真シリーズも写真集「魚人」として刊行 。八戸市発で各地に店舗を展開するカネイリの店舗他、全国の書店で販売しています。

    そして会場となる市民憩いの場「はっち」も今年で5周年を迎え、魚人に続き今後もこの節目を記念するイベントを企画しているとか。その皮切りとなる本展示の、鮮烈で生々しくたくましい、田附さんが捉えた人の営みをぜひ堪能してみてください。(Pen編集部)

    田附勝 写真展「魚人」
    会期: ~2月21日(日)
    会場:八戸ポータルミュージアムはっち2Fシアター2
    青森県八戸市三日町11-1
    開館時間:9時~21時
    入場無料
    TEL:0178-22-8228
    http://hacchi.jp/
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