若手現代美術作家、関川航平が架空を描いた作品を通し問いかける、つくるこ...

若手現代美術作家、関川航平が架空を描いた作品を通し問いかける、つくること・描くこと。関川航平展「figure / out」。

現実と非現実のクロスポイントを描くこと。あるいはまったく属性が異なるもの同士を組み合わせ新たな物質、イメージを生むことは、絵画、写真などのアートだけでなく映画やアニメといった多くの視覚芸術全般で、長い間テーマとされてきました。関川航平さんは、まさにそういった文脈における重要度の高い1990年生まれの若手現代美術作家です。

関川さんの作品は多岐に渡ります。立体、パフォーマンス、インスタレーション、イラストレーション、ペインティングと、カテゴリーにとらわれず柔軟に、そして自然に行き来する幅広い表現活動が評価へと繋がっています。すべてに共通するのは言葉を使用しないこと。基本的に言葉は何かを具体的にする時、説明をするために用いられます。例えば、あの人は○○という名前で出身は○○で、現在は○○という肩書き、といったように。言葉だけでは物事のすべてをとらえることはできません。言葉を越えること、鑑賞者の感情に訴え想像を喚起させることが、関川さんが作家として活動する目的だと考えられます。

現在の評価を決定づけたのがドローイング連作≪figure≫。描かれたのは、まるで商品かの如く紙の中央だけにレイアウトされた架空の玩具や工芸品。緻密な鉛筆の線だけで構成された丹念な描写は非常に立体的で、その場にそのものが飾られているような感覚を鑑賞者に与えます。あえて克明に描くことは関川さんにとって自らに課した課題だと言います。そして描き出した時点では完成図はなく、描かされるようにとにかく描くことで作品に不思議さが生まれるのです。

2017年1月11日(水)から銀座のギャラリー、ガーディアン・ガーデンで開催される個展「figure/out」では「1_WALL」のグランプリ受賞後から約1年をかけて新たに描いた作品を中心に展示をします。 会期中、対談形式のトークショーが3回行われる予定で、ゲストはグラフィックデザイナーの大原大次郎さん(1月27日)、Nerholとしても活躍している彫刻家の飯田竜太さん(1月25日)、アーティスト/振付家のAokidさん(1月18日)。対談テーマは「つくること・描くこととはなにか」。各回19時10分からのスタートで要予約となります。この貴重なイベントも合わせて、是非、ご高覧下さい。(大隅祐輔)

第14回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展 関川航平展「figure / out」

開催期間:2017年1月11日(水)~1月27日(金)
開場時間:11時~19時
開催場所:ガーディアン・ガーデン
東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F
日曜祝日休館・入場無料

http://rcc.recruit.co.jp/gg/?p=26879

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