「ウフィツィ美術館展」で観る、凛々しくも美しい女神。

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    サンドロ・ボッティチェリ 『パラスとケンタウロス』 1480‐85年 テンペラ、カンヴァス ウフィツィ美術館
    <font size="1">FOTO:S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze – Gabinetto Fotografico</font>

    ルネサンスを代表する画家・サンドロ・ボッティチェリの代表作といえば『プリマヴェーラ』や『ヴィーナスの誕生』を挙げる人が多いでしょう。しかし、私にとってボッティチェリと言えば『パラスとケンタウロス』こそが真っ先に思い浮かぶ代表作です。半獣半人のケンタウロスの髪を無表情に掴む女神パラスのひたすらに美しく凛々しい姿。学生時代、一人ぼっちの貧乏旅行の最中に出会ったときは絵を眼前にして、しばらくの間、時間が止まったかのように立ち尽くしたのを覚えています。そんな『パラスとケンタウロス』が日本で見られるというのだから、昔の恋人と久しぶりに待ち合わせているかのように、ついつい浮き足立ってしまいます。

    10月11日から東京都美術館で開催される『ウフィツィ美術館展―黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで―』は日本で初めてのウフィツィ美術館展です。ウフィツィ美術館といえば、ルネサンスの中心都市フィレンツェにおいて、数々の芸術家たちを庇護した富豪メディチ家のコレクションを中心とする世界に名だたる美術館。

    本展ではウフィツィ所蔵の代表作のほか、初期の聖母子像や晩年の個性的な作品までフィレンツェの主要な美術館に所蔵されるボッティチェリの優品を紹介。さらにブロンヅィーノ、アンドレア・デル・サルトなど16世紀のフィレンツェを代表する芸術家たちの作品を間近に見ることが出来ます。『芸術家列伝』を著したヴァザーリが「マニエラ・モデルナ(新時代様式)」と評した彼らの息吹を是非感じてみてください。

    サンドロ・ボッティチェリ 『聖母子』 1465年頃 テンペラ、板 捨て子養育院美術館
    <font size="1">Photo by George Tatge</font>

    サンドロ・ボッティチェリ 『聖母子と幼児聖ヨハネ』 1495‐1500年 テンペラ、カンヴァス パラティーナ美術館
    <font size="1">FOTO:S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze – Gabinetto Fotografico</font>

    『ウフィツィ美術館展―黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで―』
    10月11日(土)~12月14日(日)

    東京都美術館
    東京都台東区上野公園8-36

    TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
    開室時間:9時30分~17時30分(金曜日、11月1日[土]、2日[日]、12月6日[土]、13日[土]、14日[日]は午後8時まで)
    ※入室は閉室の30分前まで
    休:月、11月4日[火]・25日[火](ただし、10月13日[月・祝]・27[月]、11月3日[月・祝]・24日[月・休]は開室)
    料金:一般¥1,600、学生¥1,300、高校生¥800、65歳以上¥1,000
    www.uffizi2014.com