青がテーマの「江戸切子若手16人展」、伊藤忠青山アートスクエアで開催中。

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    根本達也 『水面の輝き』 切子がみせる鋭い輝きや、被せた色ガラスのトーン(濃淡)、またガラス本体の形状を生かしながら、様々な水面の動きや輝きが卓越した技によって描き出された熟練の作品。

    江戸時代に始まった江戸切子の伝統は、現在でも続いていますが、職人さんの数は年々減少し、継承が困難になってきています。そんな時代に江戸切子に挑む若手作家の展覧会『江戸切子若手16人展~日本の伝統工芸を継承する職人たち~』が、外苑前の伊藤忠青山アートスクエアで開かれています。
    今回の展示テーマは「青」。江戸切子で最も古くから用いられている基本色ですが、色彩の濃淡、色の残し方、見せ方などでまったく表情が変わります。そのやり方に職人の技やセンスが投影されるのです。職人たちが施した精巧なカットや、自然の草花をかたどった独自の紋様から生み出される江戸切子の美しさを感じてください。7月7日まで。(Pen編集部)

    高野秀德 『阿吽』 内被せガラス(内側に色があり切子では色が抜けないガラス)を用いることで、ガラスの青色とそこに施されるカットの融合が楽しめる。ガラスの光沢と艶消し部分のコントラストも含めて、切子により「阿吽」と対比的な「静と動」の個性が豊かに表現されている。

    但野英芳 『3.11』 震災から3年後の今年3月11日に完成した作品。津波の全てを飲み込む圧倒的な自然の力と恐怖を、曲線によってうごめく波、カットにより重なり合う切子の光を通じて、「忘れてはいけない」とのメッセージを送る。

    『江戸切子若手16人展~日本の伝統工芸を継承する職人たち~』
    6月6日(金)~7月7日(月)

    伊藤忠青山アートスクエア
    東京都港区北青山 2-3-1 シーアイプラザB1F
    TEL:03-5772-2913
    開館時間:11時~19時
    入場無料