伝統は進化する?! 東京の最先端アートと京都の伝統のものづくりが出合う『PARCOのKYOTO展』へ行こう。

  • 文:小長谷奈都子

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RIBBONESIAと「真田紐師 江南」のコラボレーション作品「獅子頭真田紐呂栄壺」。戦国時代にフィリピンから渡来し千利休に見出されたルソン壺がモチーフです。

古来、ものづくりの街として伝統の技や美を育んできた京都と、最先端のアートやカルチャーを発信する東京。そのふたつをクロスオーバーさせた展覧会『PARCOのKYOTO展』が、2018年11月22日から12月3日まで東京の池袋パルコ本館のパルコミュージアムで開催されます。

匠の技をもつ京都の職人と現代アーティストのコラボレーションにより、現在進行形の“進化する伝統”を表現しようという本展。参加する京都の匠は、京うちわの「阿以波」、漆器の「西村圭功漆工房」、京和傘の「日吉屋」など、京都を代表する錚々たるラインナップ。一方、現代アーティストは、古典的モチーフをほのぼのとした世界観に変容させる鈴木博雄や、“現代の浮世絵師”として注目を集める石川真澄、リボンでクラフトワークを制作するRIBBONESIAなど多彩な顔ぶれの17組です。

監修を手がけたのは、Penの連載「利休によろしく」でもおなじみの茶人、木村宗慎。「今回、伝統工芸やアートには、純粋に面白がって、素直に楽しむエンドユーザーの視点が大切だと改めて実感しました。異なる感性がスパークする新たなものづくりをご高覧いただき、異論、反論を寄せてもらうことが次の一手となり、日本文化の再生にもつながります」と語ります。

作品の一部は購入することができるほか、会場内にオープンする「京都SOUVENIR STORE」では、風呂敷、手ぬぐい、お香、干菓子など、京都らしい上品なお土産が並びます。錦秋の京都には行けない人も、パルコミュージアムから発信される新しい京都を体感しに出かけませんか?

鈴木博雄と表具の「典雅堂」のコラボレーションによる「思惟」。

日本画家の丁子紅子と典雅堂のコラボレーションによる「いつくしみ」。

バルーンアートユニットのDAISY BALLOONと西村圭巧漆工房のコラボレーション作品「波動」の制作風景。

「京都SOUVENIR STORE」で扱う「ゴンドラパステル」。1919年創業の国内唯一のソフトパステル専門メーカーで、京都で手作業で作り続けられています。

『PARCOのKYOTO展』
開催期間:2018年11月22日(木)~12月3日(月)
開催場所:パルコミュージアム(池袋パルコ本館7F)
東京都豊島区南池袋1-28-2
TEL:03-5391-8686
開場時間:10時~21時 ※入場は閉場の30分前まで、最終日は18時閉場
入場料:一般¥500
同時開催:京都 SOUVENIR STORE ※ストアのみの入場は無料
https://art.parco.jp