7組のアーティストの作品から社会を映す「装飾」の面白さ...

『装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法』

東京都庭園美術館

7組のアーティストの作品から社会を映す「装飾」の面白さに気付く。

川上典李子 エディター/ジャーナリスト

ヴィム・デルヴォワ『無題( タイヤ)』、2007年。ゴムタイヤの表面に装飾。© Studio Wim Delvoye, Belgium

コア・ポア『聖なる山』2014年。異なる時代、文化圏のモチーフをミックスしたドローイングと色彩のシリーズ。

ニンケ・コスター『時のエレメント』。2015年。アムステルダムやデン・ ハーグに残る歴史的建造物の天井や壁の装飾を写し取ったスツール。Photo: David in den Bosch

文明の現れとして、人類の歴史とともに存在してきた「装飾」。装い、飾る役割はもちろんのこと、時代の変化の中で新たな意味も備えながら、私たちの身近にあり続けてきた。文化の違いを示す装飾があれば、違いを超えて類似する文様が存在することも興味深い。装飾の意味や行為に焦点を当てて、気鋭の7作家を紹介する本展。社会に対するメッセージとしての装飾など、7組それぞれの表現を楽しめる。 

建築の装飾の一部をシリコンゴムで写し取った作家は、オランダのニンケ・コスター。1800年代の様式や新古典主義、ゴシック様式、アール・ヌーヴォーなど各時代の装飾をかたどった上で、私たちが建物の記憶に触れられる家具や彫刻を完成させている。 

ペルシャ絨毯の修復職人だった父をもつイギリスのコア・ポアは、インターネット上の膨大なイメージをモチーフに、古今東西の文化が出合う、かつてない絨毯のペインティングを手がけた。社会が暗黙の内に受け入れているヒエラルキーや意味を解体するようにして、独自の装飾を生み出したのはヴィム・デルヴォワ。彼の故郷、西フランドル地方を想起させるゴシック様式をはじめ、古今東西の文様からの自由な構築を試みている。 

ファッションブランド「リトゥンアフターワーズ」の山縣良和は、コレクションのインスタレーションを展示。本展にはさらに山本麻紀、高田安規子・政子、タイのアラヤー・ラートチャムルーンスックも参加。それぞれが読み解く「装飾」を鑑賞できる。 

時代や国境を超えて理解されたり、されなかったりする言語であり、原初的で鮮烈なイメージである装飾。変化を重ねながら生き続ける装飾は、人の創造の力を示すものでもある。現代のアーティストの作品に見る「装飾」には、いまという時代を理解する上での重要な鍵が見え隠れする。

『装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法』

開催期間:~2018年2月25日(日) 
東京都庭園美術館 
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル) 
開館時間:10時~18時 ※入館は閉館の30分前まで 
定休日:第2・第4水曜、12月27日~2018年1月4日 
入館料:一般¥1,100(税込) 
www.teien-art-museum.ne.jp

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