イタリアで1960年代に起こった芸術運動、アルテ・ポーヴェラ（貧しい芸術）を代表する作家、マリオ・メルツ（1925～2003年）の展覧会が開催中。工場を改装した広々とした美術館、ハンガー・ビコッカに計20点の重要作が展示されている。
メルツは、イヌイットの家イグルーに感動しドーム形の作品を多数制作。自然の移ろいに着目し、石や砂、木などを用いて表現したものがある一方、ネオンを使ったポップな作品もある。同じ形でもさまざまな表情を見せる彼の作品には、アイロニックな政治的なメッセージも込められた。没後15年を経て、改めてじっくりと向き合い、そんな隠れたメッセージを読み取るのも楽しみのひとつだ。

創業1918年の老舗ショコラトリー「ラウシュ」が、100周年を記念して世界最大級のチョコレート店「ラウシュ・ショコラーデンハウス」をオープン。延べ床面積1500㎡もの広さを誇り、長さ23mのケースには約250種類ものプラリネが並ぶ。チョコの歴史を概観できる展示の他、溶けたチョコが湧き出る噴水までつくられた。
カフェのメニューも充実。ケーキバーには15種類のチョコケーキが並ぶ他、チョコ入りのポテトサラダやカカオを練り込んだハンバーグなどチョコ尽くしの郷土料理が楽しめる。契約農家から仕入れたカカオを使うチョコは、ベルリンでいちばんおいしいと評判だ。実店舗はここのみ。チョコ好きは必ず訪れたい。

グラフィック・デザイナーのヴァンサンと、モード界出身のサンドリーヌのベルジュラ兄妹が立ち上げた「アンバサード・エクセランス」。上質な品を手がけながらも、販売の場を得にくい小さなブランドの製品をオンラインショップで紹介してきたが、先ごろ、待望の路面店をオープンさせた。
店に並ぶのは、1832年創業のシャパル社のボマージャケット、植物ファイバー製スキーや木製スケートボード、ドルドーニュ地方の養殖キャビアなど。デザインとモードに精通するふたりが選ぶブランドは、どれもエシカルで、上質な素材、伝統のノウハウ、オリジナリティをもつフランス製。目利きも唸る品が揃う注目の店だ。

ブルックリンのクラフトビールメーカー、ファイブ・ボローズ・ブリューイングの季節限定ビール「センター・オブ・ユニバース」が人気だ。ニューヨーカーにはお馴染みの、グランドセントラル駅の天井画の星座をモチーフにしたデザインで、グラフィックに定評のあるこのブリュワリーらしいセンスが光る。
もちろん見た目だけでなく味もピカイチ。酸味のあるテイストを、モルトの苦味でバランスをとったダブルIPAで、力強い味わいを楽しめる。瞬く間に話題となり売り切れ続出、予想を上回る売れ行きにオーナーは増産も検討中だという。ブリュワリー併設のタップルームでは生を飲むこともできるので、飲み比べてみては。HPはこちらから→www.fiveboroughs.com

運河の街アムステルダムには、船が通行する時だけ開く、可動式の“跳ね橋”が数多くある。その開閉の操作が自動化されたことで役目を失った橋の管理棟を、1室のみの小さな宿に改装した「スイーツ・ホテル」が話題だ。「ロビーは街。跳ね橋のたもとの管理棟がベッドルーム」という斬新なコンセプトのこのホテルは、市内各地で現在11室が営業中。来年以降、さらに17室がオープンする。管理棟の築年は17世紀から約10年前とさまざま。それぞれの棟の建物を活かして、小さな空間をいかにうまく利用しているかのアイデアも見どころのひとつだ。棟の外観は見慣れている市民からも「一度泊まってみたい!」と言う声が多く上がっている。HPはこちらから→www.sweetshotel.amsterdam