No.437

運慶と快慶。

2人の男が仏像を変えた
運慶と快慶。

2017年 10月01日号 No.437 ¥630(税抜)

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仏像と言えば、「運慶と快慶」。たとえば2人の代表作である東大寺南大門の金剛力士像の威容は、教科書で、または修学旅行で、目にした人々の記憶に刻まれたはずだ。それには至極納得できる理由がある。一、高さ8mを超える巨像である。二、いま見ても、抜群にカッコいい。しかし800年以上も昔の仏像が、なぜ大人も子どもも圧倒するのだろう。しばしば運慶仏は迫力がある、快慶仏は繊細で華やかだと言われる。確かにその通り。だが、それだけか?彼らの緻密で大胆な企みを、私たちはほとんど知らずにきた。日本美術に大きな転機をもたらした、運慶と快慶の挑戦をここで明らかにする。

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  • 多くの人が自然とその名を知ったであろう、有名な2人の仏師、「運慶と快慶」。それもそのはず。2人の代表作、東大寺南大門の金剛力士像は、阿形・吽形ともに8mを超える巨像でエネルギーがみなぎり、問答無用のカッコよさ! 子どもだって覚えてしまうんです。運慶と快慶の代表作はもちろん、生い立ちや特徴的な技法、像内の様子も解説。取材中、特集チームは、2人の造像のこだわりや計画に驚かされっぱなしでした。ぜひ誌面で、じっくりご覧ください。
  • 仏像を愛する井浦新さん&いとうせいこうさんの対談から特集はスタート。快慶の仏像は「なんてきれいなんだろうと、みんな振り返ると思う」と話す井浦さん。運慶仏を見ていると「ミケランジェロがいるなら日本には運慶がいるよ!」と言いたくなると、いとうさん。運慶・快慶のなにがスゴイか、熱い仏像トークに思わずうなずきます。「いま、慶派の人がいたらどうする?(いとうさん)」「慶派ツアーを組みます!(井浦さん)」。Penも慶派ツアー、参加します!
  • 日本で最も有名と言える仏師・運慶は、デビュー作をつくったとされる20代から最晩年まで、「天才」と呼ばれるにふさわしい人生を歩んだ人物でした。彼の躍進の契機は、1180年に奈良で起きた南都焼き討ち。ここから、東大寺や興福寺の復興造像に携わることになり、いまに伝わる鎌倉彫刻の傑作の数々が生まれたのです。さらに晩年は、鎌倉幕府要人に向けての造像を手がけるなど、一門の活躍を広げる手腕にも長けていた模様。そんなパワーあふれる彼の一生を、デビュー&最晩年作とともに追います。
  • 運慶は金剛力士像のような力強くリアルな作風が有名ですが、快慶は優美で気品ある仏像を得意としました。その生涯も運慶とは対照的で、運慶のクライアントは東国の武士が多かったのに対し、快慶は僧・重源や貴族との仕事を多く手がけました。信仰心が篤く、自ら阿弥陀信仰者として阿弥陀如来像を数多く残しています。そして、師匠の康慶と血縁関係はなかったものの、晩年には運慶と並ぶ慶派の大仏師となりました。このページでは、快慶の生涯と、その作風を紹介します。
  • たくさんの仏像を見ていると、「そもそも、如来や菩薩とは? ポーズにはどんな意味が? あんなに大きな像を、どうやってつくっているのだろう?」と、疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。そこで今回、東京藝術大学大学院で文化財保存学を教える彫刻家の籔内佐斗司先生に、仏像を観る上で知っておきたい仏教と仏像の基本、そして日本の仏像で最もポピュラーとされる木彫仏のつくり方を教えてもらいました。背景や技法を知ることで、仏像鑑賞はもっと楽しく、奥深いものになるはずです。
  • 第2特集は、「フランス人間国宝」を紹介します。人間国宝とは、重要無形文化財保持者のことで日本独自の制度ですが、実はフランスでもこれに倣った制度が1994年にスタート、工芸の分野において高い技術を有する人々に「メートル・ダール」という称号を与えています。現在、メートル・ダールは124名いますが、この特集ではその中から4名の作品を紹介しています。また、彼らを含め13名のメートル・ダールと2名の匠の作品が、現在、東京国立博物館表慶館で展示されています。

目次

2人の男が仏像を変えた

運慶快慶


対談 井浦 新 × いとうせいこう

仏像を革新した、「運慶と快慶」を語ろう。

運慶と快慶が競演、東大寺の復興プロジェクト

動乱の世と、2人の仏師の生涯をたどる。

飛鳥~鎌倉時代の名作で知る、日本の仏像史。

仏像のスタイルを変えた、慶派という存在。


運慶篇

デビューから最晩年まで、無二の天才だった。

興福寺┃ 大仏師がたどり着いた、仏像表現の新境地。

願成就院 東国武士と出会い、ダイナミックな作風に。

浄楽寺 さらなる飛躍へとつながった、静と動の諸像。

瀧山寺 頼朝追善の三尊に見る、流麗なリアリティ

運慶は仏の魂をデザインし、像内に秘した。


快慶篇

仏に人生を捧げ、一弟子から慶派のスターヘ。

浄土寺極楽から雲に乗って現れる仏を、光で演出。

安倍文殊院颯爽と大海原を渡る文殊菩薩に、圧倒される。

端正で優美な、阿弥陀仏の究極の像を求めて。

精緻な美しさを放つ、快慶仏の特別な技法とは。


基本的な仏像の種類と、つくり方を学ぼう。

私の心に強く響いた、運慶・快慶の仏像。

運慶仏・19軀が出品される、かつてない大展覧会。

傑作を観に行こう!運慶・快慶の仏像MAP


第2 特集

比類なき技とセンスを徹底解剖!

人間国宝になった、フランスの職人たち。



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ルイ・ヴィトン、シックに遊ぶ旅の服。



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