1874年創業、至高の技が光るウォッチ&ジュエリーメゾンのピアジェ。この連載ではピアジェのものづくりの全貌について、6つの視点から紐解いていく。第6回は薄型時計「アルティプラノ トゥールビヨン」に施された、超絶技巧について解説する。
ピアジェのつくる新作は、世界の時計関係者からの注目を常に集める。見た目に優れたニューモデルというだけでなく、瞠目の技術を秘めているに違いないという期待感で目を逸らせないのだ。今回紹介する「アルティプラノ トゥールビヨン」は、そうしたピアジェの技術なしには生まれない時計である。
薄型時計の傑作コレクション「アルティプラノ」の名に背かず、ケース厚はわずか7.4㎜にまで抑えられている。そこに、現代時計ブランドの技量が試される複雑技術トゥールビヨンを装備する、自社製「Cal.670P」ムーブメントをのせた。
ブリッジなしに1点でキャリッジを支えるフライングトゥールビヨン機構は、製作もバランスの保持も、難度がきわめて高い。さらにチタン製のブリッジを組み込み、髪の毛1本の細さしかない部品も駆使した。頭文字Pを掲げたキャリッジは、わずか0.2ℊの重さしかもたない。格上の超絶技巧を、ピアジェは当然のような冷静さで見せる。トゥールビヨンと時刻表示は2時と8時で対称化され、無限のシンボル8の字形の影を描いた。薄くて軽く、複雑で精緻で、この上なく美しいトゥールビヨン。ピアジェは人の期待と想像を、何度でも超えてみせる。
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