「4K動画もスルスル動く」。ドローン映像作家がMSIの最新クリエイター向けPCを味わう。

  • 文:和田達彦
  • 写真:齋藤誠一

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スリムな筐体に高いスペックを備えるゲーム用ノートPCのトップメーカー、MSI。11月に発売された「Prestige(プレステージ) 15」は、そのパフォーマンスをビジネス&クリエイター向けに最適化したノートPCだ。このマシンを映像作家の竹内佳嗣さんに体験してもらい、その魅力について聞いた。

竹内佳嗣(たけうちよしつぐ)●静岡県浜松市生まれ。俳優として活動した後、映像作家に。2010年代半ばからドローンを使った映像づくりを始め、「ドローンムービーコンテスト」において、2017〜2019年の3年連続で特別賞を受賞。大手ドローンメーカー・DJIの公式ビデオを始め、さまざまなCMやウェブ動画の映像制作に携わる。

デザインがよく高品質なゲーミングPCを数多くラインナップし、世界中のゲーマーに知られるMSI。近年は一般向けのノートPCにも力を入れている。今秋発売された新しいノートPCシリーズは、第11世代インテル Core プロセッサーを搭載するなど従来モデルよりパワーアップしつつ、新しいMSIロゴを採用してデザインを一新。

新シリーズには、高級感あふれるデザインと各種ビジネス向け機能を備えた「Summit(サミット)」、高いグラフィックス処理性能を備えたクリエイター向けの「Prestige(プレステージ)」、ライトクリエイターから学生まで幅広いユーザーに対応する「Modern(モダン)」の3シリーズがラインアップされているが、このうち動画や3Dの編集などを行うのに最適なモデルが「Prestige 15」だ。ドローンとノートPCを持って世界中を飛び回る竹内佳嗣さんは、このマシンに触れて、どんな印象を抱くのか。

俳優からドローンを軸とした映像クリエイターに転身。

今年1月に東京から浜松へ拠点を移した竹内さん。「撮影は圧倒的にスタジオよりロケが多く、地方に行っている時間も多い。東京にいなくても成立するなと感じて」。ドローンやカメラ、三脚、ジンバルなどの撮影機材とノートPCをバッグに入れて各地へ赴き、ホテルで編集作業を行うことも多いという。

映像作家になる前は、「ウォーターボーイズ2」(フジテレビ)をはじめ、俳優としてTVドラマやCMに出演していた竹内佳嗣さん。その当時から映像づくりには関心があったと言う。

「撮影現場では、演じること以上に作品のカメラワークに興味がありました。『このシーンはフィックス(固定)より手持ちのほうが臨場感が出るのに』とか『被写体に対してカメラ位置が高すぎる』などと上から見ているところがありましたね(笑)」

その後、出身地の静岡県浜松市で開催される祭りの撮影を友人から頼まれたことをきっかけに、映像制作の面白さに目覚め、徐々に“出る”側から“撮る”側に軸足を移していく。そして映像作家としてのキャリアを積むうちに、よりユニークな画づくりを求めるなかで出合ったのが、ドローンによる空撮だ。既存の方法では不可能な映像が得られるその魅力にすっかりとりつかれ、ドローンを用いた撮影を積極的に行うようになっていったと言う。


竹内さんが空撮で参加した「I☆YOKOHAMA 2020」。6月にずれ込んだ今年の開幕に際し、横浜DeNAベイスターズが公式YouTubeチャンネルで公開したイメージムービーだ。作品中ではドローンによる横浜スタジアムの空撮映像が効果的に用いられている。

「ドローンメーカーのDJIの公式ビデオに空撮やディレクターで参加していることもあって、すっかり“ドローンの人”というイメージがついていますが、映像作品において、ドローンの空撮はあくまでも数秒のスパイス。通常撮影とのバランスが大事です」と語る竹内さん。もちろんドローン撮影は彼にとって大きな武器のひとつであることは間違いないが、同時に非常に趣味性の強い行為なのだとか。

「何か意味のある画を撮るとか、カッコいい画を撮りたいといったことよりも、まず自分がいままでと違う画角でものを見てみたいということが先にあります。そしてドローンからの映像を見て『鳥の目にはこういう風に見えているんだな』と感じたりするのが楽しいんです」

特に、ピラミッドや灯台、スタジアムといった巨大建造物を空から見てみたいのだと言う。そうしたものは撮影許可などの問題もあって簡単に撮れるものではないが、実績を積んだおかげで近年はそうした案件の依頼も来るようになった。

「早くブラジルのリオにあるサッカースタジアムの王様、エスタジオ・ド・マラカナンを撮りに行きたいですね」

愛用しているドローンのひとつ、DJI社の「Mavic(マビック) 2」。「比較的小型のモデルですが、スマートフォンひとつあればどこでも行ってサッと撮れる手軽さが魅力です」。リュックひとつで撮影に出かけることもよくあるそうだ。

高級感のあるデザインと驚異的なパフォーマンスを両立。

15.6インチタイプのノートPC「Prestige 15」の薄さは16.9mmで、重量はわずか1.69Kg。このスリムなボディに第11世代インテル Core プロセッサーのCPU、そしてNvidia GeForce GTX 1650 Ti Max-Q のGPUを搭載し、画像・動画編集や3Dグラフィックデザインなどのクリエイティブワークにおいて、高い処理性能を発揮する。
エレガントで高級感のあるデザイン。美しいカーボングレイの本体表面は、手触りのよいサンドブラスト(つや消し)加工が施されている。またエッジにはダイヤモンドカットデザインを採用し、ブルーに輝く断面がアクセントとなっている。

デスクトップPC並のスペックを手軽に持ち運べるスリムで軽量な筐体に秘めた「Prestige 15」。薄さ16.9mm、重量1.69Kgと驚くほど薄くて軽いそのボディは、スタイリッシュなデザインも大きな魅力だ。従来モデルは天板パネルにゲーミングノートPCと同様のドラゴンのエンブレムがあしらわれていたが、このモデルではオフィスやカフェといった利用シーンに似合うシンプルなデザインの新しいMSIロゴが採用されている。

 「ウィンドウズマシンは質感に重厚感があまり無いと感じていましたが、これは違いますね。デザインも直感的でとても興味深いです」と第一印象について語る竹内さん。「質感は性能には関係ないので、それを求めるのは贅沢、わがままだと思うものの、やっぱり質感が高いマシンのほうが使っていて気分がいいし、やる気が出ますよね」

またボディがコンパクトに感じる点も気に入ったそうだ。「ディスプレイのベゼル幅が狭いおかげでしょうね。15インチという画面サイズの割に本体が小さくまとめられているところがいいですね」

「Prestige 15」を使って、ドローンで撮影した動画の編集を試してみる竹内さん。「ウインドウズマシンはトラックパッドが使いづらいというイメージがありましたが、このトラックパッドは面積もちょうどよく、操作もスムーズでストレスなく使えますね」

映像作品を制作する際、普段は編集の仕上げはデスクトップPCで行っている竹内さん。しかしロケ先や移動中にノートPCを使って作業することも多い。

「撮影後、すぐに素材確認が出来るのは大変ありがたいです。ウェブ用の映像コンテンツの場合は、最後までノートPCで仕上げることも多いですね」

動画素材のデータは、あっという間に容量が数十ギガ、数百ギガに達してしまう。4K動画であればなおさらだ。「Prestige 15」は、CPUに第11世代インテル Core i7プロセッサー「Tiger Lake」を搭載。Thunderbolt 4(USB4 Type-C)、PCI Express 4.0(Gen4)インターフェースに対応したこの最新CPUに加え、専用グラフィックス機能GeForceも備えている。これらによって、大容量ファイルの読み書きやクリエイティブソフトの処理速度に驚異的なパフォーマンスを発揮することが可能だ。

「4K動画のような重いファイルはどうしてもカクカクしがちなのですが、これはスルスル動きますね。作業効率が大きく上がりそうです」

デスクトップPCに匹敵する高い処理性能は、クリエイターのみならず、さまざまなソフトを同時に立ち上げてマルチタスクでオフィスワークをするビジネスマンにとっても頼りになるだろう。

「Prestige 15」側面のI/Oポート。一方にはUSB Type-Cコネクタを利用する最新拡張ポート「Thunderbolt 4」2基とHDMIポート1基、そして反対側にはUSB3.2(Gen2) Type-Aポート2基とmicroSDカードリーダーが備わる。

竹内さんが「Prestige 15」についてマシンのパワー以外で気に入ったのは、カメラやスマートフォンなどで使用されているmicroSDカードのデータ取り込みに最適な、UHS-Ⅲ対応の高速タイプカードリーダーを内蔵している点。

「撮影現場にクライアントが同席する場合は、その場で撮った映像を確認してもらう必要があります。モニターチェックですね。その際に、外付けリーダーがついているこのPCならデータをストレスなく移行することができますし、モニターとしても使用することができますね」

また、2ポートが標準装備されたThuderbolt 4はPower Deliveryに対応したUSB Type-Cポートのため、外付けモニターやSSDなどを接続する以外に、ポータブルバッテリーでノートPC本体へ給電を行うこともできる。その他に、最新無線LAN「Wi-Fi 6」対応、92万画素でマイク内蔵のウェブカメラなど、リモートワークに適した機能も搭載。昨今、新しい働き方が急速に広がっているなか、持ち歩いていつでもどこでも快適なオフィス環境を構築できるこのマシンは、非常に心強い相棒となってくれそうだ。

バッテリーは最大16時間(JEITA 2.0)の長時間駆動を実現。付属品に含まれるType-C接続ACアダプタは15分の充電でバッテリーの10%を充電でき、最長で2時間バッテリー駆動させることができる。15.6インチの液晶ディスプレイはフルHDの他、MSI公式オンラインショップと量販店では4K対応の高色域パネル採用モデルも選択できる。

Prestige-15-A11SCS-006JP

OS:Windows 10 Pro
CPU:インテル Core i7-1185G7(3.0GHz / Turbo 4.8GHz / 4コア8スレッド)
GPU:NVIDIA GeForce GTX1650 Ti Max-Qデザイン 4GB GDDR6
ディスプレイ:15.6インチフルHD(1,920×1,080)
メモリ:16GB(8GB×2)DDR4
ストレージ:1TB SSD(M.2 NVMe)
無線LAN:インテル Wi-Fi 6 AX201(2×2、11ax、Bluetooth 5.1)
スピーカー:ステレオ2スピーカー
ウェブカメラ:92万画素(顔認証機能対応、マイク内蔵)
インターフェイス:Thunderbolt 4 Type-C(USB4、USB PD対応)×2、USB3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI×1、microSDカードリーダー(microSDXC対応)、ヘッドホン出力/マイク入力コンボジャック×1
サイズ:356.8×233.7×16.9mm
重量:1.69kg
バッテリー駆動時間:最大16時間(JEITA 2.0)
カラー:カーボングレイ
価格:197,800円(税込)※公式ストアより


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