日々、莫大な量のデータを扱っている映像作家の菊田あいりさんに、デジタルライフについてインタビュー。快適な作業環境に必要なものを、プロの視点で語ってもらいました。
ビジネスからプライベートまで、私たちの生活に欠かせないのがPC。仕事をするにしろ動画を楽しむにしろ、ストレスなくスムーズに使うためには、処理能力の高さが重要になってきます。そして、それを大きく左右するのが、"メモリ”です。一流ブランドのムービーやデジタルサイネージなど、多い時には月に20本もの動画を制作する気鋭の映像作家・菊田あいりさんに、PCや機材をどのように駆使して仕事をしているかを伺いながら、作業を快適にするためのメモリの選び方を探ってみました。
莫大なデータを日々扱う、映像作家の仕事。
実写の動画に、音楽やモーショングラフィック(文字やイラストなどの静止画像に動きを加えたもの)をリズミカルに組み合わせた菊田さんの映像作品を、街やwebで目にしたことのある人は少なくないはずです。彼女の映像作品は、ポップでキュートなものから荒々しくてダークなものまで、さまざまなテイストのものがあります。「私は自分の個性を前面に出すタイプではなくて、ブランドやプロダクトの世界観に入り込んでつくるタイプ。あえて自分の軸はもたずにやっています。だから、つくってきた作品を見ても一見同じ人が制作しているとは思われないかもしれませんね」と菊田さん。「でも、気づかれにくいところで自分の色は出せていると思います」。編集の仕方や音楽の入れ方などは、彼女ならではのセンスの見せ所。ときにはゆったりと、ときにはテンポよく移り変わる映像は、見る人を惹きつける力をもっています。
もともとは、空間の演出家やデザイナーを志していたと言う菊田さん。その手段としての音や映像の使い方に興味をもったことがきっかけで、まずVJ(ビデオジョッキー)になったそうです。「そこから音楽関係のツテができて、販促用のショートコンテンツの制作を依頼されるように。そのうちに撮り下ろした実写でつくりたくなったのと、コスメなど女性向けのコンテンツも手がけたいという思いもあって、ファッションやコスメの動画制作に携わるようになりました」。人物を題材にした作品が多かった彼女ですが、今後は昔から好きだった建築やインテリア、旅先での街や自然の風景などをモチーフにした作品もつくってみたいそうです。
クライアントからの依頼はさまざまですが、企画段階から関われる仕事は自由度が高く、制作の面白さややりがいを強く感じると言います。さらにそれを突き詰めて、いずれはコンテンツのもととなる製品づくりから手がけてみたいと話します。最終的には自分で会社を興して、自社で広告を制作して展開するという夢ももっているそうです。
映像コンテンツの制作は、打ち合わせを重ねて企画やコンテを詰めた上で撮影を行い、その動画素材を編集して仕上げるという流れで行われます。仕事を行う上でPCは必須ですが、特にポスプロ(ポストプロダクション)と呼ばれる、撮影後の動画や音楽を編集・加工する作業は、ハイスペックなPCなしには行えません。「ポスプロの際には編集アプリケーションのプレミア、モーショングラフィックやレタッチを行うためのアフターエフェクトをリンクさせて使っています。その他にフォトショップやイラストレーターを使うこともありますし、もちろんメーラーやwebブラウザも……。音楽再生アプリで音楽も聴くので、常にデスクトップ上はマルチタスクで作業してますね」
メモリをスムーズに増設して、快適な作業環境を。
近年は、動画も4Kや8Kが当たり前となっています。菊田さんの作品は時間にして数分間程度のボリュームのものが中心ですが、それでも扱うデータはひとつのコンテンツにつき、未編集の動画素材を含めると1TB(テラバイト)に達することもあるそう。「データも重いし、ソフトも容量を食うので大変です。作業中にちょっとでも動きが悪いとすごくストレスを感じます」。PCの処理速度はメインの頭脳であるCPUの性能に大きく左右されますが、十分なメモリを積んでいることも重要。同時に複数のアプリケーションを立ち上げたり、重いデータを扱ったりすることでメモリが足りなくなると、データを一時的にHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などのストレージに退避させて空きをつくる必要が生じますが、この"スワップ”と呼ばれる退避の動作が頻発すると、PCに無駄な負担をかけることになってしまうからです。
PCのメモリスロットに空きがあるならば、PCを購入後に自分でメモリを増設することで、処理速度を大きく改善することができます。リーズナブルなメモリを選べば、コストを抑えてパワーアップさせることも可能です。そもそもメモリというのは、基盤の上にさまざまなパーツを載せてつくられていますが、実際にデータが記憶されるのはDRAMというICチップ。実はこのICチップを製造しているのは、世界で数社しかありません。そのうちのひとつが、マイクロン。そして同社が増設用メモリとして販売しているのが、「Crucial(クルーシャル)」ブランドのメモリです。
チップの製造メーカーが自ら商品化し、工場で最後まで一貫してつくっていること。それが「クルーシャル」ブランドのメモリの大きな特長です。それゆえ、信頼性のある高品質な製品を、よりリーズナブルに提供することができるというわけです。「以前、通販でメモリを買って自分で増設したことがあったのですが、相性が悪かったらしく、エラーが出て使えなかったんです。その点クルーシャルのメモリは、Macでの動作をきちんと謳ったタイプがあるし、サポートもしっかりしているので安心ですね」と菊田さん。
マイクロンは、メモリの他にクルーシャルブランドでSSD(ソリッドステートドライブ)も販売しています。Macの場合、市販のケースを利用すれば外付けのストレージデバイスとして使うことができます。外出時には、MacBookとともにストレージデバイスを持ち歩いているという菊田さん。「SSDとHDD(ハードディスクドライブ)の両方を使っています。HDDには出先でちょっとした編集作業をしたくなった時に使うデータを入れています。転送速度が速いSSDは、カメラマンに撮影してもらった動画データを、現場で入れてもらうために使っています」。SSDには、HDDより高速で動作するNAND型フラッシュメモリというチップが使われているのですが、このチップを製造しているのは世界でも5社しかなく、そのうちの1社がやはりマイクロンなのです。
1978年にアメリカのアイダホ州で設立されたマイクロンは、40年以上の歴史をもつメモリ製造企業です。「アイダホにはふたつのチップがある。ポテトチップとメモリチップだ」というジョークにもなっているほど、アメリカで広く知られています。日本との結びつきも深く、広島県をはじめ、日本国内に開発・生産拠点をもち、高品質でリーズナブルなメモリを販売。産業向けからエンドユーザー向けまで多岐にわたる同社の製品は、デジタル制御を行うさまざまなモノに使われています。クルーシャルブランドをはじめ、Mac用のメモリも数多くラインアップしているので、自分に合ったタイプの製品をHPでチェックしてみてください。より快適なPC作業環境を叶えてくれるはずです。
問い合わせ先/マイクロン
www.crucial.jp/