Pen×カキモリ 謹製、ブライドルレザーのノートができました。

  • 写真:江森康之

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ただいまPen SELECTにて販売中! 人気文具店「カキモリ」に別注した、特製ノートができるまで。

モノとして愛着の湧く、上質なブライドルレザー

カキモリの店内。デザインの美しい文房具や、ユニークなオリジナル製品が並ぶ。
店主・社長の広瀬琢磨さん。
台東区蔵前に店を構える「カキモリ」は、国内外から文房具をセレクトしつつ、ユニークなオリジナル商品も展開するショップです。なかでも人気なのが、オリジナルノートを製作できるサービス。バラエティ豊かに用意された表紙や用紙、サイズから好みのものが選べ、海外からも評判を聞きつけ訪れるお客さんも多いとか。店主の広瀬琢磨さんをはじめとする店員さんたちが、その場で製本してくれるのです。
B5(左)、B6(右)の2サイズで展開。
三菱製の5mm方眼紙に、銅のリングが映えます。
表紙はさまざまなタイプの紙だけでなく、本革を使ったものも人気です。今回は通常のオプションにはない、ブライドルレザーを特別に取り寄せてもらって表紙に使用しました。蝋でなめされた屈強な印象のこのレザーは、多くのファッションブランドが革製品に使用する人気の素材です。ノートの用紙は、万年筆の筆記に適した、滑らかな書き味が特徴の三菱製の上質な紙を使用しています。5mm幅の方眼も、文字を書くのに心地いい塩梅です。
オプションの名入れは、金、銀、銅、カラ押しから選べます。
革小物のように、持ち歩くことが楽しみになる存在感。
表紙にはオプションでアルファベットによる名前も入れられます。金、銀、銅、カラ押しのうちから好きな色を選べるので、ギフトの際にも重宝します。(写真のサンプルは銅色を使用)

使い込むうちに手になじみ、味わい深い風合いに変化していくのも、このブライドルレザーならではの魅力です。上質な素材を使用しているからこその存在感があり、写真のように持ち歩けば、まるでファッションアイテムのように様になります。

イギリスから取り寄せたレザーを、下町の町工場にて加工。

普段のオプションにはないブライドルレザーを特別に取り寄せて、ノートを製作しました。

ではつぎに、実際の製作過程を紹介しましょう。
今回の「Pen×カキモリ」のノートづくりは、表紙の素材選びからスタートしました。さまざまなタイプの表紙候補から選んだのは、先述のとおり特別に取り寄せたブライドルレザー。もとは馬具に使われる丈夫な革で、しっとりとして重みがあり、使い込むほどに味わいが増す、個性的でいて高級感のあるレザーです。サイズは、B5、B6の2サイズを製作することにしました。

イギリスにて表側の色付け、蝋加工が施された状態のブライドルレザー。
葛飾区にある町工場にて、裏面の色付け。
上の写真は、イギリスのクレイトン社から取り寄せられたばかりのブライドルレザーです。大きさは、120×60cmほどあります。蝋でのなめしまでは現地で行なわれ、バッグや財布などの革製品を多く手がけるここ葛飾区の町工場で、加工や裁断を行います。まずは革の裏側に手作業で色をつけていきます。革用の特殊な塗料で、職人さんが丁寧にムラなく塗っていきます。
今回のためにつくられた金型で、B5、B6サイズに革を切り抜きます。
縁の部分は革本来の色味を残しつつ、特殊な糊で切り口を整えます。
革の裏側に色をつけ終わり乾燥させ塗料が乾いたら、次のステップは裁断です。今回のためにつくられた金型と油圧式のプレス機を使い、B6あるいはB5のサイズに革を裁断していきます。裁断が終わったら縁に糊をつけ、切り口を整える作業が行われます。ここでの作業は以上となり、こここから後はいよいよカキモリの店頭で製本作業を行います。

カキモリ店頭にて、いよいよノートの製本を。

葛飾区の町工場で加工、裁断されたばかりの表紙用レザー。
店主の広瀬琢磨さん自ら、製本作業を進めます。

美しく裁断、加工された真新しいブライドルレザーが、蔵前のカキモリに届きました。ここからは、お店に置かれた昔ながらの製本機を使って、1点1点ノートをつくっていきます。写真は実際に機械に向かう広瀬さん。そば打ち台のような机で作業する様子は、お店の外からも眺めることができます。

加工したてのまだ固いレザーを、リングに通します。
手作りのブライドルレザーノートが完成!
使用する製本機は、アメリカ製のクラシックなタイプ。レザー、紙それぞれに穴をあけ、銅のリングを通していきますが、こちらもすべて手作業で行われています。丁寧にリングを通し、プレスしてとじればついにノートの完成です。

できたてのブライドルレザーのノートは少々固めの手ざわりで、表面の蝋もまだ白く残っていますが、使っていくうちに白さがなじみ、革も柔かくしなやかになっていきます。中の用紙は、使い切ったらお店に持ち込むか宅配便で送ることで交換が可能です。最初の用紙を使いきった頃、そのノートはきっとあなたの手に馴染み、日々の生活において欠かせないものとなっているでしょう。これまで選んできたような使いきりのノートではなく、長く使い続けられるノートとして、ぜひこの一冊を選んでみてはいかがでしょうか。