ISSEY MIYAKEのウオッチプロジェクト最新作は、田村奈穂が手がける「1/6 ワンシックス」。初の女性デザイナーによる注目作だ。
ISSEY MIYAKEのウオッチプロジェクトは、これまで内外の著名なデザイナーたちを起用してきた。そして今年、同プロジェクトとしては初となる女性デザイナーが手がける、注目すべきニューモデルが誕生した。
その新作「1/6 ワンシックス」は、不思議な既視感を有する腕時計だ。6時位置に配された大きなリューズは、昔ながらの計測器の「秤（はかり）」を連想させる。文字盤の針を視覚化するのは、機械式・自動巻きのムーブメントである。クオーツ式のステップ運針ではなく、小刻みな運針を繰り返すゼンマイの動力が選ばれた。
計測器のごとく刻まれた、革新的かつ繊細な文字盤。
文字盤にはオープンワークが施され、その奥にある確実な存在を約束するように、天地左右の8箇所でもアワーマーカーが下部を透かす。
ネーミングの由来でもある“1秒あたり6振動”の数だけ、まるで分度器のように、メカニカルに目盛り線が引かれている。秒針は秒ごとに、6度の歩みを繰り返す。機械式のムーブメントを搭載しているが、時計自体が軽量なことは、性別を問わず支持されるだろう。カーフ革ストラップのモデルや、軽快でスタイリッシュなメッシュブレスレットを備えたモデルもラインアップされている。
デザイナーとして指名を受けたのはニューヨーク在住のデザイナー、田村奈穂だ。2010年に若手デザイナーの世界的な登竜門、ミラノサローネ・サテリテ最優秀賞を受賞したことは、当時も大きく報じられた。田村はナイキやパイレックスなどのデザインを手がけ、パナソニックやレクサスとも仕事を重ねる。そんな世界的な才能を、ISSEY MIYAKEのウオッチプロジェクトが認めたのである。
「1/6 ワンシックス」は世界発売に先立って、今年のミラノサローネの期間中だけISSEY MIYAKEミラノ店で展示された。デザインの聖地からISSEY MIYAKEウオッチプロジェクトはまた、新たな物語を開始したのである。
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