圧倒的な品揃えと日本初のGSワールド、「グランドセイコーブティック 銀座」の魅力を解明します。

  • 写真:宇田川淳
  • 文:笠木恵司

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ガラス扉を開けて店内に一歩を踏み入れると、そこは日本の誇る「GS」、グランドセイコーだけで構成された垂涎の空間……。2019年2月15日にグランドオープンした日本初の「グランドセイコーブティック 銀座」の魅力を、注目のモデルとともに紹介します。

1960年に産声を上げたグランドセイコーは、日本がつくる高品質な腕時計の象徴です。高精度はもちろん、匠の技による精緻な仕上がり。近年はその評価が世界に広がってきたことから、2017年にブランドとして独立。それに伴って、従来の「セイコープレミアムブティック 銀座」が「グランドセイコーブティック 銀座」として生まれかわったのです。オープンはロサンゼルス、ソウルに続く3店目。ここだけで入手できる限定モデルにも注目したい、オンリーショップです。

世界のGSファンが垂涎、高級限定モデルもラインアップ

グランドセイコー ヘリテージコレクション スプリングドライブ8Days SBGD201。手巻スプリングドライブ、プラチナケース、ケース径43.0㎜。¥6,696,000(税込)
SBGD201のケースバック。右側に8日間巻きのパワーリザーブ表示があります。通常の3倍の厚さのプレートがパーツを押さえ込み、衝撃に強いのも特長。左上に見える富士山を模したプレートのエッジは丁寧に磨き上げられています。

グランドセイコーは国内だけでなく、世界規模で熱狂的なファンがいます。「グランドセイコーブティック 銀座」では、その期待に応える豊富な品揃えだけでなく、ブティック限定の高級モデルもラインアップ。上の写真は、ぜんまい駆動でありながら日差1秒以内という高精度をもつ独自の機構「スプリングドライブ」で8日間のロングパワーを実現した「ヘリテージコレクション」の1本。朝日を浴びた新雪のような煌めきを放つホワイトダイヤルが特長です。下の写真は新開発のムーブメントを搭載した「エレガンスコレクション」の薄型モデル。柔らかな膨らみをもつダイヤルを艶のある黒漆で仕上げています。さらにインデックスとロゴマークは手描きの髙蒔絵。何度も文字盤を見直したくなるほどの逸品です。

グランドセイコー エレガンスコレクション 手巻 メカニカル 「黒漆」限定モデルSBGK004。小秒針とパワーリザーブ表示をもつ新開発の手巻ムーブメントを搭載。18Kピンクゴールドケース、ケース径39.0㎜、150本限定、3月8日(金)発売予定。¥3,456,000(税込)
ダイヤルは濃い艶を発する黒漆。12と6、2か所のアラビア数字と10本のバーインデックス、「GS」のロゴマークはすべて手描きの髙蒔絵。極細の筆で漆を盛り上げていく、根気と時間と手間のかかる技法です。

シンボルカラーのブルーをアレンジした店内に、GSのフルラインを展示。

奥に長く広がる店内。ズラリと並んだGSのコレクションは、圧巻です。
ペアでも揃えられる「グランドセイコー エレガンス コレクション」。いずれも年差クオーツを搭載。ステンレススチールケース、白蝶貝ダイヤル。左はSBGX333でケース径38.0㎜。右はSTGF339でケース径26.5㎜。どちらも各500 本限定。¥486,000(税込)。

「グランドセイコーブティック 銀座」の前身である「セイコープレミアムブティック 銀座」は2015年にオープン。GSのみならずクレドール、ガランテも扱っていましたが、今回のリニューアルで和光本館1階の「セイコーフラッグシップサロン」に移動。「グランドセイコーブティック 銀座」はまさにGSだけをフルラインで扱う新店舗となりました。インテリアもシンボルカラーの「ブルー」をいたるところにアレンジ。メタリックなシルバーが要所を引き締めています。

1881年に服部時計店(現セイコーホールディングス)を創業した服部金太郎。国産時計を先駆けて発展させてきたことから、「日本の時計王」とも呼ばれています。
1960年に発売された初代のグランドセイコー。当時のクロノメーター基準を上回る高精度を実現。大卒初任給の2倍近くという価格にもかかわらず、飛ぶように売れたといわれています。
創業者のポートレートや初代グランドセイコーの実物などを展示したショーウィンドウ。ケース構造などのデザイン画と併せて、グランドセイコーの世界観が感じられます。
グランドセイコーのデザイン画。「斜めから見ても美しい時計」を目指して造形されています。

1960年代に誕生したGSは日本の時計界における金字塔といえるでしょう。現在ではさまざまなバリエーションがありますが、「時計の本質を究める」という理念はいささかも変わっていません。高精度はもちろん、視認性や着け心地も含めて、決して飽きることのない普遍的なデザイン。熟練した匠の技と美意識が、それを丁寧に造形していく。「本質」という終わりなき目標に挑戦し続ける姿勢が、見惚れてやまないグランドセイコーを生み出してきたのです。

GSのシンボルマークを立体化した紺色のライオン像。獅子は百獣の王であり、威厳と偉大さを示すシンボルとして初代モデルからケースバックにあしらわれてきました。

GSの魅力を、腕に着けて感じて欲しい。

「外国からのお客様も珍しくありませんが、GSに詳しい方も多いですね。末永くご愛用いただけるGS選びのお手伝いをするのが私たちの仕事だと思っています」という古川博隆副店長。
18Kイエローゴールドの自動巻メカニカル・ハイビート(毎時3万6000振動)GMTモデルも、腕に着けて体感できます。SBGJ208、¥2,862,000(税込)

「グランドセイコーの実機をこれほど揃えた店はかつてありませんでした」と同店の古川副店長が語るように、店内はGSがズラリ。エントランス脇の特別モデルのディスプレイから始まり、スプリングドライブ、ヘリテージ、エレガンス、スポーツというカテゴリで並べられ、レディスも大充実。時計好きなら時間を忘れてしまう空間が広がっています。「私たちのおもてなしの基本は、GSを腕に着けて肌で感じていただくこと。来店前は思ってもみなかったモデルに出合い、気に入っていただくこともしばしばあります」

電池交換や簡単な修理から、オーバーホールも依頼できるサービスカウンター。GSに関する相談を受け付けています。
ダイバーズ、クロノグラフを中心とするスポーツコレクション。セイコーは1965年に国産初のダイバーズウオッチを開発。そうした長年の技術蓄積が反映されています。
気品ある3針のドレスウオッチから、第2時間帯も表示するGMTなどを揃えたエレガンスコレクション。ビジネスマンなら1本は持っておきたいモデルです。

「グランドセイコーブティック 銀座」は世界有数の街を貫く中央通りに面していますが、決して目立つ外観ではありません。ところが、内部に陳列されたモデルは種類も機能も圧倒的な広がりをもち、それらをGSというコンセプトが繋げています。東京・銀座でGSの豊穣な世界観に触れながら実機を体感して選ぶのは、このうえない幸せといえるでしょう。そしてその体験は、GSとの確かな絆として、次世代にも受け継がれていくのです。

グランドセイコーブティック 銀座
東京都中央区銀座7-9-16
TEL:03-3562-3800
営業時間:11時~20時(月~土)、11時~19時(日、祝)
無休(年末年始を除く)

●セイコーウオッチ お客様相談室 グランドセイコー専用ダイヤル TEL:0120-302-617
www.grand-seiko.com

※「クレドール」「ガランテ」は、和光本館にて引き続き取り扱っています。