シャネル、香りの革命史。
写真:尾鷲陽介
香りの着こなし術:58年前の「プール ムッシュウ」からいま人気の「ブルー ドゥ シャネル」まで。
メンズ初のフレグランス「プール ムッシュウ」(上写真)は、それから34年後の1955年に登場します。ガブリエル(ココ)・シャネルが存命中に発売された唯一のメンズフレグランスは、当時男性のグルーミングが流行しつつあったのに先駆けて、2代目の調香師、アンリ ロベールによって作られました。レモン、ネロリ(花)、プチグレイン(葉)の爽やかな香りが広がり、少し経つとカルダモン(種子)、ホワイトペッパーのスパイシーさ、最後にはセダー(樹皮)、ヴェチヴァー(根)の香りが漂います。オリジナリティに富み、エレガントで気品溢れるフレグランスは、まさに普遍的な香りとして58年経ったいまも紳士たちから支持を集めています。

左から、「アンテウス オードゥ トワレット」(50mL)¥7,560、「エゴイスト オードゥ トワレット」(50mL)¥7,560、「エゴイスト プラチナム オードゥ トワレット」(50mL)¥7,560
「エゴイスト」(上写真中央)は、シャネルのメンズフレグランスの人気を決定づけたともいえる一本。メンズには珍しくローズが香り、バニラやサンダルウッドが濃厚に感じられる個性が、その圧倒的な存在感をもたらしています。エゴイストはもうひとつ「エゴイスト プラチナム」(上写真右)というフレグランスもあります。こちらも同様に華やさが香りの特徴ですが、成熟さを表現したエゴイストに対し、その男性が同時にあわせもつ若々しさ、溌剌さの側面にフォーカスをあてています。
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上段写真:「プール ムッシュウ オードゥ トワレット」(50mL)¥7,560