過去から未来まで200年を行き来する!? 「カンパノラ」のパーペチュアルカレンダーが叶える、大人の時間旅行とは。

  • 写真:星 武志
  • 文:和田達彦

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時を愉しむための機能を先端の技術で美しく表現した、独創的な時計ブランド「カンパノラ」。同ブランドから、過去と未来200年の間から任意の1日を呼び出せるパーペチュアルカレンダー機能を、トノー型ケースに搭載した新作モデルが登場しました。

デュアル球面サファイアガラスによって生まれたドーム状の小さな空間の中に、200年の時が立体的に表現されている。時刻をチェックする時以外でも、つい眺めていたくなるような美しさだ。

「時を愉しむ、日常を愉しむ、個性を愉しむ」をテーマに掲げ、2000年にデビューした時計ブランド「カンパノラ」。以来、最先端のテクノロジーや、伝統工芸の技を取り入れた独創的な時計を発表し、単に時刻を知るためだけの道具ではない腕時計の魅力を提示してきました。現在カンパノラには、機械式ムーブメントを採用した「メカニカル」、星の動きなどを文字板に再現した「コスモサイン」など5つのコレクションがありますが、今年2月に発売された新作2モデルは、複雑時計の機構を搭載した「コンプリケーション」コレクションのもの。なかでもパーペチュアルカレンダーはブランド設立と同時に生まれた歴史あるシリーズで、02年と06年にはトノー型ケースのモデルも製造されていました。今回の新作で、13年ぶりに復活することになります。

表情豊かに「宙空の美」を体現する、立体的かつ精緻な文字板。

白を基調とした文字板にメタルブレスレットを配した、カンパノラ パーペチュアルカレンダー「AG6250-50A」。クオーツ、SS、ケースサイズ52.8×41.0mm、ケース厚15.7mm、SSブレスレット。¥410,400(税込)

カンパノラのパーペチュアルカレンダーは、2100年2月28日まで、うるう年などの日付修正が不要なだけでなく、西暦2000年を境に、前後100年から知りたい1日を自在に呼び出すことができる機能を搭載しています。これによって、たとえば自分が生まれた日の曜日や、将来の記念日が週末や祝日に重なる年を調べることが可能です。現在より先の日付を呼び出すには2時位置の「未来ボタン」、以前の日付を呼び出すには4時位置の「過去ボタン」をプッシュ。押している間、それぞれの表示針が目まぐるしく回り続けます。また8時位置の「リセットボタン」を押せば、瞬時に現在時刻に回帰。アナログならではのこのギミックが楽しく、ついいろいろな日を呼び出してみたくなります。

さまざまな時間軸を立体的にレイアウトした文字板は、アラビアやヨーロッパで中世に用いられた天体観測用機器「アストロラーベ」をイメージしたもの。

200年分のカレンダーと時刻は、大小さまざまな8本の針で表示されます。その中でも特に印象的なのは、ユニークな形状をした年針でしょう。今回の新作では、渦巻き星雲をモチーフとしたデザインが採用されています。1990年から2099年をスパイラル状に配置した年表示ダイヤルは、カンパノラのパーペチュアルカレンダーの中核と言える存在ですが、年針はドーム状に盛り上がったインダイヤルの頭頂部に設置されていて、28年周期で回転します。

なめらかな曲線を描くケースと風防の中、文字板上の中空に浮かんでいるような針が、過去と未来200年の時間旅行へと誘ってくれる。

立体的で緻密な文字板は、1ミクロン以下の凹凸も表現できる高精度の電気鋳造によって加工が施されています。さらに、電気鋳造と並んでカンパノラの特長でもある五徳状のリングが、文字板の立体感をいっそう強調しています。ドーム状の200年カレンダーをはじめとした各インダイヤル、そして“五徳リング”を組み合わせた多層構造はまるで名建築のようです。これらを美しいトノー型ケースに収めることによって、カンパノラのデザインコンセプトである「宙空の美」が見事に体現されています。

なめらかなフォルムが手首に馴染む、高い質感のトノー型ケース

黒を基調とした文字板にレザーストラップを配した、カンパノラ パーペチュアルカレンダー「AG6250-09E」。クオーツ、SS、ケースサイズ52.8×41.0mm、ケース厚15.7mm、ワニ革ストラップ。¥388,800(税込)

新作として13年ぶりに復活したトノー型ケースは、かつてのモデルに比べて縦方向が3.2mm縮小され、より手首に馴染みやすいサイズとなりました。美しさと装着感を追求するために、3次元設計技術を駆使し、複雑な3次曲面を組み合わせた一体感があるケースデザインを採用しています。また各プッシュボタンはガタつきが少なく、長く押していても指が痛くなりにくい丸型形状に改良。見た目にもクラシカルで、高い質感で仕上げられています。

なめらかに一体感を出しつつ装着感を向上させるため、ケースにはこれまでにない独自の組み合わせ方が採用されている。

ステンレス削り出しのケースの一体感、質感の高さは、部品加工および組み立ての工程にも理由があります。腕時計の製作は通常、パーツごとに磨いてからムーブメントを組み込んで完成となります。カンパノラの場合はひとつの時計につき、まずパーツごとに磨いたのち、いったん組み立ててさらに磨いた上で分解し、改めてムーブメントを組み込みます。研磨の行程は職人の手作業。ハイテクの設計技術と職人の手業を合わせて、この精緻なケースが生み出されているのです。

レザーストラップ仕様のモデルは、ベルトの取り付け部の裏側にメタルパーツを配することで、フィット感を向上する工夫が凝らされている。

カンパノラは、時計ベルトにもこだわりがあります。メタルブレスレットは、なめらかなカーブのコマ形状にすることで手首への装着感を向上。またレザーストラップは、ワニ革の「竹斑(たけふ)」と呼ばれる腹部分のみを使用し、裁断から縫製に至るまで熟練の職人が手がけています。さらにレザーストラップ仕様のモデルは、ベルトの取り付け部の裏側にメタルパーツを配することでケースとベルトの隙間が解消され、手首にしっくりと馴染むようになっています。過去から未来200年の時をその腕に、いつでも時間旅行を愉しむことができる時計――。それがカンパノラのパーペチュアルカレンダーなのです。

問い合わせ先/シチズン時計 シチズンお客様時計相談室
TEL:0120-78-4807
受付時間:9時30分~17時30分(祝日を除く月~金)
https://campanola.jp