あなたにとっての「What else?」な瞬間とは。
「NARISAWA」オーナーシェフ・成澤由浩さんに聞きました。

  • 文:遠藤 匠

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ネスプレッソのCMで聞き覚えのある「What else?」という言葉、一体どんな意味をもつのでしょうか。「NARISAWA」オーナーシェフ・成澤由浩さんにとっての「What else?」な瞬間について伺いました。

ジョージ・クルーニーのチャーミングな演技が印象的な、プレミアムカプセルコーヒーシステム「ネスプレッソ」のテレビCM。彼の好演もさることながら、必ず耳にする“What else?”というフレーズが記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。このフレーズは、たぐいまれで、他の何ものにも代えられないコトやモノを表す、ネスプレッソのブランドシグネチャー。至福のコーヒー体験を提供したいと願う、ブランドの想いが込められた特別な意味合いをもつ言葉です。

ここで少し視点を変えて、さまざまな業界で自分らしい唯一無二のスタイルを追求する著名人の方たちに目を向けてみるとどうでしょう。きっと自分ならではの“What else?”な瞬間をもっているはずです。今回、お話を伺ったのは、東京・青山「NARISAWA」オーナーシェフの成澤由浩さん。“サステイナビリティとガストロノミーの融合”というテーマを追い求める成澤さんのインスピレーション源となる、かけがえのない瞬間を教えていただきました。



食材は、自然から受け取ったメッセージのようなもの。それを僕の料理で伝えたい。

成澤さんの料理が世界中の美食家や著名人に高く評価されている理由のひとつといえるのが、料理を通して自然とのつながりを意識することを促すかのような独特のスタイル。自分にしかできない仕事を探し求め、日本全国の生産者を訪ね歩くなかで、里山文化に惹きつけられた成澤さん。自然と人間が共生する先人の知恵に満ちあふれた里山で学んだことは実に多く、料理人という立場で自然を理解し、環境問題を訴えることが、自身の料理の代名詞になっていきました。

「食材は、自然から受け取ったメッセージのようなもの。自然のほうからどんどん訴えかけてくるんです。それをそっとお皿に乗せて、お客様にお出しするのが僕の料理。素材そのものが生み出す風景を、もう一度お皿の上に再現するようなイメージといったらいいのでしょうか。それが食べる人に伝わったと思える瞬間は、まさに“What else?”ですね」

食を通して、50年後、100年後のためになることを考える。

成澤さんは、料理に対する取り組みにおいて、サステイナビリティという考え方を大切にしています。「たとえば、50年後もこの海老は安全で美味しいままで、楽しい食卓を囲むことができるだろうか。そんなことを考えながら料理に取り組みます。食を通して50年後、100年後のためになるようなことができないかと常に考えているんです。だから、牛肉ひとつとっても、ここに素晴らしい牛肉があった場合、果たしてそれを50年後、人類がどんどん増え続けたときにも食べ続けることができるのかということを真剣に考えなくてはいけないと思うわけです」

そうした大きな目標のために、自分に納得のいく仕事をし続けなくてはいけない。そんな想いから食材に対しても並外れたこだわりを持ち、自然や生産地を訪ね歩く努力をいまでも惜しみません。実は成澤さんは、20年以上もネスプレッソを使い続けているユーザーのひとり。しかも、持ち前の食材に対する探究心の強さから、昨年はブラジルにあるネスプレッソのコーヒー農園を訪ねたこともあるとか。「そこで働く人たちの姿を見て、1杯のコーヒーを生み出すまでの苦労を実感すると同時に、すべての工程に一切の妥協がないことを目の当たりにしました」

ネスプレッソのコーヒー作りにおいても、サステイナビリティは重要なテーマのひとつ。高品質な豆の調達には、生産者との協力が不可欠という考えから、コーヒー農家の生活改善を目指すプログラムにも取り組み、持続可能品質なコーヒー豆の調達を2020年までに100%確立できるよう目標を掲げています。

「安全で力強い食材に出会いたいし、食べる人には自然の力を存分に吸収してほしい。そんな想いで自然や生産者を訪ね歩く時間は、やっぱり自分の料理にパワーとインスピレーションを与えてくれるかけがえのないものですね」

常によりよいものを求める成澤さんの姿勢は、ネスプレッソの未来へつなげるクリエイションと重なります。“What else?”――。その答えはひとつではありません。あなたにとっての「What else?」はどんな瞬間でしょうか?

成澤由浩
東京・南青山「NARISAWA」オーナーシェフ。日本の里山文化が本来持つ,人と自然が共存し生きていくという“自然じねん”の精神で、環境に配慮し持続可能な食文化を提唱。心と身体に有益な美食“Beneficial Gastronomy”を提供し続ける。2010年マドリッド・フュージョンにおいて「世界で最も影響力のあるシェフ」に選出。2015年 The World's 50 Best Restaurants 第8位・ベストアジア賞受賞。

●ネスプレッソ
http://www.nespresso.com/whatelse/