ラスベガスから発信、MGMリゾーツが手がける日本食の新境地とは。

  • 写真:竹部茂教  コーディネート&文:稲石千奈美

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ラスベガスを拠点とするMGMリゾーツがいま注目するのは、日本食。日本から招いたこだわりの生産者や食材を紹介し、新境地開拓に乗り出しています。ここでは、10月にベラッジオ ラスベガスホテルで開かれたフードプレビューの様子を紹介します。

MGMリゾーツ全体の飲食戦略を統括するアリ・カストラティ。「今回の日本との出合いと学びを、MGMリゾーツを挙げてお客様に還元していきたいと思います」と語ります。

近年、カジノだけでなく大人のための遊び場としてさまざまな体験ができるラスベガス。そこに拠点を置くMGMリゾーツは、滞在型リゾート・デスティネーションとして、最新のエンターテインメント、ダイニング、アートなどここでしかできない体験を提供しています。

そんなMGMリゾーツがいま注目しているのが、日本食。飲食戦略を統括するアリ・カストラティは、日本に大きな関心を寄せるひとりです。「仕事で一年の三分の一以上は旅をしていますが、日本は訪れるのが待ち遠しい出張先です。高級料亭からコンビニまで、日本が食文化に注ぐ情熱と徹底した顧客サービスに、何度訪れても驚きがあるのです」

カストラティは日本で経験した、洗練された味や食材へのこだわり、細部にまで徹底した仕事ぶりなどを取り入れたいと自社スタッフによるチームを編成。今年9月に日本各地の生産者や職人などを訪ねる視察を行いました。そして10月末、視察で出会った日本の生産者約20社をベラッジオホテルに招き、日本食をラスベガスから発信するイベントを開催。会場には厳選された鮮魚、抹茶、和牛、日本酒などが並び、MGMリゾーツ傘下にあるレストランのシェフたちが試食を行い、生産者からの説明に熱心に耳を傾けました。

日本から招かれた生産者の話を聞くMGMリゾーツのシェフ。アメリカでは珍しい食材に興味津々です。
イベントに出展された石巻港からの海産物は、1~2日で届きます。震災から見事に復興を遂げた石巻は、カストラティが視察で訪れ大きな関心を寄せている生産地のひとつです。

さらにその後の夕食会では、日本の食材を使ったオリジナルのメニューで、招いた生産者たちをもてなしました。新たな解釈で生み出された料理の数々に、生産者たちも新しい発見があったようです。

「ラスベガスでしか味わえない体験で、お客様に喜んでいただきたい」。それは味だけでなく、食材や生産地などの料理の背景にあるストーリーを共有できてこそなのだと言います。今後もさらに日本で出合った食材をラスベガスに紹介したいというカストラティ。日本の食材がどう生まれ変わるのか、きっとラスベガスが得意とする「驚き」や「感動」の味わいを、我々にもたらしてくれるのでしょう。

イベント後のディナーでの一品。写真は日本産のキャビアを使ったパフェです。
北海道産のズワイガニと、四国産の牡蠣を味噌と柚子胡椒で味付けした一品。イベントに出品された食材を使い、シェフたちが独自のメニューを提案しました。
今回のフードプレビューはMGMリゾーツの統合型リゾート「ベラッジオ ラスベガス」で行われました。

ベラッジオ ラスベガス
住所:3600 S Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89109
TEL:888-987-6667
全3,933室
※マッカラン国際空港からクルマで約10分。
www.bellagio.com