【ザネラート クリエイターに寄り添うバッグ】Vol.3 深く愛せるものしか手にしない、長谷井宏紀の感性。

  • 写真:森山将人(mili)
  • 文:飴李花

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モノやコトの本質に向き合い表現をするクリエイターと、デザイン性と機能性を追求するザネラートのバッグは、さまざまな部分でシンクロします。そこで、各分野のトップランナーに密着し、“ザネラートがある日常”を観察。そのリアルな魅力に迫る連載企画の第3回をお届けします。

国内外で注目を集める気鋭の映像作家として世界中を飛び回り、常にノートパソコンやカメラなどを携帯しているという長谷井宏紀さん。バッグ選びの絶対条件は、必要十分の収納力があり機能的であること、愛をもって長年連れ添っていけること。そんな長谷井さんを強く惹きつけたのが、ザネラートの多機能トートバッグ「デュオ」。一流クリエイターと傑作バッグ──人の暮らしを描く映画製作のために旅を続ける長谷井さんと、日常使いはもちろん旅行や出張などで変幻自在に活躍する「デュオ」との出合いは、これまでにないくらい自然で有機的な化学反応を見せてくれそうです。

つい触りたくなる素材感、官能的なレザーの香り。

長谷井宏紀。1975年、岡山県生まれ。2007年にはセルゲイ・ボドロフ監督の『モンゴル』でスチールフォトグラファーを務め、俳優としても出演を果たす。15年、ヴェネツィア国際映画祭で自ら監督・脚本を務めた『ブランカとギター弾き』が、ソッリーゾ・ディベルソ賞とマジックランタン賞をダブル受賞。昨年は「Pen クリエイター・アワード 2017」も受賞。現在は、映画監督、CM監督、脚本家、写真家、アーティストとして多方面でマルチに活躍中。

「一昨日に、ポーランドから戻ってきたばかり」という、正真正銘のコスモポリタンとして世界を飛び回るクリエイター、長谷井宏紀さん。ときにはスラムに暮らす人々と寝食をともにし、栄養失調で体調を崩しながらも彼らとの生活をエンジョイ。揺るぎない信頼関係を築いた上で撮影される写真や映像の被写体は、“よそ者”には決して見せない豊かな表情で切り取られています。描きたいと思うテーマやストーリーがあれば、自ら脚本を執筆し、資金集めにも奔走。圧倒的な想像力と創造力、そして人間力によって周囲を巻き込んでしまうそのエネルギーやワイルドな風貌は、およそ日本人らしからぬものです。実弟である「テーラーグランド」代表の孝紀さんが手がけたオーダースーツに身を包んだ長谷井さんに、自身のキャリアやバッグへのこだわりについて聞きました。

親友である浅野忠信さんを撮り下ろしたTVドラマシリーズ『ロング・グッドバイ』のビジュアルブックと、記念碑的作品となった2015年の監督作品『ブランカとギター弾き』のDVD。

多彩な分野で活躍する長谷井さんは、ひと口にその肩書を説明することのできないスラッシュキャリアの持ち主。映画やCMなどの映像を監督したり、脚本を執筆したり、ファッション写真を撮影したり。そんな活動のなかでも思い入れのある作品をふたつ、教えていただきました。
「浅野君とは同じ事務所に所属していますが、実は入るずっと前からの大親友。いまでもしょっちゅう一緒に食事に行ってますね。『ブランカとギター弾き』は、フィリピンのゴミ山で出会った人々と一緒に映画を撮りたくて、いろんな人の助けをもらいながら実現にこぎ着けた作品です。ヴェネツィア国際映画祭を主催するヴェネツィア市、そしてイタリアという国のサポートがなければ、決して製作することはできませんでした。そういう意味で、僕はイタリアという国や人々にとても感謝しているんですよ」

弟の孝紀さんは、真のカスタムクローズを追求する本格派テーラー。華やかでエレガントなボルドーカラーのリネンスーツが、ブラウンの「デュオ」にもよく似合う。

「普段着ている洋服は、海外のフリーマーケットなどで数ユーロで手に入れたものばかり。そんな姿を見かねたテーラーの弟が仕立ててくれたスーツは、今日のような取材対応などの“ハレの日”用です」
そんな飾らない性格の長谷井さんだからこそ、カジュアルなトートバッグタイプの「デュオ」が、しっくりくるようです。メイン素材である「カシミアブランディーン」のなめらかさや高級感、マチ部分に配されたヌバックレザーの豊かな表情、そして両者が描くコントラストの美しさに、すっかり目を奪われてしまった様子。

リッチなフィーリングと、たっぷりの収納力。

「カシミアブランディーン」素材の「デュオ」に触れ、そのリッチなテクスチャーに惚れ惚れとする長谷井さん。「この独特の香りにも、なぜか惹かれるんですよね」

「バッグは触った時のフィーリングも大事。ずっと触れていたくなるくらいなめらかな、この質感には驚かされます。こうして荷物を出し入れしている時など、ふとした瞬間に香るレザーの匂いもたまりせんね」
ザネラートならではのていねいな仕事ぶりに、「人の手の優しいぬくもりを感じる」という長谷井さん。
「シックで温かみのあるダークブラウンなのに、ブランディーン柄の型押しやサイドのヌバックレザーの切り替えによって、夏でも使える軽快さを感じさせるのがいいですね。このバッグさえあれば、どこにでも行けそうな気がしてきます」

ノートパソコン、脚本ノート、ノイズキャンセリング機能付きヘッドフォンなど、「デュオ」なら長谷井さんの“エッセンシャルズ”がすべて、すっきりと収納できる。

「いまはちょうど、ガーナ、ジャマイカ、ルーマニア、メキシコを舞台とした次回作の脚本を執筆している真っ最中。脚本モードに入ると、なぜか写真を撮りたい気持ちがまったく沸いてこないんです。写真モードの時は、片時もカメラが手放せないくらいなんですが……。脚本ノートはA4サイズを愛用していて、MacBookは最近17インチから15インチに買い替えたばかり。持ち歩く機会が多いので、少しでも軽いほうがありがたいですから。このバッグには、カメラも含めて必要なものすべてがきっちり収まりそうですね。ペンポケットも、大きくて深いポケットも、なにからなにまで使いやすくてありがたい。内側にはさりげなく波柄刻印入りのシルバープレートがあしらわれていたりして、特別感もありますね」

カシミアのようなキメ細やかさとなめらかな肌触りが味わえるブルハイドレザーに、ザネラートのアイコンである波模様“ブランディーン”を型押しした「カシミアブランディーン」素材を使用。マチ部分にヌバックレザーを使用した、スマートカジュアルな多機能トート。「デュオ(M+サイズ)」(W45×H28×D19cm)¥149,040/ザネラート(アマン)

長めのハンドルとショルダーストラップにより、手持ち、肩掛け、斜め掛けなど、思い思いの自由な持ち方が可能に。底鋲はないもののレインプルーフ加工が施されているため、床置きなども気になりません。上品なルックスにもかかわらず、気兼ねなくハードに使い回せるのも高ポイントです。今回ご紹介した「カシミアブランディーン」以外に、シルクのようにスムースなレザーを駆使してよりシンプルかつエレガントに仕上げた「オリジナルシルク」も展開。どちらもボディと同色のレザー製ショルダーストラップが付属します。ストラップ幅は広めにつくられており、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。

クラシカルな印象を裏切る、圧倒的利便性。

ラグジュアリーなクラッチバッグのようでいて、実は「デュオ」の間仕切りパーツ。ストラップを付ければ、ショルダーバッグにもなるという多機能ぶりだ。

「デュオ」内部をふたつのコンパートメントに分ける間仕切りは、ギボシ(留め具)による着脱が可能。単独でクラッチバッグとして使えるほか、付属のショルダーストラップを装着すれば、あっという間にショルダーバッグに。本体とのコンビネーションにより、あらゆるシーンやオケージョンで活躍してくれること間違いなしです。
「荷物の少ない時にはクラッチバッグのみを使えばいいし、渡航先の状況によってさまざまに使い分けられるなんて、最高じゃないですか」と、旅慣れた長谷井さんも納得の様子。

マグネット式カバーを開け放ち、間仕切りを取り外せば、こんなに大きな開口部に。細々とした身の回り品はもちろん、大きな荷物もすんなり収納できる。

フルオープンが可能な開口部には、マグネット式のカバーを装備。安全性が高いのと同時に、物の出し入れ時のストレスも皆無です。アジャスターを調整すれば荷物の容量に応じてマチ幅が変更できるので、美しい最適なシルエットをキープできます。抜群の収納量を誇り、スマートフォンやタブレット端末、メモ、ペンなどをきっちり整理整頓できる、ポケット類も充実しています。
「ノートパソコンやカメラ、ノート、ペンなど、普段持ち歩いているグッズをすっきりと持ち運べそう。旅行の時はもちろん、普段使いにもぴったりですね」

旅先用バッグとして、スリムに畳んで持ち運ぶ。そんなナイロンバッグのようなカジュアルさを、オールレザーでも体感できる。パッキングや保管に便利な専用カバー、大小ふたつのトラベルポーチも付属。

「デュオ」は上質なレザーを駆使していながら、マチ部分を折りたたみ、付属のバッグカバーに入れることで、びっくりするほどスリムに変身。スーツケースなどにパッキングする際に、まったくかさばらないのが魅力です。しかも特殊加工を施した素材のため、折り皺などの心配はなし。クローゼットなどで保管する際にも、うれしい仕様です。さらにふたつのトラベルポーチは、ともにパッカリング仕様。使用時以外はとてもコンパクトにまとまるので、なにかと重宝するはずです。
まるで旅そのもののような人生を送りながら、グローバルな舞台で活躍するマルチクリエイターの長谷井さんにとって、ザネラートの「デュオ」がもつ特徴すべてが、有用なものであることは間違いなさそうです。ただ機能的であるだけでなく、ずっと同じ時間を共有したくなるくらいに心地よく、タフに使い続けられること。これこそが、どんなモノにも深いつながりを求める長谷井さんが、真に必要とする要素なのかもしれません。

問い合わせ先/アマン TEL:03-6805-0527
http://www.zanellato.com
http://zanellatojapan.tumblr.com