『光石研の東京古着日和』第4話は、トラッドの新たな聖地「ブルックス ブラザーズ 表参道」を訪れました。

  • 写真:森山将人(TRIVAL)
  • 文:佐野慎悟

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PenのYouTubeチャンネルで展開している、話題のオリジナルドラマ『光石研の東京古着日和』。今月24日に公開された待望の第4話では、光石さんが20代の頃から憧れている「ブルックス ブラザーズ 表参道」へ。劇中で光石さんが手にしたアイテムや、新たに生まれ変わったトラッドの聖地の魅力に迫ります。

攻めのオーバーサイズを狙うか、絶対に外さない王道か。ポロカラーシャツのサイズ選びをめぐる光石さんの心の葛藤は、どのような決着を見せるのか。詳しくはPenのYouTubeチャンネル(Pen magazine)にて。

『光石研の東京古着日和』第4話。光石さんはデッドストックのデニムパンツに合わせるシャツを探しに、オープンしたばかりのブルックス ブラザーズの新店舗を訪れる。光石さんが20代の頃、ブルックス ブラザーズは若者にとって少しハードルが高く、その当時青山通り沿いにあった青山店の前を行ったり来たり。そして勇気を振り絞ってから入店していたと回想する光石さん。日本を代表する名優と呼ばれるようになったいまでも、やはり若干ドギマギ感を隠しきれていないのはご愛嬌。とは言え、お店に入る前から、光石さんのお目当ては既に決まっているようだ。アメトラ・スタイルには欠かせない、永遠のマスターピースである〝ポロカラーシャツ(ボタンダウンシャツ)″だ。20代の頃から慣れ親しんだ名品を新調しようとする光石さん。今回はブランドアンバサダーである大平洋一さんの指南を受けながら、モダンにアップデートされた新時代のアメトラに出合う。

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“トラッド″に目がない光石さん、表参道で気になったアイテムとは!?

光石さんの接客を担当したブランドアンバサダーの大平洋一さん。勤続30年を超えるブランドの生き字引的な存在。大平さんのアドバイスを聞いておけば、まず間違いはない。

まだ真新しい店内をひと通り見て回った光石さんは、メンズのドレスアイテムを扱う地下1階のフロアに到着。ここにはお目当てのポロカラーシャツをはじめ、アイコニックなやブレザーやレジメンタルタイといったアメトラの定番アイテムが所狭しと並ぶ。創業202年を誇るブランドのレガシーが詰め込まれたようなラインアップが特徴だ。

「20代の頃は、まだ新品のポロカラーシャツは高嶺の花だったので、毎回古着屋で買っていました。昔の〝赤タグ″のものは、シルエットがいまよりもゆったりしていましたよね」と、大平さんに質問する光石さん。

それに答えて大平さんは語る。

「そうですね。いまでもクラシックな赤タグは『マディソン・フィット』というスタイルで1型だけ展開していますが、シルエットはおっしゃる通りアップデートされています。いまの主流となっているのは、スタンダードな『リージェント・フィット』と、若干スリムな『ミラノ・フィット』です。今回は光石さんに、このリージェントをお薦めさせていただきます」


右:一つ上のサイズで提案されたキャンディストライプのポロカラーシャツ。スタンダードなリージェント・フィットを、ゆったりとカジュアルに着こなすのに最適なチョイスだ。左:白シャツも同じくリージェント・フィットで、こちらはジャストフィットのサイズ感。ビジネスからカジュアルまでどんなスタイルにも合わせやすく、王道の名に恥じないメンズシャツのマスターピースだ。ドレスシャツ各¥20,900(税込)/ともにブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパンTEL:0120-02-1818)
19世紀末から20世紀初頭にブルックス ブラザーズが世に送り出した、「No.1サックスーツ」と呼ばれる段返り3つボタンのブレザー。メンズワードローブのスタンダードとして世界中で愛され続けている名品中の名品。ブレザー¥75,900(税込)/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

壁一面にシャツが陳列された棚の前に来ると、光石さんはサイズ展開の多さに改めて関心させられる。

「ポロカラーシャツのサイズ展開には、7つのネックサイズと4つのスリーブサイズがあり、他ブランドと比べても圧倒的にサイズのバリエーションは多いです」と大平さん。(※ネックサイズにより、展開するスリーブサイズは異なります)

今回はデニムパンツに合わせることを想定して、大平さんは光石さんにジャストフィットの「ネック15ハーフ・スリーブ32」ではなく、ワンサイズ上げた「ネック16・スリーブ33」を提案した。色もデニムとカジュアルに合わせやすいキャンディストライプ。光石さんは普段着慣れているサイズ感よりも大きいシルエットに戸惑いながらも、大平さんのアドバイス通り、洗い晒しでラフに着こなすことに納得。洗濯して若干袖が詰まることを想定してみると、新しい着こなしが手に入りそうでワクワクしてきた様子だ。逆にジャストフィットの白シャツであれば、「No.1サックスーツ」と呼ばれるブレザーなど、すっきりとしたスタイルにも合わせやすいだろう。

タイムレスな魅力を放つバルカラーコート。表地にイタリア・オルメテックス社の撥水性ボンディングツイル地を、ライナーには同じくイタリア・サーモア社のクラシックラインの中綿を採用。コート¥86,900(税込)/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)
日本限定で展開されているアメリカ製ベースボールキャップ。クラシックとモダンが同居したデザインで、ジャケットスタイルにも合わせやすい。10月末には日本製で5色の新色が登場する。キャップ各¥9,900(税込)/ともにブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

「ブルックスは、スタイルのあるかっこいい大人が選ぶブランド。やっぱりトラッド少年だったから、No.1サックスーツには本当に憧れました。何度も見ているのに、未だにお店に来ると必ず手に取ってしまうんです。それと、最近ちょっと肌寒くなってきたこともあり、渋いオリーブカラーの〝バルカラーコート″も気になりました。昔はスタイル・カウンシルのポール・ウェラーに憧れて、こういうコートをデニムパンツとローファーで合わせていました。真冬には裏にボアが付いているものを使っていましたが、いまはサーモア社の高機能なライナーが付いているんですね」と光石さん。

また、ドラマの中で光石さんが購入したベースボールキャップは、日本上陸40周年記念のランウェイショーに登場して話題となり、ついに日本限定で商品化されたものだ。



ブルックス ブラザーズ 表参道では、購入したシャツに最大28文字のメッセージを刺繍してカスタマイズすることが可能。メンズ、ウィメンズのシャツが対象で、注文から約8日で完成する。刺繍カスタマイズサービス¥2,500~/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)
刺繍は4種類のフォントと8種類の色から選択可能。刺繍を入れる場所も襟、胸、ポケット、裾、カフスから選べる。今回光石さんは、ポケット下に「Tokyo Vintage Diary(東京古着日和)」の刺繍をオーダーした。

ドラマの舞台となった表参道の新店舗は、トラッドの面影とモダンな雰囲気が同居。

ブランドのレガシーが色濃く現れた地下1階には、オーセンティックなアイテムが揃う。まずこのフロアに行けば、ブルックス ブラザーズが202年の歴史の中で培ってきた定番スタイルを、余すことなく体感できるはずだ。
ガラス張りで自然光をふんだんに取り入れた1階フロアでは、エレガントなウィメンズファッションを展開。メンズウエアの定番であるポロカラーシャツやブレザーは、ウィメンズでも人気のアイテムだ。

新しく表参道の閑静な裏路地にオープンしたブルックス ブラザーズ 表参道は、8月に閉店した伝統的で重厚感のある青山店とは対照的に、自然光をふんだんに取り入れた、開放感あふれる雰囲気のモダンなインテリアが特徴的だ。ブランドの新しいコンセプトを体現する地下1階から地上2階建ての店内には、地下1階にメンズのドレスアイテム、1階にウィメンズアイテム、そして2階にはメンズ カジュアルアイテムを展開する。

「右も左もわからない20代の頃に、青山店に初めて入った時は本当にドキドキして、やっとの思いで靴下だけ買って出てきた覚えがあります。その時のイメージと比べると、この新しいお店は随分と気軽に買い物ができる雰囲気になりました。とは言え、ドレスアイテムを扱う地下1階のフロアは、格調高いブルックス ブラザーズらしさがきちんと残されていて、昔からのファンもしっかり満足させる世界観ですね」と光石さんは語る。

オーセンティックな世界観を色濃く残しながら、常にモダンな提案でファンを魅了し続けるブルックス ブラザーズ。そのアップデートされた最新のプレゼンテーションが、表参道店に存在している。

1階の雰囲気を踏襲した2階フロアでは、オーセンティックなメンズワードローブに加え、よりモダンなエッセンスを取り入れたメンズのカジュアルスタイルを展開。他ブランドとのコラボモデルなど、話題性の高いアイテムも揃う。


【東京古着日和  これまでのエピソード 】

■第1話 デッドストックに、弱くてさ 
■第2話 トラッドにはいまも青春の僕がいる 
■第3話 アメカジ、渋カジ、からのイタカジ? 
■特別編 ひと目惚れには手を出すな 

ブルックス ブラザーズ 表参道 
東京都港区南青山5-7-1 H-CUBE MINAMIAOYAMA
TEL:03-6803-8401
営業時間:11時 〜 20時
不定休