「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」も約6週間で。大阪、心斎橋にポール・スミスのメンズフラッグシップショップが誕生。

  • 文:Pen編集部

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10月1日、大阪初のメンズフラッグシップショップ「ポール・スミス大阪店」がオープン。ひと際目を引く外観は英国のレンガ造りの建物の質感からインスパイアされたものだという。その印象的なブルーのファサードがゲストを迎える。

ピエール・フレイのファブリックに張り替えたアンティークのスリッパーチェアセットと2層チーク材を使用したデンマーク製コーヒーテーブルが配されたフィッティング&コンサルテーションスペース

心斎橋エリアで、多くのラグジュアリーブランドが出店する御堂筋に、大阪初となるメンズの旗艦店を誕生させたポール・スミス。売場面積213平方メートルのクリーンな印象の店内には、メンズの最新コレクションが並ぶエリアをはじめ、コラボレーションアイテムの紹介やイベントを開催するエリア、テーラーリングやフォーマルアクセサリーを扱うエリアの3つから構成されている。さらにこの店舗の最大の特徴は、2019年に英国でスタートした「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」のサービスを日本で初めて導入したことだろう。

アポなしでも可能な「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」のサービスとは。

ボタン、ラペル、ライニング、ステッチなど、ディテールのさまざまな組み合わせで遊ぶのも楽しい「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」。

まず、大阪店の最も大きなトピックスである「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」を解説する。

ポール・スミスのスーツは、トラディショナルな雰囲気で日常的に着ることができる服。だが一方で、ディテールなどのちょっとした遊び心に個性や革新性を感じさせてくれる楽しさもある。英国でも今年初めからスタートしたばかりだという「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」のサービスは、そんなポール・スミスのスーツの特徴である伝統とモダンの融合したクリエイティビティに、パーソナライズを加えることで一人ひとりによりフィットする自分らしい究極の1着をつくること。

その過程もシンプルだ。店内奥に用意された専用のフィッティング&コンサルテーションスペース。ここでフィットモデルをベースに細かく採寸、あとはファブリック、ライニングに加え、ラペル、ボタン、ステッチワークなどポール・スミスのテーラリングに欠かせないディテールを選ぶだけで完了する。

ベースとなるフィットモデルは「KENSINGTON(ケンジントン)」「SOHO(ソーホー)」「NEW FIT1856(ニューフィット1856)」の3型が用意され、ジャケット、トラウザーズの2ピース、またはベストを入れた3ピースのオーダーが可能。サイズは、ジャケット、トラウザーズともにS、M、L、XL、M2、L2、XL2という7サイズからの選択になる。

素材選びはオーダーメイドスーツの醍醐味、表地は約100種類の老舗ミルやオリジナルの生地の中から好みの色柄を選ぶことができる。
ボタンもホーン6色のほか、ブラックサテンも用意。シングル1つボタン、2つボタン、3つボタンから選択可能

最もスリムな「KENSINGTON(ケンジントン)」、レギュラーフィットでベストセラーモデルの「SOHO(ソーホー)」、ややワイドでゆったりとしたシルエットの「NEW FIT1856(ニューフィット1856)」とどれもポール・スミスのスーツを象徴するモデルがラインアップ。さらに、素材選びはオーダーメイドスーツの醍醐味だが、生地は、ドーメル、クリソルド、ジョン・フォスター、ロロ・ピアーナといった老舗の生地メーカーから厳選された約100種類が表地に、裏地も16種類が揃い選択の幅は十分だ。価格は18万円〜で、オーダーから約6週間で完成する。

スーツはある意味、自分の相手に対する気持ちをカタチにしたものであり、自分の姿勢を見せる服。「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」で、どういう色や素材、どういうデザインを選ぶかは、実はその人の内面を表すもの。だからこそ自分らしい究極の1着にこだわりたい。

襟の裏地も7色用意されている。ポール・スミスらしいひねりのきいたモダンブリティッシュを表現する要素になる。
「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」のサービスを行う店舗奥のエリア。既成のスーツやベルト、タイも用意されている。

ノッティングヒルのアトリエを思わせる、店舗を越えた空間がそこにある。

最新コレクションで飾られた店舗内中央部分、このスペースを活用したイベントも予定されている。
入り口付近には今季のコレクションに加え、シューズやバッグ、アクセサリーの最新アイテムが並ぶ。

改めて店内の構成要素を説明すると、ポール・スミスではお馴染みのアートウォールや、世界中から集められたヴィンテージ家具が配置され、遊び心がある居心地の良い空間が広がっている。コラボレーションアイテムやシューズ、アクセサリーを含む最新コレクションが並ぶ入り口部分は、商品構成や展示の仕方によって、ポール・スミスのポップさがより強調され、モジュラーで変化するイベントなども開催する中央部分はギャラリーのようなクールな印象、そしてスーツをはじめとするフォーマルアイテムが並ぶ店舗奥はやさしいインテリアでくつろぎ感がいっぱいだ。そんな3エリアで構成されている。

2019年秋冬コレクションのキープリントとしても登場するレオパード柄の大阪店限定Tシャツ¥20,000、スウェットシャツ¥30,000、コットンバッグ¥12,000などを発売。(価格はすべて税込み)
ダッド、ハイテク、ベーシックまで揃うスニーカー。スニーカーブランドとのとのコラボモデルも積極的に展開する。

またオープンを記念した大阪店限定アイテムの存在も忘れてはならない。レオパード柄を裏地にあしらったカシミヤ100%のテーラードジャケットやコート、トートバッグがラインアップするほか、レオパード柄のスウェットシャツなど“大阪らしい”ものが用意されている。

レザー小物にイニシャルやモチーフを刻印する常設サービスも、全国のショップに先駆けて展開。毎日使うアイテムに“自分印”を刻めば、愛着はいっそう増すに違いない。


デンツやクロケット&ジョーンズなど英国紳士御用達ブランドとの別注アイテムも揃う。

広々してすっきりした印象の店内だが、インテリアを含めた世界観はポール・スミスの美意識そのもので、もちろんそこここに彼が愛する家具や絵画が配置されている。特に一番奥にある、「メイド トゥメジャー(Made to Measure)」を扱うエリアは、50年代のイタリア製ソファーやデンマーク製のコーヒーテーブルが配され、ロンドンのノッティングヒルにある、邸宅を改装したアトリエか自宅のリビングに招かれたような錯覚を覚えるぐらい居心地のよい空間だ。

伝統とモダンを融合させたポール・スミスの服づくりのように、この店舗もお洒落でモダンな要素とクラッシックで居心地の良い要素が見事に融合した素晴らしい空間に仕上がっている。

世界中の店舗でおなじみのアートウォール。英国の抽象画家デリック・ラティマー・セイヤ―の作品をはじめマティス、ミロなどのプリントが並ぶ。
ブランドショップが並ぶこのエリアでもひと際目を引くブルーのファサードが印象的だ。

ポール・スミス大阪店
住所:大阪府大阪市中央区南船場3-10-19
TEL:06・6241・2330
営業時間:11時〜20時 水曜不定休