イタリアメイドの味付けが魅力の「フェリージ」のバッグを、古澤一記シェフが体感します。

  • 写真: 森山将人(mili)
  • 文:佐野慎悟

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歴史と芸術に彩られたイタリアの小都市、フェラーラで創業したバッグ&ベルトブランドの「フェリージ」。イタリア暮らしの経験もあるシェフ、古澤一記さんに、伝統的かつ洗練されたデザイン、確かなクラフツマンシップを体感してもらい、その魅力について語っていただきました。

トートバッグ「18/20/DS」(W33×H39×D13㎝)¥74,520/フェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

2000年にイタリアへ渡り、約10年間、現地で料理人やソムリエとして腕を磨いた鎌倉の人気イタリアン「OLTREVINO(オルトレヴィーノ)」の古澤一記シェフ。提供する料理やサービスと同様、“心地よさ”を生むイタリアのものづくりの本質を知る人物です。キッチンに立つ時間以外にも、食材の調達、試飲会への参加、日本とイタリアの往復と、忙しい毎日を送る古澤さんですが、その審美眼は身に着けるものの選び方にも通じます。「イタリアで感じたのは、人々が流行にとらわれずに、自身の価値観やスタイルを貫くさま」と語る古澤さんが、いま考える理想のバッグとは?

使いやすくエレガントで、ワインボトルもすっぽり納まる。

トートバッグ「18/20/DS」(W33×H39×D13㎝)¥74,520/フェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

イタリアにわたり、トスカーナ、サルデーニャ、エミリア=ロマーニャ、プーリアなどの名店やワイナリーなどで10年間修業し、シェフやソムリエを務めた古澤一記シェフ。帰国後にオープンした鎌倉の「OLTREVINO(オルトレヴィーノ)」は、ワインをおいしく楽しむための料理や食材などすべてが揃う“エノガストロノミア”というスタイルを打ち出した人気店です。

「ソムリエの仕事として試飲会などに招かれる場合は、ワインのボトルを数本、バッグに入れて移動することもあります。このトートバッグはやや縦長で深さがあるので、ボトルもすっぽり納まりそうでいいですね」

ショルダーバッグ「18/19/DS」(W32×H25×D11㎝)¥55,080/フェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

イタリアの人々がもつ魅力のひとつに、「流行りをその時々で楽しむことはあっても、根本のところで自身の好みやスタイルを貫いている」という点を指摘する古澤さん。「そういう意味で、イタリアの職人がつくるものはベースとなる質の高さにブレがありません」と語ります。

古澤さんは、このフェリージのショルダーバッグにも同様の魅力を感じたようです。

「調理器具や食材などの仕事道具をバッグに入れて持ち歩く際、やわらかなナイロン素材は相性がいいんです。このバッグの素材は、きめ細かくなめらかで、上品な光沢があってエレガントな印象です。機能美がにじみ出ていますね」

ナイロン素材は使いやすいというメリットがある反面、カジュアルすぎたり、時にチープに見えてしまうことも。しかし、フェリージのバッグでは随所に用いた革がそんな印象を払拭。ナイロンと革の組み合わせが洗練された雰囲気を醸します。バケッタレザーと呼ばれるこの革は、イタリアのトスカーナで古くから伝わる伝統製法により、一カ月以上もかけて手作業でつくられるもの。

古澤さんもバッグをしげしげと見つめ、「エレガントな感じのまま、ナイロンの便利さを享受できるのがいいですね。背面には外ポケットが付いていますし、チケットや携帯電話などの出し入れもスマートにできるでしょう」と、使い手の気持ちを考えたつくりを評価します。

用途が異なればバッグの持ち方も変わります。たとえば、はじめに紹介した縦長のトートバッグなら、ハンドルに腕を通してスタイリッシュに持つことも、付属のショルダーストラップを装着して両手をフリーにすることも可能です。古澤さんの場合、生産者のもとを訪ねると、行きより帰りのほうが荷物が増えることが多いので、重い荷物もしっかり支えられるストラップは、バッグ選びの重要なポイントになるそうです。

左:ショルダーバッグ「17/64/DS」(W40×H27×D10㎝)¥57,240、右:トートバッグ「14/26/DS」(W40×H31×D14㎝)¥59,400/ともにフェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

豊富なラインアップが揃うフェリージのバッグコレクションでは、ナイロンとレザーを組み合わせたアイテムをほかにも展開しています。上の写真、左のショルダーバッグは、A4サイズの書類がゆったり入る大きさで、無駄を配したシンプルな佇まいが魅力的。コーディネートを選ばず、ジャケットスタイルにもマッチします。写真の右、ハンドル高が約18cmと肩がけできるトートバッグは、バッグの縁にレザーのパイピングが施され、マチがしっかり設けられているため、型崩れに強いデザイン。どちらもイタリアの上質なつくりを実感できます。

遊び心を感じるモノグラムが、旅の気分を盛り上げる。

トロリーバッグ「M03/MG+A」(W39×H52×D18㎝)¥237,600/フェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

いまでも年に1〜2回、イタリアに戻ってまとまった時間を過ごすという古澤一記シェフ。

「いろいろなお店を訪ねて情報を仕入れたり、18年来の友人たちと再開したりと過ごし方はさまざまですが、基本的には自分の中の空気を入れ替えるのが大きな目的です。忘れてしまいがちな感覚が取り戻せるんです」

そんな古澤さんの旅の定番は、トロリーバッグ1個だけで動くスタイルです。

「先に荷物を詰めたスーツケースを空港まで送り、空港で引き取ってそのまますぐチェックインに預け、その後はトローリーバッグひとつで移動します。小さいカバンとかもすべてその中に入れてしまいます。そのほうが楽だし、スマートじゃないですか。身軽だと空港にいても楽しいんですよ」

「プライベートでは、シンプルな黒のトロリーバッグを使っているのですが、モノグラムを採用したこのフェリージのバッグを見た時、“素敵だな”と思いました」

普段の服装では、あまり柄など多く取り入れるのは自分らしくないと感じている古澤さんも、たまに使う小物だからこそ、少し遊び心の感じるものを取り入れるのが楽しいのだと言います。その言葉が示す通り、グレーでまとめたシックな着こなしに、フェリージのトロリーバッグはちょうどいいアクセントとなっています。さらに、機内持ち込み可能なサイズで、縦持ち、横持ちの両方が可能です。

使い手のことを考えた細かな心配りは、このトロリーバッグにも見受けられます。3段階の高さに調節可能な引き手は内部に完全収納できるため、サイドハンドルを使って横持ちした時もスマートさを失いません。シルクのような風合い、なめらかな質感のナイロンに施されたプリントは、ジオメトリカル・パターンのモノグラムです。フェリージのブランドロゴにある、中世フェラーラ貴族のフェリージ家紋章に描かれている「盾」と、筆記体のタイポグラフィー「Felisi」の文字が繰り返します。

「グラフィカルなつくりがお洒落ですね。長旅でもずっと楽しい気分でいられそう」

トロリーバッグの底鋲には真鍮素材を採用。高精細なプリントや伝統的なナチュラルレザーとあいまって、レトロ&モダンな印象をかもし出します。

「こういう細部の仕様も旅の気分を盛り上げますよね。そもそも旅立つ前にバッグに荷物を整理しながら入れていくことが好きなんです。ここにこれを入れるとぴったりはまる、なんて考えながら。旅先に思いを馳せるのも楽しいですし。これって、料理の下ごしらえと似ているのかもしれませんね」

左から、トロリーバッグ「M03/MG+A」(W39×H52×D18㎝)¥237,600、3WAYビジネスバッグ「1735/1/DS+DS+A006」(W42×H30×D10㎝)¥100,440、トートバッグ「17/44/PF+A」(W36×H29×D13㎝)¥64,800/すべてフェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

トロリーバッグ以外にも、フェリージのコレクションから気になるアイテムを選んでくれた古澤さん。シーンに応じて「持つ」「かける」「背負う」の使い分けができる多機能3WAYビジネスバッグを手に、シェフとして生産者のもとを訪れる際や、休みの日に地元鎌倉の自然豊かな場所に足を運ぶ際に使いたい、と興味深々。また、スーツ姿やフォーマルな場に合うバッグとして選んだコーティングツイル×バケッタレザーのトートバッグは、素材に少し遊びをもたせた感じがお気に入りとのこと。自分の価値観やスタイルに合わせて最適なバッグと出合える、それも豊富なラインアップが揃うフェリージならではの魅力です。

●問い合わせ先/フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912
www.felisi.net