クリエイターのライフスタイルに寄り添う、「フェリージ」のバッグがもつ魅力。

  • 写真: 森山将人(mili)
  • スタイリング:河又雅俊
  • 文:佐野慎悟

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洗練されたデザインや、確かなクラフツマンシップに裏打ちされたバッグ&レザーブランドの「フェリージ」。新作コレクションを写真家・江森康之さんに体感してもらい、その魅力について語ってもらいました。

リュックサック「17/51/DS+DS+NK004」(W31×H42×D14㎝)¥105,840/フェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

自分の表現に向き合い、日々感覚を研ぎ澄ましているクリエイターたちは、もの選びに対するこだわりも人並みではありません。たとえそれが流行りのものだとしても、高級なブランドものだとしても、ブレない価値基準があるからこそ、それぞれのスタイルが浮かび上がります。写真家の江森康之さんも、そんな厳しい目をもつクリエイターのひとり。ひとつの物を長年使い続けることが多い江森さんの、愛用したくなるバッグの条件とは?

飽きのこない、上品でクラシカルなデザイン

「僕はバイクや自転車にも乗りますし、街中を歩いている時もスナップ写真を撮ったりするので、普段は両手が空くバックパックを使うことが多いです」
服もバッグも一度気に入ると、とことん使い倒すという江森さん。シーンを選ばずに使える汎用性の高さが、物選びの重要なポイントだそうです。
「旅をする時も最小限の荷物で過ごすタイプなので、こんな感じのバックパックがひとつあれば、長旅でもまったく問題ありません」

「服もバッグも奇抜なデザインのものは好きじゃなくて、いい意味で主張しないものばかりを選んで使っています。以前は写真でも自分の主張を強く出していたこともありますが、いまは被写体の魅力を写す鏡になるイメージに近い。その感覚が物選びにも表れていると思います。このバッグみたいにレザーや真鍮のパーツで品のある雰囲気を引き出してくれたり、欲しいと思うところに当然のようにポケットがあったりと、自分にさりげなく寄り添ってくれるものがいちばんいいですよね」

江森さんがもっとも気に入っていたディテールが、こちらの真鍮製の差し込み錠。
「飽きのこないクラシカルなデザインだし、これがあることでバックパックでも上品に見える。差し込み錠を閉めたり開けたりする動作を手間と思う人もいるかもしれませんが、逆にそこが魅力でもあるんです。カメラでもフィルムを巻いたりフォーカスを合わせたり、そのひと手間があればこそ撮影にテンポやメリハリが生まれます」

丈夫な高密度ナイロンのボディに、レザーや真鍮のパーツを組み合わせたバックパック。サイドのジップを開ければマチ幅が拡張するので、荷物が増えてもスタイリッシュな表情はそのまま。内部にあしらったトルトラカラーが、ほどよいアクセントにもなります。
「最小限の荷物で旅に出るので、防寒具などは旅先で購入することがほとんどです。だから突然荷物が増えた時に、バッグの容量を拡大できるのは非常に便利ですね」

上から時計回りに、リュックサック「17/51/DS+DS+NK004」(W31×H42×D14㎝)¥105,840、トートバッグ「17/39/DS+NK」(W37×H40×D13㎝) ¥89,640、トートバッグ 「17/46/DS+NK」(W43×H32×D15㎝)¥89,640、クラッチバッグ「1305/DS+NK」(W35×27×D2㎝)¥59,400/すべてフェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

カジュアルに使えるナイロンバッグをベースとしながら、レザーや真鍮のパーツがさりげなく高級感を添える新作コレクション。トルトラとブラックのカラーコーディネートも、大人のデイリースタイルを上品にブラッシュアップしてくれます。アイコンのブランドロゴは荷室の内側に施され、フェイスデザインはあくまでミニマルに。差し込み錠はアーカイブのデザインをベースに、ビッグサイズにモディファイしています。

カジュアルなのに品よく見える、自分らしいスタイル

「食事会みたいな、ちゃんとした格好で臨みたいシチュエーションでも、やっぱり自分らしさは大事にしています。ただ普段のままではだらしなく見えてしまうし、逆にかしこまりすぎても落ち着かない。だからカジュアルなのに上品に見えるっていう、絶妙なバランス感が重要になります。華美な装飾に頼ることなく、機能美が凝縮されたようなこのボストンバッグは、自分の価値観に合う理想的なデザインですね」

「カメラは使い込んでいくうちに自分の手の形に馴染んでくるものですが、カメラ以外の道具でも、徐々に身体に馴染むようなものが好きです。特にこういう自然な風合いのバケッタレザーは、数年後の表情の変化が楽しみですよね。僕は傷も汚れも革のヨレも味わいとして楽しめるタイプなので、雨の日でも気にせずにレザーアイテムを使っています。常に使っていればまた手のアブラが染み込んでいくから、なにより使うことがいちばんのメンテナンスになると思っています(笑)」

やわらかい高密度ナイロンをボディに採用したボストンバッグは、荷物をすべて取り出せばコンパクトに折りたたむこともできます。もちろん軽量なつくりな上にシワにもなりにくく、旅先で使うバッグとして、スーツケースの中に入れてもかさばりません。近年ではあえて荷物を少なめに入れて、薄マチのブリーフケースのように使うスタイルも注目されています。フェリージのバッグに使われているパーツはほぼすべてがオリジナルなので、壊れたら新品のパーツと取り替えて、長く愛用することも可能です。

「大小さまざまな形状をしたカメラの機材を持ち運ぶ時に、間仕切りのない大容量のバッグはとても便利です。さすがにレンズなどの繊細な機材は専用のバッグを使いますが、そのほかにも重くて硬いものが多いので、この丈夫なナイロンボディは心強いですね」。
両端に取り付けられたフラップを革紐で結び荷物を固定することで、バッグの中で荷物が動いてぶつかり合うことも防げます。

ラゲッジ「P4/DS」(W41×H25×D22㎝)各¥71,280/すべてフェリージ(フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912)

定番のボストンバッグ「P4」は、フェリージの創業当時に修理工具やサンプルを持ち運ぶために使われていた、業務用バッグを現代的に再解釈したもの。当初はレザーやキャンバス素材でつくられていた質実剛健な仕事道具を運ぶカバンは、シルクのような高密度ナイロンと、ナチュラルなレザーのコントラストによってモダンな表情に生まれ変わりました。機能性に特化したつくりはそのままに、使う場面を選ばない上品なデザイン性を楽しめます。

(1ページ目、2ページ目)ニット¥19,440、パンツ¥12,960/ともにユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 銀座店 TEL:03-3562-7798) スカーフ¥21,600/ピエール=ルイ・マシア(ラ ガゼッタ 1987 青山店 TEL:03-5468-5330) アンティークウォッチ¥205,200/カルティエ(江口時計店 TEL:0120-963-455)
(3ページ目)ジャケット¥37,800/サルヴァトーレ ピッコロ(ラ ガゼッタ 1987 青山店 TEL:03-5468-5330) Tシャツ¥6,480、パンツ¥15,120/ともにユナイテッドアローズ、シューズ¥70,200/パラブーツ(すべてユナイテッドアローズ 銀座店 TEL:03-3562-7798) メガネ¥32,400/イエローズプラス(コンティニュエ TEL:03-3792-8978)





●問い合わせ先/フェリージ 青山店 TEL:03-3498-6912
www.felisi.net