Feature Culture EXILE 橘ケンチに訊く、三国志の魅力。

EXILE 橘ケンチに訊く、三国志の魅力。

写真、動画:岡村昌宏(CROSSOVER) 文:遠藤和呼 動画ディレクション:谷山武士

歴史に残る大傑作は、さまざまな分野で活躍するクリエイターたちに刺激をもたらしています。呉の初代皇帝となった孫権を舞台で好演したEXILE 橘ケンチに、三国志への熱き想いを存分に語ってもらいました。


2009年にEXILEにパフォーマーとして加入した橘ケンチさんは、役者としても活躍しており、その演技力が高く評価されています。なかでも11年には『レッドクリフ~戦~』という舞台で、呉の初代皇帝となった孫権を好演しました。
「その1年ほど前に、MAKIDAIさんから漫画『蒼天航路』を薦められたんですよね。その後まもなく、三国志の舞台があるので出演しないかと誘われたのです。まだ役者らしい経験もないのに、孫権という重要な役をオファーされたので、とにかく一生懸命やろうと、ただそれだけを考えましたね」

EXILEにたとえると、曹操はHIROさんです。

『蒼天航路』は、『三国志演義』で悪者とされている曹操を主人公とした長編マンガ。1994年~2005年まで連載され、単行本は全36巻におよびます。

「この漫画は曹操の人間性が克明に表現されています。たとえば、父親が山賊に襲撃されて死ぬ場面では『俺を守る庇がなくなった』と嘆く。あれほどの英雄でも僕たちと同じ感覚をもっていたとわかるんですよね。冷酷で残虐なイメージが強い曹操ですが、この作品では彼の光と影の両方が見事に描かれていて、実に奥深いのです」

ただし、橘さんが舞台で演じた呉の孫権は、『蒼天航路』では詳しく描かれていない。そこで橘さんは台本にあったひとつのセリフから役をイメージしていった。

「『孫家は代々勇壮になる』というセリフがあって、これだ! と思いました。EXILEに置き換えれば、HIROさんやMAKIDAIさんという初代メンバーがいて、2代目・3代目の僕らがいて、さらに下の世代につながっていく。孫家のように血のつながりはないけれど、EXILEのカルチャーや男気を継承していくという感覚は完全にリンクすると思いました」

共演したMAKIDAIさんと三国志について話し合うこともあり、その登場人物をEXILEメンバーにたとえるなら、曹操は間違いなくHIROさん、と一致したといいます。

「HIROさんは夢をもつ心優しいリアリスト。いい意味で曹操のようにカリスマであり、カッコいいんです。僕は誰かなぁ……。劉備でも関羽でもないですが、曹操の懐刀と言われた荀彧が妥当なところでしょうか」

橘さんはEXILEでの活動の一方、2017年にネット上に「たちばな書店」を開設。当然ながら、『蒼天航路』は推薦図書に挙げられています。

「基本的には国盗りの物語ですが、人間関係も興味深い。友情や愛もあれば裏切りもあって、これは現代にも通じることなので、自分に置き換えて読むと面白いですよね。また、仕事の現場はある意味で戦場とも言えますから、自分を奮い立たせるヒントやパワーを得ることもできるはずです。『蒼天航路』は、心に迫ってくる味わいのある言葉がふんだんに詰まっている、僕のバイブルと言えますね」

EXILE 橘ケンチに訊く、三国志の魅力。

橘ケンチ EXILE/EXILE THE SECONDパフォーマー。神奈川県生まれ。2009年、EXILEにパフォーマーとして加入。11年からEXILE THE SECONDとしても活動中。17年に主演を務めた舞台『幽劇』は東京、中国・上海でも上演。19年6〜7月に京極夏彦作『魍魎の匣』で主演。

EXILE 橘ケンチに訊く、三国志の魅力。

アクションシーンも人気を呼んだ、舞台『レッドクリフ~戦~』 主役の曹操をMAKIDAIさん、孫権を橘さんが演じた、激しいアクションが話題に。「役づくりのため『蒼天航路』の作者・王欣太さんのアトリエを訪問。サイン入り画集をいただいたのが印象深い思い出です」。作品はふたつあり、ふたりが出演した『戦編』は漫画『蒼天航路』を。AKIRAさんが呉の周瑜、その妻の小喬を台湾出身の女優リン・チーリンさんが演じた『愛編』は映画『レッドクリフ』をベースにしています。

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