Feature Culture 速水健朗の文化的東京案内。【深川篇①『ロングバケーション』】

速水健朗の文化的東京案内。【深川篇①『ロングバケーション』】

文:速水健朗 写真:柏田テツヲ 

2020年のオリンピックに向けスクラップ・アンド・ビルドを繰り返す東京を、ライターの速水健朗さんが案内。過去のドラマや映画、小説などを通して、埋もれた東京の歴史を掘り起こします。初回は深川エリア。アートシーンやサードウェーブコーヒーで盛り上がるこの地が、水辺を軸にどのような変遷をたどってきたのかひも解きます。この連載は毎月第1・第2・第3水曜、夜9時公開です。

速水健朗の文化的東京案内。【深川篇①『ロングバケーション』】

速水健朗(はやみず・けんろう)●1973年、石川県生まれ。ライター、編集者。文学から映画、都市論、メディア論、ショッピングモール研究など幅広く論じる。著書に『東京どこに住む?』『フード左翼とフード右翼』などがある。

明治や大正から続く老舗の蕎麦屋や和菓子屋が並ぶ一方で、最近では若い世代によるギャラリーやコーヒーショップも増えた深川。このエリアの歴史を振り返るにあたり、速水さんが最初に向かったのは新大橋でした。橋のたもと近くの堤防に佇み、ゆったりと流れる隅田川を眺めながら語ります。「実はここ数年の東東京ブームが来る以前から、深川は一部で注目されていたんですよね。隅田川をパリのセーヌ川に見立てたりして」

今回、速水さんがこの地をひも解くにあたって引き合いに出したのは、90年代後半に絶大な人気を誇ったテレビドラマと、明治末期の新進芸術家たちが集まる会合でした。早速、その話を聴いてみましょう。

1 / 3p
Feature Culture 速水健朗の文化的東京案内。【深川篇①『ロングバケーション』】