テイクアウトや宅配できる店が一目瞭然! アプリ「Savethetabl...

テイクアウトや宅配できる店が一目瞭然! アプリ「Savethetables!」で飲食店を応援しよう。

テイクアウトや宅配できる店が一目瞭然! アプリ「Savethetables!」で飲食店を応援しよう。

「Save!the tables!」が提供するウェブアプリ。テイクアウト、デリバリー、宅配、クラウドファンディング、ワインやお酒の購入などを通じ、日本の食を応援できる情報・応援のインフラになることを目的としている。アプリのロゴのアートディレクションは水野図案室の水野佳史が手がけた。上から「お」「い」「しー」という口の形とテーブルがハートに繋がっていくことを表現している。

Pen Onlineの連載「ワインは、自然派。」を執筆している鹿取みゆきです。


私が新型コロナウイルスを意識したのは、2020年1月の終わりか2月の初めの頃。当初はまさかこんな事態になるとは、思ってもいなかった。しかし、3月中旬を過ぎた頃になると、これは日本の飲食店にも深刻な影響を与え出すに違いない、そのために書き手として、いったいなにができるだろうと思い始めた。


そして3月20日。アリス・フャイヤリングの記事を目にした。フャイヤリングは、ナチュラルワインの書き手として世界的に知られる気鋭ジャーナリスト。彼女は、読み手にこう問いかけていた。
「いま、この時に飲むべきワインはなにか?」
その記事には、ワインを購入したり飲んだりすることで、苦境に立たされた飲食店やワイナリーをサポートできるのではないかといったことが書いてあった。さらに目を引いたのが、当座の現金を確保するため、ワインの販売を始めたレストランをマッピングした地図だった。


予想通り、日本でもその後、飲食店の経営状態は急激に悪化。何百件という予約のキャンセルがあった、お客さんがゼロという営業日があったなど、多くの飲食店が悲鳴をあげだしていた。一方で、こうした状況を少しでも打開しようとテイクアウトを始める店があることを知った。ならば、どの店がテイクアウトをしているのかがひと目でわかるマップを作れば、助けになるのではと思ったのだ。


そんな考えに賛同したソムリエの蜂須賀紀子、料理人で台風19号の被害を受けたリンゴ農家への支援活動を行ったクックフォージャパン広報の石川雄一郎と、ワインジャーナリストである私、鹿取みゆきを発起人に「#Saverestaurants!」のプロジェクトがスタートした。プロジェクトは、約80人のボランティアのチームで運営されている。


プロジェクトは、テイクアウトを行っている飲食店の全国版マップを掲載するウェブサイト(現在はアプリ)の運営。これに加えて、食べ手や飲食店に役立つ情報をツイッター、インスタグラム、noteで発信する。マップでは、提供する料理のジャンルに加えて、テイクアウト、デリバリー、ウーバーイーツへの対応の有無についても記載し、現在の店舗掲載数は4000件を超える。


ウェブがスタートしたのが4月2日。それから2カ月あまりたち、緊急事態宣言は解除されたものの、客足がコロナ危機以前の状態に戻るわけではなく、依然として飲食店は厳しい状況にある。テイクアウトを行う飲食店を紹介するサイトは激増。営業再開する傍ら、テイクアウトだけではなく「そうざい製造免許」を取得してデリバリーや通販に乗り出す店も出てきた。「料飲店等期限付酒類小売業免許」を取得して、料理だけではなくワインや日本酒のボトル販売、量り売りを始める店も多い。


一方、飲食店の売り上げが激減する中で、生産者たちの状況も深刻だ。たとえば、日本のワイナリー。売り上げ5割減どころか、7割、8割減のワイナリーも。存亡の危機にあるところも出てきている。大型連休中での売り上げを期待していたワイナリーや、設立されたばかりのところは打撃が大きい。


刻々と状況が変化する中、必要とされる情報も当然変わる。「#Saverestaurants!」の活動も将来を見据えて、名称を変更。すべての人たちの食卓を豊かにしたいという願いを込めて「Savethetables!」(ST)とした。そして、形態をウェブサイトからアプリに移行した。アプリには、テイクアウトマップに加えて、飲食店の通販ページ、日本ワイン購入マップ(ネットショップを開設している日本のワイナリーがマップから検索可能。ワイナリー+委託醸造でワインをつくっている生産者を含む)、さらには、飲食店を応援するためのクラウドファンディングマップも用意されている。日本ワイン購入マップは、現在の370軒の生産者のネットショプが検索きる。


私たちが目指すのは、すべての人のための豊かな食だ。レストランや馴染みの居酒屋での食事、テイクアウトやデリバリーした料理を家で食べる食事、そしてある時は自ら腕を振るった料理での自宅での食事。そのどれもが大切。そうした意味でも、料理人、ソムリエ、サービスマン、生産者(野菜や果樹の農家、畜産農家、ワインやチーズのつくり手など)を支援していく。そして、飲食店や生産者と食べ手・飲み手の関係をつなぎ、食の生産の循環を支えていこうと考えている。


いまこそ、日本の食卓を守るために、飲食店・生産者を、食べて飲んで応援してほしい。 (文:鹿取みゆき)


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