世田谷エリアに自然派ワインの角打ち酒屋「no.502」がオープン
最寄駅は小田急線千歳船橋駅。店のシンボル的なオブジェは、実はワインに欠かせないコルクの自然木だ。
オリジナルの米やスパイスなど、選び抜かれた食材が並ぶ物販スペース。朝9時から夜9時まで、ワインと共に買い物できる。
海外ロケ華やかりしき頃、LAのロケではいつも古着屋を覗いた。日本では既に高騰しつつあったリーバイスが、まだ普通の価格で手に入ったからだ。でも、いつ頃からだろう、急にタグの価格が変わり始めた。よく見ると「akamimi」とローマ字で表記されている、明らかに日本人向けだった。
「ビッグE」や「ダブルX」ばかりでなく、安価だった「66」モデルすら高くなって、僕は501から遠ざかり、まだ安心価格だった502を探した。
2016年12月、渋谷神宮前にオープンした自然派ワインの角打ち酒屋「no.501」の新店舗が「no.502」だと聞いて、相変わらずのネーミングセンスに開店する前からワクワクした。
もともと店名の由来は、実はジーンズではなく調合剤。自然派ワインの造り手たちが、月の満ち欠けに従って農作業を進める時に使うものだ。すべて天然の物質から作られ500から508まであるが、501からスタートしたのは、著名なジーンズとのダブルミーニングに違いない。
世界各国から厳選された自然派ワインが並ぶセラーは、エチケットを見ているだけでも時間を忘れてしまう。
京都・宇治の知人の茶園から届く玉露は、驚くほど豊潤な味わい。煎茶のほか、抹茶も用意され、イートインで試すこともできる。
2020年11月30日にグランドオープンした「no.502(ナンバー・ゴーマルニ)」は、「no.501」の世界観やエッセンスを引き継ぎながら、よりスケールアップした営業形態で、閑静な住宅地に優しい句読点を打とうとしている。
フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、チェコ、スロバキア、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、そして日本などのボーダレスな自然派ワインのセレクトに加えて、ここでは京都宇治から届く有機栽培の日本茶を使ったドリンクメニューなども用意されている。
自然派ワインの造り手が手がけたオリーブオイルや、オリジナルワインである「みどりちゃん」の葡萄を作っている、広島の障害者施設の方々が作っているお米など、こだわりの食材が並ぶ。小売コーナーは今後ますますパワーアップする予定で、オリジナルグッズやギフトなども企画中だ。
木造の古民家を改造した店内は、2階に上がるとスタイリッシュなイートインスペース。窓から差し込む陽光が心地いい。
日本家屋の良さを残しながらリノベーションされた空間は、自然派ワインの酔いのように優しい時間を運んでくれる。
様々な国から届けられた自然派ワインのラインナップは、no.501同様、圧巻のセレクション。右はオリジナルワインの「みどりちゃん」。
ひよこ豆で作る中東風コロッケ。低温調理した鶏肉のベトナム風サラダ。塩麹で調味した発酵ミートボールなど、デリはどれも優しい味わい。
地球環境に考慮するため、テイクアウトには容器持参を推奨。持ってない方には、デポジット制の貸出ボックスが用意されている。
2人の日本人と、スコットランド人のシェフ。エスニックからイタリアン、和まで、オールラウンドな厨房のスタッフたち。
スコットランド人と日本人、男女のシェフによるフードメニューは、イートインでのワインに合う本格的な食事から、デリなどのテイクアウト可能なお惣菜まで幅広く用意されている。
優しい味付けの惣菜は、ボーダレスでジェンダーレス、そしてエイジレス。子どもたちの舌にも優しく、すべての人に喜んでもらうための配慮がなされている。身体にすっと沁みて行く自然派ワインを中心に、既存のワイン店とは一線を画すスタイルを目指す「no.502」。世田谷エリアのワイン好きたちには、見逃せない場所が完成した。
厳選された食材と調味料で作られる惣菜は、どれも身体に優しく、自然に優しいものばかりだ。
シンボルのコルクの上に、閑静な住宅地のシルエットが映り込む。神宮前とは違う、世田谷ならではの地域密着型のワインショップの誕生だ。
no.502
東京都世田谷区桜丘5-16-9 1F
TEL：03-6413-5550
Instagram：@no.502.bottletokyo
Facebook：no.502.bottletokyo
