バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

すべてにこだわった氷柱角ハイボール500円は、おかわり2杯目300円、おかわり3杯目以降は200円になる。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

古典酒場を彷彿とさせる巨大なコの字カウンターが、一人飲みでも一体感とライブ感を与えてくれる。

最初は赤だった、酒の味も分からないまま甘いコーラで割って飲んだ。まだ、永ちゃんのヒット曲はなかったから、ウィスキーコーク♫なんて、カッコいい名前はなかった、コークハイが僕らの旅の始まりだった。


やがて、赤が白に変わり、角に変わった時、大人になったような気がした。でも、先輩たちに連れて行かれたブルーヴェルベットのスツールで飲む、薄いオールドの水割りだけには馴染めなかった。


冷蔵庫の氷のせいか、やたらと継ぎ足そうとする綺麗なお姉さんたちの忙し無さのせいか、本当はおいしいはずのウイスキーが青い喉には響かなかった。


そんなある日、蔦に包まれた洋酒の名前のバーのドアを叩いた。カウンターに1人立つ老人は、母校の先輩だった。東京の湯島にある高名なバーも、彼の後輩だと言う。蝶ネクタイの正装に緊張し、オーダーに迷う後輩にバーテンダーは黙ってグラスを置いた。


「ハイボールです」

その夜の鮮烈な想いが神田駅そばの地下で、くっきりと脳裏に甦ってきた。それは、あの夜と同じ角のハイボールだった。薄いグラスに寄り添う、1つだけの氷、シャンパーニュのように泡が途絶えない琥珀色の陶酔。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

神田駅西口からすぐ、ほぼ一日中酒も、食事も楽しめるニューノーマルな酒場への階段。お一人様歓迎の赤文字に感動。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

テーブル席も用意されていて、親は酒、子供たちは食事というファミリー連れも楽しむことができる。

かつて、ウイスキーは庶民の憧れだった。下町では、甲類焼酎の炭酸割りに梅エキスで色を付け、琥珀色の液体に変容させた。今でも立石や浅草あたりでは、琥珀色の焼酎ハイボールが多くの人たちを酔わせている。


石川さゆりのオリジナルから、ハナレグミ、田島貴男、クラムボン、折坂悠太と様々なヴァージョンで展開する角ハイのCM(ウイスキーが、お好きでしょ)あたりから、ハイボールは再び世のメインストリームに帰ってきた。大衆酒場の暖簾を潜る若者たちの多くも、一杯目のコールにハイボールを選んでいる。


しかし、ハイボールが溢れる世の中だからこそ、バー・クオリティーの正統なハイボールを知ってほしい。「ダルマ」は国産ウイスキー大手のサントリーが、真っ向からウイスキーのおいしさをプレゼンテーションする酒場だ。水も、氷も、とびっきりの強炭酸もバー・クオリティー、しかし、酒場だからリーズナブルな価格設定、ウイスキーに合うつまみもたくさん用意されている。


ダルマは、ウイスキーという酒を最高のクオリティーで体験する場だ。ホテルのバーのように、ウイスキーに出会う場所は洋風なシチュエーションが多い。しかし、国民の酒になったハイボールだからこそ、コの字酒場という和の典型的な形を目指した。昨今、街に溢れるネオ大衆酒場ではなく、より正統的な古典酒場のスタイルだ。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

酒燗器で仕上げる知多のお湯割り690円は、まだ知らなかったウイスキーの魅力を教えてくれる。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

チャーシューがトッピングされたポテトサラダ450円、このほかにも冷やっこや枝豆などの早出しメニューも豊富。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

オイルサーディン590円は、ウイスキーが出されるバーでは古くから愛されているメニュー。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

小と大が並んでいる店名にちなんだダルマつくね串は、1本90円(注文は3本から)とリーズナブル。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

大衆酒場の定番、牛すじ煮込み490円は豆腐入り。ほかにも、定番のメニューがリーズナブルな価格で並ぶ。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

トラフグの刺身である「てっさ」が490円で食べられるほか、本マグロのぶつ盛りも490円。刺身三点盛りでさえ690円で出している。

およそハイボールほど、作り手のこだわりの違いが出る酒はない。グラスの中には、ウイスキーと氷、炭酸、ただそれだけの組み合わせだからこそ、その味には大きな差が出る。ハイボール酒場を謳うダルマは、その組み合わせに徹底的にこだわっている。


グラスは、すべてのグラスを手作りで製造する「うすはり」で有名な松徳硝子。ウイスキーの味わいを舌に届けてくれる酒器として、これ以上のものは望めないだろう。


氷は、もちろんバー・クオリティーの氷柱。バーにあって、居酒屋にないものの典型がバーテンダーがグラスに合わせて、氷柱から切り出す氷だ。ダルマでは、昔ながらの氷屋に、1個でグラスを満たす氷柱を特注している。もちろん、原価率は高くなるが、複数杯、そのままの氷で飲んでもらうことで氷代をペイ。客も杯を重ねるごとに安くなるシステムを楽しんでいる。


炭酸は瓶やペットボトルから注ぐのではなく、カウンター下の炭酸ガスボンベから送られる。もちろん、ペットボトルには詰められないほどのガス圧だ。そのためダルマのハイボールの泡は、シャンパーニュのようにいつまでも途絶えることがない。


加えて、水との相性がいいオールドは前割りの水割りで供される。本来、芋焼酎などをまろやかに飲むための前割りは、慣れ親しんだオールドの水割りに新しい魅力を生み出している。


グレーンウイスキーである知多は、お湯割りで供される。酒燗器で65度に保たれたお湯割りからは、とうもろこし本来の甘さが漂い、日本人の舌に合うウイスキーであることを再認識する。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

一日中食べられる豚の生姜焼き定食990円、ほかにも若鷄唐揚げ、チキン南蛮、銀鱈の西京焼きなど、様々な定食が用意されている。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

合鴨の山椒なべ990円のほか、牛すじとチーズのグラタン590円、燻製帆立の茶碗蒸し690円など、一品メニューも充実。

豊富に用意された酒場のつまみも、ダルマの大きな魅力だ。オイルサーディンやレーズンバター、鴨の生ハムなど、洋酒のストーリーを感じさせるメニューのほか、煮込み、おでん、冷菜など大衆酒場の定番たちもラインナップする。


定食メニューが豊富で、時間を気にせず頼めるのも居酒屋にはないシステム。ご飯と味噌汁にこだわった定食は、酒類をオーダーしないで定食屋としての利用も歓迎している。


ホテルを代表とする三毛作業態ではなく、下町の名店、信濃路や大利根のような通しに近い営業スタイル。昼から飲むのも、夜に定食だけ食べるのも、口開けから鍋や「てっさ」をつまむのもあり。コの字カウンターを囲む巨大な地下酒場は、かつて渋谷にあった呑んべえたちの楽園、富士屋本店を思い出す。


昭和の香りを感じさせるハイボール酒場、しかし、オーダーは自分のモバイルからQRコードを読み取ってダウンロード。そこから注文するという、コロナ禍にも優しい現代仕様。店内に流れるBGMさえ、モバイルからリクエストできる。


多様なモチベーションに対応する新感覚の古典酒場で、もう一度、ウイスキーに惚れ直すのはどうだろうか!?至福の地下への入口は、年中無休で開かれている。

バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場
バークオリティのハイボールを堪能できる、神田の地下酒場

酒場 ダルマ

東京都千代田区内神田3-14-8 ニシザワビルB1F
TEL:03-6260-7313