肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

昼下がり、自然派ワインをがぶがぶ飲みながら、肉肉しいハンバーガーに喰らいつく至福を知ったら、すっかりここの常習犯になってしまうだろう。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

警察署の隣だから、バーガーポリス。こんなにインパクトがあって、忘れられないネーミングに出会ったのは久しぶり。

今すぐ首を垂れて自首したい、これ程までに出頭したいと思ったのは、息子が園児だった頃に一緒に見ていた(特捜戦隊)デカレンジャー以来かもしれない。碑文谷警察署の隣に突然現れたBurger POLICE(バーガーポリス)の塩バーガーやザ・バーガーは、デカイエローの木下あゆ美、デカピンクの菊池美香を凌駕するほどの強烈な魅力を放っていた。


明日も、また出頭したい。そう思わせる危険な依存性に満ちている。しかも、一切の肉を使わず素材の実力を静かに主張する、デカグリーン的なキャラクターの王様しいたけバーガーまであって、キャラクター設定も秀逸だ。


アボカドだ、フォアグラだ、ブロッコリーだ、ラム煮の林檎だ、パイナップルだと、バベルの塔の如くいたずらに縦に伸びていくグルメバーガーの世界。そんな中で、ストイックなまでにパティとバンズの組み合わせだけで勝負する。バーガー界の革命児、Burger POLICEって何者なんだろうか!?

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

和歌山で160年続く、しらす屋「山利」のしらすと焼きケールを合わせ、「田中農場」の卵で作った目玉焼きを乗せた前菜人気No. 1のひと皿。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

ホタルイカと春キャベツは、焦がしニンニクとアンチョビのソースで。ワインがどんどん進み過ぎる危険なひと皿。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

ローストした白アスパラには、焦がしバターとヘーゼルナッツを。さすがのTACUBOクオリティのひと皿が、季節折々にメニューに並ぶ。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

ハンバーガーに合うことを前提に選ばれた自然派ワインは、白、赤のほかにも、日本ワインのローゼ・ペティアン(微発泡)など、常時6本ほど抜栓。

大阪の北新地、福岡の中洲など色街で愛されるひと口餃子は、綺麗なお姐さんたちが口を汚さず、化粧崩れしないように生み出されたと言う。だったら、グルメバーガーは、その対局を行く世界観だ。もちろん、ご同伴には向かないし、一所懸命お洒落して出かけてきた彼女とのデートにも向かないだろう。


でも、男だって、むやみと口を汚したくないし、それ以前に食べづらいものはごめんだ。誰よりも、食べづらさに拘った人物こそ、Burger POLICE署長の田窪シェフだ。


名前を聞いて、「ええっ!?」と思った方も多いはずだ。そう、Burger POLICEはあのミシュラン星付きリストランテTACUBOの2号店だ。コロナ禍の中、 TACUBOが2号店を出すという噂が街を騒がせた時、ハンバーガーショップという正解を想像した者は、まずいなかっただろう。


しかし、それはシェフ目線で味を構築された、まったく新しいバーガー・ビストロだ。まず、バンズの中に食べづらさの真犯人、トマトやレタスなどの野菜が見当たらない。その代わり、野菜はきちんと前菜で出す。そのすべてが、当然のTACUBOクオリティであることは言うまでもない。


グラスで色々開けられている自然派ワインを飲みながら、旬の素材で満たされた前菜をつまみつつ、メインのハンバーガーを待つ、こんな店、これまでお目にかかったことがなかった。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

和牛経産牛スネ肉に、塩とバターだけで味付けした「塩バーガー」。和牛経産牛サーロイン100%の「プレミアム塩バーガー」も用意されている。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

和牛経産牛スネ肉100%のパティに、TACUBO特製のボロネーぜ、モッツァレラチーズ、埼玉県深谷市の田中農場の卵を合わせる「ザ・バーガー」。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

鮪仲卸やま幸の味が濃い鮪の頬肉を、軽く焼き目を付けてタルタルにし、喜界島の国産ゴマと、安曇野・藤屋わさび農園の葉わさびを合わせた「やま幸の鮪バーガー」。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

北海道・福田農園の肉厚な特大椎茸を丸ごと焼いて、ゴルゴンゾーラとマルサラ、栗の蜂蜜、ローストしたヘーゼルナッツを合わせる「王様しいたけバーガー」。

Burger POLICEには5つのルールがある。

食材と生産者さんの想いを一緒に挟む、味に直結しない余計なものは挟まない、 バンズが最後までサクサク、食べるときに口や手が汚れない、ハンバーガーでみんなを幸せにする。


フラッグシップメニューの塩バーガーを頬張ると、5つのルールの意味がよく分かる。塩とバターだけで味付けたパティとバンズのみ、口は一切汚れない。野菜やソースなどで味が薄まらないから、肉の旨みがダイレクトに打ち寄せて来て、幸福感でいっぱいになる。


肉は黒毛和牛の経産牛、フランスで珍重されるシャロレー牛も5歳から8歳の経産牛、その深い香りや味わいは真の牛肉好きたちを虜にする。だが霜降り信仰の我が国では、ペットフードや肥料という悲しい最期を迎えることさえある。塩バーガーは、食べる人たちでなく、一所懸命働いた彼女たちにも幸せなメニューだ。


コロナ禍の中、通常のスーパーマーケットなどではなく、飲食店相手に流通していた食材は卸先を失い、悲鳴を上げていた。そんな中、いつも自分たちの店を支えてくれる真摯な生産者たちに、どうにかしてエールを送りたい。そう考えたシェフたちの答えが、テイクアウトやデリバリーだった。


そして、田窪シェフが行き着いた答えがBurger POLICEだ。だから経産牛だけでなく、日本一の鮪仲卸やま幸の鮪や、北海道・福田農園の王様しいたけもメニューに登場する。


足し算の美学で増大していグルメバーガーの中で、凛とした存在感を放つ引き算の味覚のハンバーガーたち。口に含んだとたん、スッと身体に沁み渡っていく自然派ワインのように、Burger POLICEのハンバーガーはすべての人たちの心を幸せで満たすだろう。今すぐ余計なことは考えずに、いち早く出頭することをお勧めしたい。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

才谷ウメタロウ(花形怜原作)の人気漫画「本日のバーガー」と、ハンバーガーを持ったビッグボーイが並ぶカウンター。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

ハンバーガー店というより、イタリアの街の片隅にあるビストロのような雰囲気の店内は爽やかな空気に満ちている。

肉の旨さはさすが! TACUBOの新店Burger POLICE

目黒通りと環七がぶつかる碑文谷交差点は、徒歩でも都立大学の駅から10分かからない距離。目印はもちろん、隣の碑文谷警察署。

Burger POLICE(バーガーポリス)

東京都目黒区碑文谷4-24-16
TEL:03-6303-1104

※新型コロナウイルス感染防止などの事情により、店舗の営業時間、サービスの変更などが行われる場合があります。訪問前にご確認ください。