元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

往年のサスペンス映画の1シーン。
緊迫した状況を、迫真の演技で演じる女優。
現実でなく、それは映画、演劇の世界。
つくり込まれた大衆ドラマ、フィルム・ノワール。
演じるのは、写真家シンディ・シャーマン。


さて…… 、

私がシンディ・シャーマン(1954年〜)を知ったのはですね〜、20歳前後だったと思うんですけどぉー。
(いきなり口調が雑)
写真用語でいう「セルフポートレート」の珍しいやり方に心惹かれました。

1960年代前後の映画を模したレトロなセットをつくり、当時の衣装とヘアメークを身につけ、自らが女優になりきって一枚のスチール写真を撮る。
ポスター、チラシ、雑誌で使われるような、
映画の1コマを切り取ったスチール写真を「作品」として提示してました。


アナログ時代ならではの表現方法。
作品を見るたびに、アルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス映画を思い起こしてましたね。
この面白さは、漫画の一コマのような作風で知られるアメリカポップアートの大御所ロイ・リキテンシュタインがやっていた、「大衆が抱くステレオタイプなイメージの提示」と似てます。


実はもう長いこと、シンディ・シャーマンの存在を忘れてまして。
それが、とあるブランドの展示会に行き、再び彼女の世界が目の前に突きつけられることに。


そのブランドとは、「アンダーカバー」

2020年春夏メンズコレクションです。
シンディ・シャーマンを全面的にフィーチャーしています。


「いますぐは買えないから、ここで取り上げるのは時期尚早かな」
とは気にしつつ、
コレクション全体の素晴らしさも含めて皆さんに軽くお伝えしたく。
気になった方はぜひ、今年の年末には一部が売られるかもしれない(未確認)ので記憶の片隅に置いてくださいませ。


元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

テーラードジャケットの裾に。

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

卓越したバッグシリーズ。

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

ブルゾンのフロントにプリントされて。

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

同ブルゾンの着用ルック。今回はパリでショー形式で発表されました。© UNDERCOVER

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

バックパックにも凝ったつくり込みで顔が。

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

パッチワークによる立体的な表現。

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

同プルオーバーの着用ルック。© UNDERCOVER

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

デニムジャケットを絵のキャンバスにしたような落とし込み。部屋に飾りたい……。

アンダーカバーのメンズをご存知の方はお気づきかと思いますが、今回の色彩は黒を中心としたダークなものばかり。
さらに重要なのは、いわゆる “大人な” フォーマルになっていること。
シルエットもタイト(新鮮!)でスタイリッシュ。
これまでのアンダーカバーとはガラリと変わったコレクションになりました。


前回の19-20年秋冬コレクションまでのメンズは、音楽などのサブカルチャーを感じさせるストリートウエアでした。
チェック柄のシャツ、デニム、パーカといったラフなカジュアル。
それを別方向に大きく舵を切った、記念すべきシーズンなのです。


私個人としては大歓迎! な方向転換です。
時代感覚としても “ストリートネクスト” のエレガンスムードに流れてますし。
着る人を格上げしてくれる服や小物を身に着けたい気分です。


アンダーカバーは空気を読んで流行に合わせるブランドではないのでしょうが、
本格的なアートを取り入れ、
「大人が着て似合う前衛モード」
そう思わせてくれたのはとても嬉しいです。


シンディ・シャーマンの作品を絡めた服は、すでに2018年春夏シーズンにレディスでリリースされていました。
それを発展させ、フルコレクションにまで広げたのが今回です。

元祖・自撮り女王、シンディ・シャーマンが服にバッグに!

フォーマルジャケトにもパッチワーク技法で顔を。

さらに見逃せないのは、どの服や小物も工芸的につくり込まれていること。
テクニカルの追求も一歩突き抜けた印象です。
テーラリングにも果敢に挑戦し、でもやっぱりアンダーカバーなこのコレクション、ぜったい注目です!


それでは最後に、2015年に東京オペラシティ アートギャラリーで開催されたアンダーカバー回顧展のPen ONLINE記事もご覧くださいませ。


「アンダーカバー」の25周年展覧会で、日本デザインの実験精神を知る。


私が写真撮影も文章もやってますのでー。
(手前味噌でホントにすみません……)


photos © 高橋一史

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