我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

唯一の茶色の子猫。仮称は「チャトラ」。これで我が家に来て7日目。目も開いた。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

全身真っ白な「シロ」。最初に生まれてきたのか、体がいちばん大きく、しっかりしている。

DAY1

深夜12時を回ったあたり、呑みに出ていた息子が突然捨て猫を持ち帰った。

両手に持つのはあのAmazonの比較的薄い段ボール箱。

中には6匹の子猫。

茶色の子猫が1匹、残りの5匹は真っ白か、白がほとんどの子猫。

息子からの電話では、確か「4匹」と言っていたが……。

4匹を拾った周辺で母猫を捜索したら、さらに2匹を保護したらしい。

結局母猫は見つからず、育児放棄したのか行方知らず。

勝手な想像だが子猫は生後1〜2日。3匹にはまだへその緒が付いている。

梅雨空のなか、放置したら死んでしまうと持ち帰ったとのこと。


子猫を保護したのはいいが、現在、家にペットはいない。

子猫に上げるミルクも、代わりになる牛乳さえも切れている。

どうしよう。

息子の友人の忠告に従い、とりあえず体を温めることに。

タオルを大量に出し、Amazonの箱の下に引き詰める。それからお湯をわかし

500mlと1.5ℓの2本のペットボトルに入れ、適当な温度にして

子猫が火傷をしないようにタオルで巻き、箱の中に。

6匹ともすぐに寄ってきて重なり合う。暖かいのだろう。

元気のよさそうな1、2匹は「ミャアミャア」と鳴くが、

あとの5匹はほとんど無言のまま。

ときどき脱脂綿に水を含ませて口に持っていくが飲む元気もない。

まんじりもせず一夜が明ける。


10時を待ってペットショップに急行する。

動物病院に併設するペットショップなのだが、色々と品揃えが悪い。

ミルクはあるが、スポイトも哺乳瓶もない。とりあえずミルクを買う。

一度家に戻ってミルクをつくり、ストローを加工してミルクを呑ませるが当然、うまくいかない。

携帯で別のペットショップをすぐに探し、クルマで別の店に向かう。

11時の開店を待って店の中へ。

事情を説明するとペット用の哺乳瓶を勧められる。

家に戻って哺乳瓶でミルクをあげたが、飲めているのかそうでないのかわからない。

自分で吸ってみると吸えば出るが、子猫たちに飲む力があるか疑問。

たぶん母猫からお乳は一度ももらっていないのだ。

切り口を少しカットして飲ませたら一応口には入っていくが不安だ。

午後になって息子が猫を拾った友人と一緒にオネショ用マットなどの買い出しに。

注射器も見つけて来たのでこれで飲ませたが、この方がいい感じ。

でも吸い上げるのがなかなか難しい注射器でミルクに時間がかかる。

今日は動き回ってばかりいて、病院に行けなかったので、

明日、全員病院に連れていくことに。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

オスなのにおっとりしている。頭だけ黒。黒が星にも見えるので「キャプテンオニギリ」(仮称)と。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

唯一のメス。「オニギリ」と同じく、頭に黒い毛が。でも毛全体は薄いので「ウスゲ」と。これも仮称。ミルクをいちばんよく飲む。

DAY2

明日は病院に連れて行こうと決めた深夜、

重ねるように寝ていた6匹のうち、1匹が息をしていないことを家内が発見。

人工呼吸の真似事までしてみたがそのまま。ショック。

呆然とした状態でまた寝られない夜を過ごす。


繁みの枝か何かで怪我をしたのか、

家に来たときから前足に傷があった1匹も反応が鈍くなってきた。

ヤバい。

これはすぐに診てもらわねば。

子猫を息子と一緒に拾ってくれた友人から動物病院を紹介してもらい

なんとか開始前にお願いして弱った1匹の診察をお願いする。

点滴まで打ってもらったが、傷をおった1匹は家内の手のなかで

大きく息をしたあと天国へ。無念。


残りの4匹も診てもらったが、こちらは至って元気。

先生に性別を尋ねると、白っぽい猫1匹がメスで、残りの3匹がたぶんオスだと。

戻ってそれぞれの体重を測ると、どれも70gくらい。

大きさはタラコに手足を付けた感じ。もちろんまだ眼は開けていない。

病院で分けてもらった注射器(シリンジと呼ばれるものらしい)で

ミルクをあげると、どうもこれがいちばんいい。

シリンジに20mmずつ、ゆっくり飲ませる。

たぶん母猫から乳をもらったこともないので、ミルクをあげるのも大変。

目も見えないのですぐにイヤイヤと頭を降るし、口もそむけてしまう。

母猫がいれば子猫のお腹を刺激して排泄を促すのだろうが、これも我々の仕事に。

3時間おきに排泄、体をきれいに、そして授乳というのがルーティン。

昨日はペットボトルを使って体を温めたが、この日から息子が持っていて

ビニールの簡易水筒にお湯を入れて湯たんぽ代わりに。

もう人口飼育に近いだろう。


我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

段ボールのなかに湯たんぽ代わりに入れているソフトタイプの水筒。エアベッドみたいに感じているだろうか。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

ペット用の防虫剤。人間用の蚊取り線香では強すぎると、すぐに購入。けっこう効いているように感じる。

DAY3

残った子猫4匹にとりあえずの名前を付ける。

全身真っ白な1匹は、当たり前だが「シロ」。

体が白で頭の上だけ黒いのは「オニギリ」。

「オニギリ」とよく似ているが体毛がまだ薄いメスは「ウスゲ」と。

唯一の茶色の子猫は「チャトラ」と。

ようやく「シロ」の目が薄く開いて来た。

猫の子育てをネットで検索した息子が「まだ見えていない」と。


息子は6匹全員を飼えないと初日から里親探しもスタートしている。

SNSでもよかったが、とりあえず友人に連絡しまくり、

里親になってくれる人を探していた。

3日目になって何人かの人が手を挙げてくれて

2匹はほぼ里親が決定。

すでに3匹の猫を飼う姪も行き場がないなら私が引き取ると。

昨日4匹になった時点で私は全部飼ってもいいとさえ思っていたが

大事に育ててくれるならば、里親に飼ってもらうのもいいだろうと。


我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

少しでも暖かくということなのだろうか、4匹寄り添って、いやマウンティングしあって寝る。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

体重を測るのはボールに入れて。いちばん体格のいい「シロ」。ようやく100gを超えてくれた。

DAY4

再び朝から全員、病院に。

まるで親になったかのように子猫を観察している息子が

「チャトラ」の足に血豆のようなものを見つけたのだ。

診察してもらうと血豆に見えた部分はすでに壊死していると。

育っていくうちにポロリと落ちてしまうことがあるが、

もしずっと残っていれば切断しますと先生が簡単に言う。

えっ、切る! 軽く貧血。

里親の件を尋ねると、もう少し大きくなったら採血して

猫エイズの検査をし、それで陰性がでたら里親に渡してもいいと。

もちろんワクチンも打たないと渡せない。


これまでミルクは2人がかりで呑ませていた。

ひとりが猫をホールドして、ひとりがミルクをシリンジでゆっくりとプッシュしながらあげてきた。

それが明日は息子も家内も仕事に出てしまうので、私ひとりで世話をしなければならない。どうしよう。下の世話は順番にやればいいが、ミルクは果たして飲んでくれるだろうか。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

シリンジを使って1匹ずつミルクを。3日目からは毎回45ccずつ。飲んでいるうちに寝てしまうことも多い。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

ミルクを飲んだばかりの「チャトラ」。完全に半分寝ていて、手足も動かさない。

DAY5

今日はひとりで子猫4匹の世話。

懸念のミルクについては昨晩、家内がひとりで授乳できる方法を見つけた。

手で子猫を抱え、胸のあたりに向かわせ、

自分がエビゾリのようになってミルクを与えるとそれほど暴れることなくミルクを飲んでくれる。

人間がやっている授乳方法に近い。さすが母親経験者。

昨晩22時過ぎの最後のミルクで私も練習したので問題ない。


3時間ごとに、お湯を沸かし、体を拭いてあげるぬるま湯を作成。

テッシュペーパー、化粧用パフを床に並べて、まずは排泄と体をきれいに。

次がミルクづくり。粉ミルクを摺り切りでスプーンに4杯。

白湯を6杯半入れてよく混ぜる。

それをシリンジで4匹順番にミルクを飲ませる。

3日目からは母子手帳のようなものを作成したので

オシッコや大きい方、ミルクの量やあげた時間などを書く。

体重も1日に1回計っているので、それも記入。

もうどの子猫も100g近い。

病院でもらった抗生物質も12時間ごとに子猫に白湯に溶かして飲ませる。


世話に慣れたのか、予想していたよりも順調。

ミルクをあげ、4匹寝込んでしまうと、段ボール箱ごと仕事場に移動させ、

仕事までこなすことができた。

この日、「チャトラ」の目が少し開いた。

あと2匹もそろそろ開けるだろう。

我が家に子猫が6匹やって来た!しかしミルクもなにもない。

Amazonの段ボール箱に代わって、フェローズのA4サイズのバンカーズボックスを。右が子猫ちゃんの家で、下にエアパッキン。左のボックスにはお世話グッズを。

DAY6

極めて順調。

3時間ごとのルーティンも慣れたもので、最初は1時間くらいかかっていたが、

ほぼ半分にすることができた。

ずっとAmazonの段ボールではと、この日、フェローズのバンカーズボックスを購入。

アメリカ映画などで、会社を首になった人たちがよく自分の荷物を詰める例のヤツ。

いろいろと調べたが子猫にちょうどいいものがなくて、これで代用することに。

でも段ボールは断熱効果も高い。蓋を底側につけて、その下にはエアパッキンを入れているので

猫たちが寒さを感じることはないだろう。

里親が決定した。

神奈川の人は娘が「ウスゲ」を。今週末には一度見にきたいと連絡があった。

もう1匹、里親に出すのは「オムスビ」。わざわざ大阪から来てくれるらしい。

「オムスビ」の頭の印がやや大きくなって星に見えることから

「キャプテンオムスビ」と改名。まだ仮称だが……。


DAY7

残りの2匹も次々と目が開いた。


家に残る2匹が決定したことから、ケージなどもネットで注文した。

ずっとケージに入れていることがないだろうが、家を少し離れるときにはやはりケージは要るだろう。

爪研ぎ用のグッズや爪切りなどもネットでポチッと。


同時に子猫2匹が大きくなったときのためにやらなければいけないことをリストアップ。

以前猫を飼ったときには本革のソファはズタズタにされてしまった。

それでソファの上にはラグなどをかけることに。

オネショをしたときのために、リビングに敷いたカーペットを小さくして、

なるべくフローリングの床で猫たちを遊ばせることに。


猫にコードをかじられることもあるというので、コード類を整理して留めるだけでなく、

使っていないパソコンなどの電子機器の整理も始めた。

上が空いたゴミ箱は絶対猫たちにやられてしまうと蓋付きのゴミ箱も買ってきた。

台所にモノが並んでいるのも危ないと、食器、炊飯器など、どんどん引き出しのなかに。

この際、入らないものは処分、処分。

完全に断捨離モード。


自分に子供が出来たとき、これは危険、あれも危険と

家のなかをいろいろと模様替えした昔が蘇って来た。

子猫ならばなおのこと。

子供と違って連れては歩けないので、荒らされることも十分想定できる。

これは大変だ。当分、外には出られない。

でも、でも突然我が家にやってきた子猫はどれも可愛い。すでに絶対的な存在。

早く大きくなれ、と毎日オヤジは世話に励んでいる。