記録的な降雪が心配な群馬県みなかみ町。その地形がもたらす楽しさも紹介したい。

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谷川岳山頂付近からの、万太郎山方面の展望(麓から谷川岳山頂を目指している時は、こちらのほうに行くのだと思った)。この尾根をずっと歩いたらさぞ気持ちいいに違いない。

この原稿を書いている12月16日現在、上空に強い寒気が居座って記録的な雪が降っている群馬県みなかみ町。雪深いエリアでは24時間に降った雪の量が128cmと、1989年の統計以来最も多くなっているという。


2019-2020年シーズンは全国的に雪が少なく、ウィンタースポーツが好きな者としてはやきもきしたし、スキー場に携わる方々にとっては死活問題だっただろう。だから今週の降雪予報は心躍った。でも、ある程度の雪は観光業界に歓迎されても、こんな大雪は話が別。人命に関わるような被害がないように願っている。


昨年から今年にかけて、冬、夏、秋とみなかみ町を訪れる機会があった(今年に入ってからの2回は、行ってきました!とあまり大きな声では言えないが)。はじめは、今週いきなり突入したウィンターシーズン。群馬県の北端にあるみなかみ町には、8つの個性豊かなスキー場がある。私が行ったのは、水上ICから藤原湖を抜けてたどり着く宝台樹スキー場。町といっても群馬県で最大の面積をもつので、エリアによってずいぶん気候が違う。水上IC付近では道路脇に雪が寄せられてる程度だったのに、藤原湖付近からは辺り一面、真っ白だった。冒頭で触れた、雪深いエリアとはこの辺りだ。


宝台樹スキー場は最高標高が1400mと比較的高く、雪質のいいスキー場。初心者向けと中上級者向けの差がなかなか激しいという印象があったが、谷川連峰の展望が本当に美しい。

記録的な降雪が心配な群馬県みなかみ町。その地形がもたらす楽しさも紹介したい。

宝台樹スキー場の最も高い場所からの、谷川連峰の展望。

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朝イチの凛とした空気のスキー場は最高に気持ちがいい。

直近では、秋の谷川岳を登った。一ノ倉という日本を代表する急峻もあるが、ロープウェイで1319mまで行きそこから山頂を目指すルートもあり、冬季以外は登山の装備を身に着けていればそれほど難しい箇所もない。私もロープウェイを利用して登った。夏に落雷があり、ロープウェイは登山シーズンに修理中だったものの、冬に入る直前に再開。そのタイミングで行ってきた。見渡す限り、山ばかり。そんな絶景を存分に楽しんだ。ロープウェイの山頂駅付近は冬には天神岳スキー場となる。いつか行ってみたいスキー場だ。

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山頂駅より上は樹木はほとんどないが、山頂付近から見る谷底は赤、黄、オレンジ、緑とさまざまな色のグラデーションで美しかった。

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谷川岳の山頂のひとつ、トマの耳。標柱は今夏の落雷で真っ二つに割れ、テープで止められていた。

夏はシャワークライミング(キャニオニング、沢登り)を楽しんだ。みなかみ町は利根川の最上流にあたり、利根川へとつながるたくさんの沢がある。これを水のなかをぐんぐん進んで楽しむ遊びだ。インストラクターに連れられ、小さな滝に打たれたり、プールのような釜に浮かんだりしながら、さらに上流を目指す。思わずキャーキャー声が出てしまう、夏にはお薦めのアクティビティだ。


利根川を利用した遊びには他に、ラフティング、ダッキー(1〜2人用のボート)、ハイドロスピード(ボディボードのようなものを使う)なども。渓谷を利用した、バンジージャンプも人気だ。豪雪地帯だからこその水の恵みがあり、多種多様なアクティビティが楽しめ、みなかみ町はアウトドア好きの聖地になっている。

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滝と釜が連続し、これを登り、また下っていく。夏には最高の遊び。

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その名も、ハナゲの滝。シャワークライミングの際に、インストラクターの引率で訪れた。見上げるほど高く、でもちょろちょろ流れているので、岩盤に寝転んで滝を浴びたりできる。

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シャワークライミングの日は欲張って、午後に「木登り」も行った。インストラクターの指導を受けながら、木登り用ロープやハーネスを使って十数メートルある木を登っていく。最後には、同じく十数メートルあるロープを利用した"ブランコ”を楽しんだ。あり得ない大きな動きで、久しぶりに絶叫した。

練馬ICから水上ICまで、空いていれば関越道で約1時半。みなかみ町に興味をもった方は、よきタイミングで訪れていただきたい。


スキーシーズンで大好きな風景がある。クルマのバックミラー越しに見える、真っ白な壁のような谷川連峰だ。我が家は早朝に首都圏を出て、湯沢やみなかみでスキーを楽しみ、昼過ぎに関越道経由で帰路に着くことが多い。往路は朝日が昇る前で谷川岳は見えないのだが、帰りにバックミラー越しに見る谷川連峰は、後ろ髪を引かれるような感覚でずっと見ていたくなる。



今シーズンは雪の量は大丈夫そう。でもいまのいま、とても心配。そして、今シーズンはみなかみに行けるだろうか。(編集NS)