森山大道、山田智和、若手クリエイターが切りとった、再開発が進む“ラビリ...

森山大道、山田智和、若手クリエイターが切りとった、再開発が進む“ラビリンス”渋谷。

森山大道、山田智和、若手クリエイターが切りとった、再開発が進む“ラビリンス”渋谷。

渋谷の街で、すでに目撃している方もいるかもしれません。写真家・森山大道を中心に創りあげるアートプロジェクト「SHIBUYA/森山大道/NEXT GEN」が2019年8月1日からスタートしています。プロジェクトは「STREET」、「UNDERGROUND」、「公募作品展」の3つで構成されています。会場は駅から路地裏まで、渋谷の街のいたるところに出現。
渋谷の街中で実施される「STREET」(8/2~15)は森山さんにとって初の試みとなる屋外型写真展。森山さんの代表作『三沢の犬』などの写真作品147点が、渋谷駅周辺の壁面63カ所を飾ります。

森山大道、山田智和、若手クリエイターが切りとった、再開発が進む“ラビリンス”渋谷。

森山大道、山田智和、若手クリエイターが切りとった、再開発が進む“ラビリンス”渋谷。

「STREET」は渋谷駅周辺の壁面63カ所にて行われています。

東横線渋谷駅改札内では「UNDERGROUND」(8/1~4)が開催中です。建築家・安藤忠雄による巨大空間にて森山さんの新作写真ほか、米津玄師「Lemon」のMVなどを手がけた気鋭の映像作家・山田智和、公募で選ばれた若手クリエイターの伊藤安鐘、山口大輝の作品が上映されています。

山田さんは自身の作品ついて、「今回、再開発地区の工事現場に忍び込ませてもらったんですけど、そこから今の街の全体像であったり、これからの様子であったり、ちょっと懐かしいものであったり、いろんなものを共有してほしいと思う。ただのモニターというより、そこに街の断片がある空間になったらいいなと思う」と語っています。

森山さんは作品を見る人々に向けて「なんでこの写真がこんなところにあるんだろうとか、一瞬の出合いを感じてもらえたらいいよね。関係性を見られるんじゃなくて、突然現れるから、出合頭に見てもらえたら良い」とメッセージを送っています。

森山大道、山田智和、若手クリエイターが切りとった、再開発が進む“ラビリンス”渋谷。

東横線渋谷駅改札内に展示されている森山大道の作品。

森山大道、山田智和、若手クリエイターが切りとった、再開発が進む“ラビリンス”渋谷。

森山さんの作品の向かい側には山田智和の作品(下・動画も)が展示されています。


プロジェクトの目的の一つは、次世代クリエイターの発掘・支援です。渋谷モディ1階のソニースクエア渋谷プロジェクトで行われている『公募作品展』(8/1~9月中旬)では、6名の若手クリエイターによって「2019 SHIBUYA」をテーマに撮り下ろされた作品が、期間中毎日更新されます。


今回のイベントの作品には、渋谷の街に漂うせわしない時間が一つひとつの写真、あるいは映像の中におさめられています。

きっと日頃から私が街を歩いている様子も、カメラを気にすることなく作品に写り込んだ人々と同じような姿でしょう。しかし、渋谷の駅や路地裏に現れる作品を目の当たりにしてからまた歩き出すと、見慣れている景色でさえも少し立ち止まって、目に焼きつけてみたくなりました。当たり前のように感じていたことも、知らない間に姿かたちを変えているかもしれないと思ったのです。

大規模な再開発が進む渋谷。最近は東急百貨店東横店が2020年3月末営業終了するというニュースに驚いた方も多いのではないでしょうか。この機会に渋谷の街を、彼らの視点から眺めてみませんか。

(編集部T)