日米で活躍するイケメン俳優・辛源さんが語る、日本とアメリカの芸能システム:...
Tsukasa Kondo

Tsukasa Kondo / Actor / Writer
近藤 司/役者/脚本家

京都大学経済学部卒。2008年渡米。以後東京とNYCを中心に役者/脚本家としての活動を続ける。全米映画俳優組合−テレビ・ラジオ芸能人組合(SAG-AFTRA)、全米劇作家協会(DGA)所属。最近ではYouTube上で全6話が公開されているWebドラマ「2ndアベニュー」の脚本を担当し、役者としても出演をしている。モットーは「よく食べて、よく寝て、二度寝する」。

2ndアベニュー第1話 http://youtu.be/9jbXtOYNS1w
Facebook https://www.facebook.com/tsukasa.kondo.37

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日米で活躍するイケメン俳優・辛源さんが語る、日本とアメリカの芸能システム:「新しいことの前例を作っていくことが大事」(前編)

前回のブログで紹介させて頂きました新作ドラマ「報道バズ」には経験と才能にあふれる多くの役者さんたちに出演して頂きました。今日はそんな報道バズのキャストから、日本とアメリカを股にかけて映像·ミュージカルで大活躍する辛源さんにインタビューさせて頂きました。報道バズについて詳細はこちら:http://kck.st/2u8rx8o

日米で活躍するイケメン俳優・辛源さんが語る、日本とアメリカの芸能システム:「新しいことの前例を作っていくことが大事」(前編)

辛源

ロンドンで生まれ、10歳までロンドンで育つ。日本に引っ越した後、神戸の中学高校に通い、早稲田大学国際教養学部に進学。大学在籍中にミュージカル「レント」にオフィシャルキャストとして出演。その後も劇団☆新感線「ロッキー・ホラー・ショー」小池修一郎演出「Mitsuko~愛は国境を越えて~」と大作に続けて出演してきた。2012年からはニューヨークに活動拠点を移す。北米で放送されるNHK番組「テレビジャパン」の人気パーソナリティの一人でもある。


18歳の時のロンドン王立演劇学校のワークショップが始まり


近藤:報道バズは日本で”女子アナ”として働いていた日本人女性が一念発起してニューヨークのニュースアプリ「報道バズ」に転職する物語です。源さんには、そんな報道バズで働く日本人スタッフの一人、森敦を演じてもらいました。森敦は日本生まれ日本育ち、英語が話せない自称”残念ハーフ”ですが、源さんはロンドンで10歳まで過ごされた、ネイティブスピーカーなわけですよね。


源:さんってやめてください(笑)。そうです、演劇との出会いも、18歳の時にロンドンの王立演劇学校(Royal Academy of Dramatic Arts)で受けた3週間のワークショップが始まりでした。


近藤:「報道バズ」はニューヨークでオーディションも撮影もしました。オーディションについてはどういう経緯で知られたんでしたっけ?


源:報道バズの制作をちょっと手伝っていた友人がいて、その人から聞きました。


近藤:オーディション・ビデオの段階でもう森敦のキャラがしっかりとできていたのを覚えてます。源先生に演じていただくことになり、脚本もその方向で面白くなるように色々と書き直したんです。


源:先生もやめて(笑)。

日米で活躍するイケメン俳優・辛源さんが語る、日本とアメリカの芸能システム:「新しいことの前例を作っていくことが大事」(前編)

源さんが演じる「報道バズ」キャラクター、森敦。「残念ハーフ」と自己紹介。

近藤:今回はハーフ日本人、という役だけど源が普段はどういう役を演じているのか興味があります。英語もネイティブだし、ハリウッドやブロードウェイを目指して渡米する一般的な日本人役者とはまた違った体験をしているんじゃないかと思って。

日米で活躍するイケメン俳優・辛源さんが語る、日本とアメリカの芸能システム:「新しいことの前例を作っていくことが大事」(前編)

報道バズにいる”欧米ハーフ”近藤史央莉とは「ハーフ」であることのアプローチが全く異なっている。

源:日本では外国人役、もしくは人種が関係ない役が多いですね。アメリカではアジア人役か、人種が関係ない役が多いです。ただ最近のアメリカではキャスティングは役の人種とぴったり当てはまった役者を選ぶ傾向が強くなっているので、100%アジア人の役で、たとえばアジア人としてアメリカで育ち、見た目にコンプレックスを抱えている人物、というような役はとれないですね。そういう役はもう最初から応募もしなくなりました。


公平な扱いをすることで、現場が良くなる


近藤:なるほど、日本とアメリカの両方の大舞台で活躍されている人というのは珍しいけれど、芸能界の仕組みの違いというのは感じる?


源:それはめちゃくちゃありますね。それを語りだすと1時間じゃ足りないですよ(笑)。


近藤:日本でも数年前に俳優の小栗旬さんが「日本にもアメリカのような役者組合を作るべきだ」と取り組んでいることがニュースになってました。源も日本に役者組合があった方が良いと思う?


源:思いますね。日本の場合は稽古時間も2、3時間休憩無しでぶっ通しなこともありますけど、アメリカの場合は役者組合がちゃんと90分ごとに休憩を保障する契約を確保してくれます。他にも食事だったり、超過時間に対する手当だったり、支払いも保障してくれます。出演だけして制作側がお金を払わずドロン、みたいな危険は無いですよね。あと何か嫌な状況になったら現場からホットラインに電話して対応してもらうこともできます。

日米で活躍するイケメン俳優・辛源さんが語る、日本とアメリカの芸能システム:「新しいことの前例を作っていくことが大事」(前編)

劇団☆新感線「ロッキー・ホラー・ショー」より。

近藤:話には聞いてないヌードシーンがある、とか危険なスタントをやらされそうになっている、とかね。役者の権利を守ってくれる団体が独立して存在しているのはやっぱり良いことだよね。日本だと事務所がそういったことを管理するけれど、芸能事務所だって別に完全に役者側なわけではない彼らだって役者を搾取しようとする可能性はあるわけで。そう考えると役者たちが団結してお互いを守るということに意義があるね。大スターだけではない、脇の役者たちもちゃんとした待遇を受けられるようになれば業界にとっても良いことだと思うんだけど。

日米で活躍するイケメン俳優・辛源さんが語る、日本とアメリカの芸能システム:「新しいことの前例を作っていくことが大事」(前編)

劇団☆新感線「ロッキー・ホラー・ショー」より。

源:やっぱり現場の雰囲気がよくなりますよ。それが一番のメリットだと僕は思います。人間ってお金がある、無いよりも、自分が公平な扱いを受けているかどうかの方が幸福度に影響を与えるって研究を読んだことがあります。日本の某大手プロダクションでプロデューサーをしている友人も、役者組合について「プロデューサーという立場からも役者組合を作った方が良いと思う。長期的に考えるとプロデューサーとしてもメリットがあるはず」と言っていました。もちろん、プロデューサーなので大ぴらには言えないようですが。


近藤:確かに。僕も役者としてSAG(全米映画俳優組合−テレビ・ラジオ芸能人組合)に所属してるけど、毎週のように組合から「このプロデューサーはSAGとの契約を守らなかったので、役者の皆さん、この人と働いたらだめですよ」というDo Not Work通知が届くからね。ちゃんと役者と業界のことを考えて働いているプロのプロデューサーからしたら、ルールも守らず役者を搾取して稼いでるようなプロデューサーは業界から消えて欲しいと思ってるはず。役者組合が業界全体にとってメリットがあるというのは同意ですね。しかし、役者組合を作るのは難しい。


小栗旬さんレベルの大スターが10人くらい、先陣を切ってくれたら実現するかも


源:めっちゃ難しいですね。日本の芸能界は利権でがんじがらめになってしまってるし、流れに逆らうのを怖がってしまう日本人の性質もありますよね。


近藤:そもそも学校教育で空気を読むことを教え込まれちゃうしね。ところでこれ僕がタメ口で源が敬語使ってると、僕が偉そうな人に読めないかな。


源:そんなこと全然ないですよ。


近藤:現場だともっとカジュアルだったのに。インタビューだとしっかり敬語を使い分けるのはやはり日本の芸能界を生き抜いてきたしたたかさなんですかね。


源:現場でも敬語でしたよ。


近藤:絶対ちがう(笑)。まぁ源先生の好感度があがるなら何でもいいですよ。


源:(笑)。なので日本で役者組合を作るって言っても小栗旬さんレベルの大スターが10人くらいで先陣を切って動いたりしないと変革は起きないんじゃないですか。ただ難しいのは、日本ってスターの待遇はすっごく良いんですよ。その一方でアンサンブルの待遇はすごい悪い。1ステージ1万円とかザラにあります。なのでスターからしたら変革を起こすモチベーションが無いですよね。ギャラの話って表には出てこないので、アンサンブルの役者たちが自分たちのギャラをおおっぴらにシェアすれば皆怒って革命につながるかもしれない(笑)。「あなたもこんなギャラ?!私もこんなギャラ!」って。


近藤:(笑)。すでにスターな人からすると新しいスターが生まれにくい環境の方が有利だしね。自分のギャラやスター性が下がるリスクを背負ってまで役者全体の労働環境を改善しようとは思わないから。


源:そうです。なのでもう一旦落ちる所まで落ちないと変わらないんじゃないかなって最近は思ってます。ただ、自分は日本とアメリカの間の橋渡し的存在になれたらと思っているので、貢献できることがあるんじゃないかなと思ってるんです。アメリカの芸能界と比べて日本のシステムを批判することは簡単にできちゃうんですけど、日本でも頑張っている人達は必死になってやっている。そういう人たちのヘルプをしたいと思ってます。日本のシステムの中だけでは手に入らないようなものを提供する、そんな前例を作っていけたらと思っていて。


後編に続く)

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