Takahiko Ishizaki

Takahiko Ishizaki / Writer / Kannushi
石﨑 貴比古/神主ライター

1978年生まれ。東京外国語大学大学院博士前期課程修了。「週刊新潮」、「Pen」の編集部を経てフリー。茨城県石岡市にある常陸國總社宮(ひたちのくにそうしゃぐう)という神社の禰宜(ねぎ)。お祭りやお祓いをしたり、原稿を書いたり書かなかったりして暮らす。趣味は料理と禊。インドでの「ガンジス禊」を計画中だが胃腸に不安が残る。
神社公式facebookページ:http://www.facebook.com/sosyagu

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音楽と記憶

音楽と記憶

知り合いの編集者が深夜に酒飲んでエモい文章を書くことについて自戒していたけれど、

同じ轍を踏みつつ書きます。


ある音楽が自分にとっての特定の記憶に結びついていることが往々にしてある。

ある曲を聴くとその時空のことが思い起こされるし、その場に立つとある音楽が脳内で鳴りひびくことがある。


いま若干酔っぱらって聴いているのはTerry Callierの「No More Blues」 だ。

アルバム『Time Peace』に収録されている曲。

このアルバムは自分史上すべてにおいてナンバー1になると思われるのだけれど、

中でもなぜかこの曲を聴くとギリシャのメテオラのことが思い出される。


イギリスに若干住んでいた頃、夏休みにイタリアに移動し、思いつきでギリシャに旅行したことがある。

考古学が好きだったこともあるけれど、俺的原初の記憶としてやはり聖闘士聖矢の存在ははずぜない。

「教皇」にまつわる場所として「スターヒル」という場所が描かれていたが、

それがメテオラという場所をモデルにしていると何かで読んだことがあった。


いまやわずかな記憶しかなくてもインターネットで検索すればほとんどのことが分かるけれど、その頃はそんなわずかな記憶を辿ることが、どこか冒険のように思えていた。

そんなわけで、よくわからんけどギリシャに行ったならばメテオラに行ってやろうと思ったわけだ。


思いがけない炎天下、数々の修道院を巡りながらCDウォークマン(!)で聴いていたのはTerry Callier のアルバムだった。

そして夜、一人眠る頃になると決まって「No More Blues」 が流れた。

メテオラ近くの場末のホステルで眠れない夜に聴いた曲。

今もこの曲を聴くと、切り立った崖っぷちにあるあのギリシャの町と硬いベッドと、眠れなかった夜を思い出す。


すごくいい曲だから是非聴いてみて下さい。

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