
いよいよ今年の例大祭が間近に迫ってきた。
15日火曜日に最も重要な例祭の祭儀を行い、週末には
大神輿が出御し、山車12台、幌獅子31台が街中を練り歩く。
編集者と神主の共通した仕事に「ディレクション」がある。
編集者は思い描いたページを実現すべく、取材先に交渉し、撮影現場の段取りをし、
ライターやカメラマンを手配し撮影当日までには何度かスタッフや取材先と打ち合わせを行う。
取材や撮影の当日には現場を監督し、思うような写真が撮影できているか、きちんとしたインタビューができているかスタッフのディレクションをする。
一方、神主がディレクションする現場のは祭りの現場である。
常勤の神職だけでは間に合わない規模の祭りなので、近隣から臨時スタッフ(「助勤」という)を集める。
祭礼期間の勤務割を作り、スケジュールを管理する。
祭りの現場を借用する交渉や事務手続きもある。
多くの人員が動くため境内の図面をPCで作り、人々の動きをシミュレーションする。
いずれも撮影/祭りの当日のための打ち合わせと段取り、準備がすべてを決定するといっても過言ではない。
なので、今現在が最も忙しい時期だ。
つい先日は神様を15年ごとにお迎えする「年番町」の担当者の方々と祭り当日の動き方について打ち合わせをした。
年番町の氏子さんは様々なお役目があるけれど、中でも花形の一つが神様のお供をして行列を歩くこと。
その名の通り、供奉行列と言う。
この日は神様を彩る旗指物を持つお役目の人たちが来て
当日の動きについて打ち合わせをした。

神様の乗り物である「神輿」が出る際のスケジュールは分刻み。
さらに複数個所で同時進行で物事が行われている。
神様の分身である「御分霊」が本殿から6人の神職の手で運び出され、
同じ時間に境内では町内同士の口上の読み上げが行われる。
さらに隣接する小学校には「幌獅子」が集合して整列する。
係の人は観光客が祭場に紛れこまないようロープを張る。
神輿を担ぐ男たちをお祓いして、神輿の準備をする、などなど・・・。
これらのスケジュールを組み、動きを段取りしています。
すべては祭り当日の成功のため。
神主とは祭りのディレクターなのです。