Takahiko Ishizaki

Takahiko Ishizaki / Writer / Kannushi
石﨑 貴比古/神主ライター

1978年生まれ。東京外国語大学大学院博士前期課程修了。「週刊新潮」、「Pen」の編集部を経てフリー。茨城県石岡市にある常陸國總社宮(ひたちのくにそうしゃぐう)という神社の禰宜(ねぎ)。お祭りやお祓いをしたり、原稿を書いたり書かなかったりして暮らす。趣味は料理と禊。インドでの「ガンジス禊」を計画中だが胃腸に不安が残る。
神社公式facebookページ:http://www.facebook.com/sosyagu

Recent
Post

«

»
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat

過去記事一覧へ

緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート

今年前半の罪・穢をリフレッシュする行事「夏越大祓(なごしのおおはらえ)」。
元来は宮中行事だが長い歴史の中で様々な要素が組み合わさって現在のような形になった。その最もカラフルな要素といえば「茅の輪くぐり」である。
緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート
茅で大きな輪を拵えて神職と参列者がぞろぞろとくぐる。
茅というのはこの時期の河原によくモサモサ生えてる生命力の強い雑草。
その深い緑色とモサモサパワーにあやかって心身を清めてしまおうというのだから、
昔の人もなかなかクリエイティヴなことを考えたものだ。
一般の人も家族で参加できる気軽さもあって
常陸國總社宮でも人気の行事として定着しつつある。

人気の秘密はやはり突然この時期になると境内に出現する茅の輪の珍奇さにあると思う。
最近の神主さんはIT関連の整備にも余念がないので、
ウェブで「茅の輪」を検索すると実に様々な画像を見ることが出来る。
大きさや体裁に細かな決まりはなく、密集率の高いヒゲじい的なものやバスやトラックがくぐれる巨大なものまで地域や神社によって結構まちまち。
当宮の場合は比較的細身でしゅっとしたフォルムで作ります。

以前は造園屋さんに頼んでいたが、昨年から「氏子青年ひたみち会」の皆さんが休日返上で製作している。彼らは自分たちの鎮守である常陸國總社宮を護り、地域の中心として盛り上げるべく集った非常に頼もしい若者たち。発足にあたってはいろいろなドラマがあったのだけど、それはまた別の機会に譲って今回は茅の輪づくりと夏越大祓当日の様子を紹介します。

夏越大祓の1週間前。まずは河原へ行って茅を刈り、束にして神社に持ち帰る。
緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート
竹を割って作った芯を曲げて輪を作り、茅をかぶせてくくりつける。
緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート
形を整えたら所定の場所へ設置。社殿に近い参道に設置する神社が多く、当宮も同様です。
緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート
1週間経って茅の輪くぐり当日。平日にも関わらず250名ほどの参列者が集まった。
緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート
神社本庁の定めにのっとって式を行う。
「大祓詞(おおはらえのことば)」という祝詞を担当する私が詠み上げ、
和紙を細かく刻んだ「切麻(きりぬさ)」で参列者それぞれが自分をお祓いしたら
いよいよ茅の輪くぐりです。
緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート
作法は全国でもわりと共通していて、左に1回、右に1回、左に1回と計3回8の字にくぐる。終わったら清々しい気持ちで参拝。今年前半の締めくくりであるとともに、後半戦のスタートです。

行事の最後にはひたみち会が手打ちした「長寿うどん」の振る舞い。長いものを食べて長寿を祈る習俗は各地に見られるが、我が石岡市では特にこの時期にうどんを食べる習わしがある。参列者には老若男女はもとより外国の方もいて、皆楽しそうに輪をくぐり、うどんをすすっていた。
緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート 緑の大きな輪をくぐり、心身ともにリスタート
神社を支える青年たちの逞しい姿と寄り集う人々の朗らかな表情。緑の力と相まって、私も元気になりました。

PAGE TOP