Takahiko Ishizaki

Takahiko Ishizaki / Writer / Kannushi
石﨑 貴比古/神主ライター

1978年生まれ。東京外国語大学大学院博士前期課程修了。「週刊新潮」、「Pen」の編集部を経てフリー。茨城県石岡市にある常陸國總社宮(ひたちのくにそうしゃぐう)という神社の禰宜(ねぎ)。お祭りやお祓いをしたり、原稿を書いたり書かなかったりして暮らす。趣味は料理と禊。インドでの「ガンジス禊」を計画中だが胃腸に不安が残る。
神社公式facebookページ:http://www.facebook.com/sosyagu

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リヤドと神社の親睦性について

モロッコには古い邸宅を改装した「リヤド」という宿泊施設がある。
中庭に面した区画を一室とし、古い建築意匠と現代的なサーヴィスが融合したリヤドは女性の旅行客に特に人気がある。
もともとは「中庭のある家」という意味のアラビア語らしいのだが、ある人が「リヤドってのはRe-宿ってことなのじゃないか」と真面目に言うので面白かった。
リヤドと神社の親睦性について
世間を見渡すと「Re」と付く言葉が身の回りに増えつつある気がします。
古くはリフレッシュ、リサイクル、リニューアル、リフォーム、最近ではリマインダーなんて言葉も随分定着した。
「Re」は「再び」とか「新たに」などという意の接頭辞だと思うのだけど、これって神社が結構大事にしている思想なのかも、とふと考えたりしました。

伊勢神宮の式年遷宮は詰まるところ、社殿のリニューアル。これは建築的なリフォームであるし、古い木材は別のところでリサイクルされる。
しかし一番重要なのは精神的な意味でのリフレッシュという部分だ。
神道では「常若(とこわか)」の思想といって心身ともに新しく瑞々しい状態を尊ぶ。
これを維持するために物理的にも精神的にも古くなりつつあるものを見直し、新風を入れて刷新する。こうすることで神様も人間も清々しい気持ちでいられるという訳だ。

この精神的なリフレッシュを個人レベルで体感できる行事が神社で毎年6月30日に行われている。
その名も「夏越大祓 茅の輪くぐり(なごしのおおはらえ ちのわくぐり)」。
リヤドと神社の親睦性について
われわれ人間は生きているうちに知らず知らずに小さな罪を犯してしまう生物です。
言うべきでないのに発してしまった言葉、痒みへの憤りにまかせて潰した小虫の命、
ちょっとした自宅ゴミをコンビニで捨ててしまう後ろめたさなどなど。
そんな小さな罪は穢(ケガレ)となって澱のように鬱積していく。
だから半年に一回くらい自分をリフレッシュしよう、というのがこの行事なんですね。

いま全国の神社はこの行事の準備の真っ最中。
私が務める常陸國總社宮でも来週には行事で使う「茅の輪」を作ります。
次回はこの行事の内容についてお伝えしたいと思います。

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