ブルックリン発 鯖江行き 日米交流弾丸ツアー 

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ブルックリン発 鯖江行き 日米交流弾丸ツアー 

ブルックリン発 鯖江行き 日米交流弾丸ツアー 

アメリカでは、眼鏡の工場が完全に衰退してしまったのはご存じでしょうか?

眼鏡のツル(テンプル)の裏側の「made in ○○」という表示を見ると分かりますが、ほとんどのアメリカのブランドの眼鏡やサングラスのフレームは、もう数十年も前に生産をやめて今では作られてはいません。


洋服やスニーカーと同じで、逆に眼鏡の世界でも、「MADE IN U.S.A.」と書いてあれば、かなりレアなシロモノになります。


そんな時代の中で、アメリカ、ニューヨークのブリックリンに眼鏡の工場を作ってしまった若者3人がいます。

ブルックリン発 鯖江行き 日米交流弾丸ツアー 

左から Ryan Langer, Gerard Masci , Brian Vallario

彼らは、LOWERCASE (ローワーケース)という名前で、3年前から自分らが眼鏡づくりをはじめました。


彼らは、アメリカで失われた眼鏡づくりをもう一度復活させ、盛り上げて行きたいという高い志と情熱を持っています。


しかし、ゼロから眼鏡づくりを始めると言っても簡単ではないはずです。
教えてくれる人がいないので、全て独学で始めるしかないです。

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ローワーケースの工場がある1919年に建てられたBrooklyn Army Terminal

世界でもトップレベルの日本の眼鏡づくりの現場を実際に見たらきっと良い勉強になるだろうと、福井県の鯖江の谷口眼鏡の谷口さんと中村さん、メガネロックの雨田さんに無理を承知でお願いしたところ、熱い思いに賛同して快諾してくださいました。


3人のうちの1人でデザインと製造を担当しているブライアン・バラリオさんを連れて、1泊2日で鯖江に行って来ました。


まず最初に向かった先は、谷口眼鏡です。

谷口眼鏡は、アセテート(プラスチック)製のフレーム工場で、TURNINGという自社ブランドの眼鏡の生産を行っています。フレームの品質が素晴らしく、磨きの技術に関しては日本で一番と言われている工場です。

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日本の工場は、意外とアナログで古い機械を使っているところが多いのです。

それでもクオリティが高い眼鏡が出来上がるのは、日本の職人さんは、手先がいかに器用なのかが分かります。

フレームの艶を出す為に布を回転させて磨く「バフ」という機械を使います。
ブライアンさんは、日本の「バフ」を熱心にチェックしていました。

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谷口眼鏡の中村さんは、眼鏡づくりで大切していることについてお話してくださいました。

掛け心地が良くなるように工夫するだけでなく、眼鏡に衝撃を受けた時に顔へのダメージを減らす為に、程よく壊れることも大事だと仰ってました。

ブライアンさんも、眼鏡の壊れ方まで研究しているのには感動していたようです。

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翌日は、メガネロックの雨田さんの工房に見学に行きました。

雨田さんは、粗削りなど一部の作業を除き、ほとんどの作業を全部一人で行っています。

1本の眼鏡を工程別に分担して作業する鯖江の眼鏡づくりからすると、デザインから製造まで含め、全部一人で眼鏡を作ってしまう雨田さんのスタイルは珍しいのです。

雨田さんが、「ミスタークラフツマン」と呼ばれる所以です。

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ブライアンさんの疑問にも、どの工程も自分でやっているので、
機械を動かすスピードや時間など、こと細かく1つ1つ丁寧にアドバイスしてくださいました。


こういう雨田さんの優しい人柄は、メガネロックの眼鏡にも反映されているだと思います。


また、お互いに実際に手を動かして眼鏡づくりをしている二人だからこそ、言葉の壁を越えて通じ合うものがあるんだなと感じました。

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最後に雨田さんからブライアンさんにメガネロックのサングラスをサプライズでプレゼントしていました。
アメリカでは調達出来ないセルロイド素材のフレームだったので、ブライアンさんはとても喜んでました。

お返しにブライアンさんもローワーケースのサングラスをプレゼントし、いつの間にかプレゼント交換になってしまいました。

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初日の夜には、N.Y.から同行していたエージェントの川崎さんとクリスティンさん、谷口眼鏡の谷口社長と中村さん、メガネロックの雨田さんと、やきとり屋さんで懇親会をしました。

日本とアメリカの眼鏡づくりについて、熱いトークが繰り広げられました。

その中で谷口社長が仰った「伝えたい形はヤスリで、伝えたい思いはバフで表現する。」という言葉がとても印象的でした。

ブライアンさんは、次はみんながブルックリンの工場に来る番だと言って、眼鏡業界の日米の友好を深めました。

最後は、「良きライバルは、良き友。お互いに良いところを伸ばし、5年後、10年後にもっと眼鏡業界が盛り上がっているようにこれからも頑張ろう!」という谷口社長の言葉で締めくくり、その言葉に全員が同意して熱い夜の幕を閉じました。


今回のローワーケースの鯖江ツアーでは、日米の眼鏡業界でそれぞれ違った課題を抱えていますが、お互いを知り得たものが多かったと思います。
日本とアメリカをはじめ、世界の国々でそれぞれの土壌で眼鏡が盛り上がり、世界中で盛り上がる為にも、こうして国境を越えた繋がりも必要です。

眼鏡は、作り手によってそれぞれ異なった個性があります。
機会がありましたら、それぞれの作り手が表現した眼鏡を実際に手にとって見ていただけると嬉しいです。


尚、一度会ったら忘れない名物ショップマネージャーの矢澤が、ブライアンさんにインタビューをしたブログ記事は、下記のリンクからご覧になれます。


メイド・イン・ニューヨークの眼鏡を再び LOWERCASEデザイナー、ブライアン・バラリオ来日(前編)

http://blinc.co.jp/blinc/journal/10136/  


メイド・イン・ニューヨークの眼鏡を再び LOWERCASEデザイナー、ブライアン・バラリオ来日(後編)

http://blinc.co.jp/blinc/journal/10153/  

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Lowercase(ローワーケース)
www.lowercasenyc.com

デザインから製造までの全工程をブルックリンにて行うメイド・イン・ニューヨークのアイウェアブランド。

少年時代から眼鏡を集めるのが好きだったGerard MasciとデザイナーのBrian Vallario が2015年に出会ったことがきっかけに、アメリカンクラフトマンシップに則ったアイウェアを作り出すというビジョンが生まれました。

世界の眼鏡市場の8割以上が中国で大量生産される中、2人はアメリカにはもう存在しないフレーム製造を再構築させようと、
イタリア等から最先端の精密機器を輸入し、独自の製造工程を作り出しました。

1年半の準備期間を経て、2017年1月に念願の初コレクションを公表しました。

自社生産にこだわる一番の理由は、ユニークなデザインと高品質なプロダクトを生み出せる環境にあります。
また、ニューヨークを拠点とし、街のカルチャー、スタイル、歴史などが、眼鏡のデザインのリソースに融合しています。

固定的な概念にとらわれない、トラディショナル且つモダンでクリーンなフォルムが特徴的です。一つ一つのデザインに、Lowercaseの眼鏡を掛けることは、「a piece of New York」(ニューヨークの一部分)を身にまとうこと、という想いが込められています。

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