チームラボ ボーダレス
Naoko Aono

Naoko Aono / Writer
青野 尚子/ライター

アート、建築関係を中心に活動しています。趣味は旅行と美術鑑賞と建築ウォッチング。ときどきドボクも。共著に「新・美術空間散歩」(日東書院本社)。

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チームラボ ボーダレス

チームラボ ボーダレス

流れ落ちる滝はそこに立つ人の足元で割れてまた流れていきます。

チームラボ ボーダレス

タイの祭りからインスピレーションを得たインスタレーション。立ち止まると近くのランプの色が変わり、音とともに隣のランプが光って、さらにそれが伝播していきます。

6月21日、お台場に「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」がオープンします。すごい長い名前ですが、要はチームラボの常設ミュージアム。ミュージアムなんだけどアスレチック・ジムもあるという、ちょっと変わったミュージアムです。

ここではある部屋の作品がそのままふらふらと部屋を出て行って別の部屋に行き、そこにあった作品とからんだりします。観客が触ったり立ち止まったりすると姿を変えるアートもあります。1万平方メートルもの広さがほぼ一つの、巨大な作品と考えることもできます。

アスレチック・ジムみたいなエリアは身体による空間把握能力を高めることが脳の海馬を鍛えることになる、という考え方から作られたもの。観客の身体により深く介入する仕掛けです。たとえば下のムービーはトランポリンで跳ねると星が誕生する作品。このほかにボルダリングなどもできます。ミュージアム側の資料では「すべての作品を鑑賞するのに1時間半から2時間かかります」とありましたが、ここで遊んでいたりすると実際はもっとかかりそうです。



ここではその広大なエリアの多くで観客の動きに応じてリアルタイムで映像を生成し、プロジェクションしています。スマホの画面やVRのヘッドセットの中ではなく、リアルな空間でインタラクティブに動くイメージを楽しむことができるのです。そのためにここでは500台以上の特注のコンピュータをぶんぶん動かしています。現時点でここまでしているのはここだけでは? と思います。

6月15日発売のPen、チームラボ特集では代表の猪子寿之さんにインタビューしました。「何言ってるかわからない、ってよく言われるんですけど」ってご本人自ら言う通り、ときどき何言ってるのかわからなくなる人です。3年ぐらい前、宮島達男さんと記者会見したときも、言ってることが支離滅裂なので宮島さんに「脱法ハーブでもやってるの!?」ってつっこまれてました(当時、社会問題になってた)。が、それから時を経て、この特集ではもう少しわかりやすい話をされてます。猪子さんって何言ってんのかわからない、とお感じの方にオススメです(宣伝)。

チームラボの今回のミュージアムはアートなのか? と問われると微妙なところだと思います。アートという分類にこだわらなくてもいいのでは? とも感じます。少なくとも彼らがここで実現させていることがこれからのアートや社会の可能性を広げることは間違いありません。Penでは「集団的創造」を標榜する彼ら独自の組織や、チームラボの作品に影響を与えた美術史における空間把握の変遷まで含め、さまざまな角度からチームラボを検証しています。お台場のミュージアムとあわせてぜひ。

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