土木展 in 上海
Naoko Aono

Naoko Aono / Writer
青野 尚子/ライター

アート、建築関係を中心に活動しています。趣味は旅行と美術鑑賞と建築ウォッチング。ときどきドボクも。共著に「新・美術空間散歩」(日東書院本社)。

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土木展 in 上海

土木展 in 上海

「土木」は中国語でも「土木」のようです。

突然ですが、上海に行ってきました。2016年に21_21 DESIGN SIGHTで開かれた「土木展」が上海に巡回しているのです。東京展は地味なイメージのある土木に光をあてたことでマニアの方々を熱狂させ、会期の後半にはすっかり洗脳された一般の方々がデートを楽しむ場と化した、伝説の展覧会でした。東京展でキャプション(会場に貼られている説明書き)を手伝った私としては元気でやっとるかいのー、と嫁に出した子を案じる親のような気持ちになって見てきました。

土木展 in 上海 土木展 in 上海 土木展 in 上海

上海展はまず会場がすごい。「藝倉美術館」(MODERN ART MUSEUM, SHANGHAI)という場所なのですが、黄浦江沿いの旧石炭積み下ろし施設をリノベーションした建物なのです。1階には石炭を流し込んだ「ホッパー」という四角錐の設備がそのまま残っています。写真で天井に見えるのがそれです。

21_21 DESIGN SIGHTも地下をあれだけ掘り込んだ、相当に土木な建物なのですが、いかんせん、できあがった今となっては土木要素が見えづらい。その点、こちらは1階でしっかりと過去の歴史が自己主張しています。まずこの時点でテンションが上がります。

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西山芳一さん写真。こちらは主に日本のもの。

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西山芳一さん写真。中央は上海のスーパージャンクション。

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西山芳一さん写真、上海での工事中写真。手前は康夏奈さんの作品です。

今回、大幅に増えてるのは土木写真家、西山芳一さんの写真。21で展示されたものの他、上海で撮りおろした貴重な写真も。現場で働く職人たちの姿は、国は違えど土木にかける心意気は変わらないことを教えてくれます。

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ヤマガミユキヒロさんの《東京タワー》。中国語表記は「東京塔」でした。

アーティスト、ヤマガミユキヒロさんの《東京タワー》も東京展には出展されていなかったもの。ドローイングにプロジェクションで着色され、空の色が変わっていくなど、時間の流れを現します。

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渋谷駅、新宿駅、東京駅を“解体”した建築家、田中智之さんのドローイング。

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左は田村圭介+昭和女子大学環境デザイン学科 田村研究室による渋谷駅模型。右は砂場の砂を積み上げたり崩したりすると高さに応じて等高線が現れたり、低いところに水がたまったりする「ダイダラの砂場」(桐山孝司+桒原寿行)。

21は地下で、こちらは地上なのですが、上海会場のほうが地下のような雰囲気です。コンクリートの太い柱がインダストリアルさを強調します。この2枚の写真の床は石炭を落とした穴。強化ガラスでふさいでいます。

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「土木の行為 ためる」(ヤックル株式会社)。流れてくる水や文字を体でせきとめる、という作品です。上海バージョンなので文字はすべて漢字です。

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ウレタンフォームのパーツを積み重ねてアーチ構造を作ろう! というコーナー。うまく作れたように見えますが……。

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子供はやっぱりできあがったものをご破算にするのが大好きです。

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得てしていいトシの大人が夢中になるものです。

東京展でも来場者のみなさまに楽しく遊んでいただいた土木展ですが、上海展では親子連れの姿が目立ちます。お子様に“英才教育”を施すお母様も。将来が楽しみだなー、と思うとつい、にたにたしてしまいます。

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2016年にスイスで開通した世界最長のトンネル、「ゴッダルドベーストンネル」の開通式と、掘削に使われたシールドマシンの解説を熱心に見る親子。男の子のほうは最後まで見入ってました。よしよし(笑)。

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八馬智×渡辺岳生(ヤックル)の「山手トンネル」でも英才教育が。

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ダムカレーのコーナー。上海女子にもてもての宮島咲さん。

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横山裕一さんも上海女子に人気です。

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設計領域「人孔」は今回も中に入れる仕様です。

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「人孔」にのぼると中国のマンホールの蓋があります。

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上海展特別コンテンツ、16世紀以降の上海の地図。土木に対する視線の変化が地図表現となって現れます。

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「藝倉美術館」の正面。既存の建物の周囲に床と壁を付け足す、というリノベーションです。

土木展 in 上海は6月24日までです。会場のウェブはこちら。百度地図はこちらの1番(中国ではgoogleマップが使えません)。月曜休み、10時〜18時、入場料は100元です。お近くにお寄りの際はぜひ!

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